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1/16スケール「Ⅲ号突撃砲 G型」 ビッグスケールで楽しむドイツ最強のタンクキラー!

2023.01.16

III号突撃砲 G型【モノクローム 1/16】 月刊ホビージャパン2023年2月号(12月23日発売)

ビッグスケールで楽しむドイツ最強のタンクキラー

 第二次大戦のドイツ軍で、戦車不足を補うために多用されたIII号突撃砲。特に1942年11月から生産を開始したG型は、戦闘力が高く量産性のよい対戦車車両として、終戦まであらゆる戦線で活躍した。戦歴はもとより、長砲身の7.5cm砲、ロープロファイルのスパルタンな外観などで人気が高く、さまざまなプラキットが発売されているが、今回のモノクロームのキットは、III号突撃砲にとって初の1/16スケールでのモデル化となる。同社にとっても初めてのビッグスケールAFVだが出来映えは最高、1/35をはるかに超えるボリュームとディテール表現で迫る!

▲III号突撃砲G型はIII号戦車L型の車体がベースとなっているが、L型の生産終了に伴い、増加装甲などの独自の改良が加えられ、終戦までに約7800両が生産された。また前線から戻ってきたIII号戦車を突撃砲に改装したケースもある
▲1/16スケールといえばタミヤのR/Cモデルが有名だが、最近は海外メーカーを中心にAFVキットが盛んにリリースされている。このほど日本のモノクロームもIII号突撃砲G型で参入、期待に違わぬ出来映えを見せている
▲III号突撃砲は、当時のドイツ主力戦車だったIII号戦車の車体を流用した歩兵火力支援車両だったが、独ソ戦以降は対戦車任務にも使われるようになり、G型では不足する戦車を補助する攻撃戦力となるまでに発展した
▲車体側面のシュルツェン(車体側面に装着された防弾板)は金属板で再現されている。マーキングは作例のダークイエロー単色の他、さまざまな迷彩をまとった車両計4種類を用意。カラー塗装図も付属している
▲7.5cm砲は作りやすく変形の心配がない金属砲身を用意。フェンダー上の牽引ケーブルも金属製のワイヤーが同梱されている
▲車体後部。エンジン吸気口のグリルはエッチングパーツを同梱。金属パーツの使用は最低限にとどめられているので組み立ても容易だ
▲戦闘室上面。G型から戦闘室の形状が変更され、上面に車長用キューポラも追加。装填手ハッチの前方には防盾付きの機銃を装備する
▲車体後面。1/35ではすっかり見慣れたはずのIII号突撃砲だが、全長40cmを超えるビッグサイズには圧倒される。ストレートに製作し、塗装と簡単なウェザリングだけでも新たな魅力を発見できるだろう
▲足周りも精密な出来映え。履帯はピンで連結する組み立て可動式、転輪はゴムリム部分と別体式で、メーカー刻印までモールドされている
▲キットは前面装甲を80mm厚とし、前方にスモークディスチャージャーを装着した1943年5月以降の初期生産車を再現。履帯も1枚ずつピンで接続するなど、ラージスケールならではの製作が楽しめる

■モノクローム初の1/16モデル!
 今回製作させていただいたのは、モノクローム1/16 III号突撃砲です。1/16 AFVモデルは初となるメーカーなので、一抹の不安を抱えながら製作を始めましたが、その不安は組み始めた時点ですぐに吹き飛びました。説明書もわかりやすくパーツの合いもよくサクサク組めます。砲身も金属とプラで選べますし、エッチングパーツもしっかりしており、かつ必要最小限に抑えられています。
 1/16とスケールが大きいので、パーツのディテールが大雑把かと思っていましたが、車外装備品なども精密に再現されており、文句なしの出来でした。

■組み立て
 普通に組んでいけばOKですが、押し出しピン跡がまぁまぁあるので、これはラッカーパテなどで埋めておいたほうがよいです。ゲートも大きいのでこれもしっかり処理しておきましょう。
 大きいキットですので、全部組んでから塗装するのは難しいので、車体上部パーツは前・真ん中・後ろに分け、装備品も未装着としておきます。
 このキットで一番大変なのは、履帯だと思います。正直苦行に近い物がありました(笑)。履帯は実車と同様に1枚ずつピンを差し込んで連結させていくのですが、ゲート処理をしっかりしておかないとうまく連結できません。横から差し込むピンも入りづらくなりますので、ここは手も抜かずしっかりやりましょう。

■塗装とウェザリング
 塗装はシンプルにオキサイドレッドのサフを下地に、カラーモジュレーションセットのダークイエローを使用。ただしカラーモジュレーションはあまり意識せず塗っています。
 ウェザリングは、履帯に関してはエナメル系のウェザリング溶剤は使用しないほうがよいです。プラ製の可動式連結履帯では、パーツが割れてバラバラになる可能性が高いです。よってアクリル系のウェザリングカラーを使用しましょう。また、車体足周りのウェザリング、履帯のウェザリングが終わってから上部のパーツと合体させるとよいでしょう。
 車体全体は油彩のローアンバーでフィルタリング。スミ入れなども、ローアンバー+バーントアンバーなどで行っています。チッピングは、本体が大きいので筆で描き込むのは大変な作業になるので、スポンジを使って行うと簡単です。

モノクローム 1/16スケール プラスチックキット

III号突撃砲 G型

製作・文/小澤京介

III号突撃砲 G型
●発売元/モノクローム、販売元/インターアライド●16280円、発売中●1/16、約42.1cm●プラキット

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小澤京介(オザワキョウスケ)

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