「フリーダムガンダム Ver.GCP」をブラッシュアップして製作! 実物大のリアル感を高めるポイントも解説!
2023.01.09ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.GCP【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2023年2月号(12月23日発売)
上海の実物大立像を再現した精密キットを丁寧にブラッシュアップ
2021年に中国・上海の「ららぽーと上海金橋」に建立された実物大フリーダムガンダム立像。そのプラキット化として話題を集めた「フルメカニクス」版1/100フリーダムガンダム Ver.GCPの作例をご覧いただこう。国内ではガンプラ総合施設やプレミアムバンダイにて販売された本製品は、過去に発売された初代MGやMG Ver.2.0のパーツは使用せず、立像の外観を忠実に再現するべく全パーツを新設計。新解釈の着地用ランディング・ギアパーツや特徴的なハンドパーツを盛り込むことで、組み立てるだけで異国の地に佇む巨大フリーダム像の雰囲気を堪能することができる。ARUEによる作例は、プロポーション改修は最小限度に収め、各エッジのシャープ化とモールドの彫り直し、巨大な立像ならではのウェザリングなど、ポイントを絞った工作と塗装でリアルな存在感を高めている。
□外装パーツのディテールアップ
□before⇒after
フルメカニクス1/100 フリーダムガンダム Ver.GCPの作例を担当しましたARUEです。よろしくお願いします。本製品は実物大フリーダムガンダム立像の外観をそのままに模型に落とし込んだもので、もちろん各関節も可動しますが、どちらかといえば本物と同じ立たせ方で飾った際にいちばんかっこよく見える模型かと思います。そのぶん、ディテールやスタイルは申し分ないキットですので、ていねいに整面処理などをしながら仕上げてあげればより一層引き立つフリーダムになります。
■製作
頭部は、初代MGフリーダムガンダムに近い柔らかい表情。頬の張り出し部にプラ板を貼り足して強調することで、好みのバランスに調整しました。また、首関節と干渉する頭部の内側を削ることで、首が座るようにしています。
胴、腹=本キット全般に言えることですがモールドがやや浅いので、しっかり彫り直しつつディテールの調整をしました。
肩、腕、手部=パーツ分割の合わせ目ラインを活かしながらプラ板の貼り込みで単調に見えないように微調整、加えてモールド彫り直しや追加をしています。やや大げさな表情に感じた平手は、プラ板を貼りつつ、余計な部分の削り込みで改修しています。
腰=フロントのボリュームが足りなく感じたので大型化。アーマーの裏側もディテールを追加して見映えをよくしています。
脚、足=モールドの彫り直しと追加。また、つま先をパテで延長して長く見えるようにバランス変更をしました。
■塗装
白=ファンデーションホワイト
黒=ウイノーブラック
青=スーパーファインコバルト
赤=ハーマンレッド
金=スーパーゴールド
灰=メカサフ ライトグレイ
関節=メカサフ スーパーヘヴィ
スミ入れ=スミ入れ塗料ライトグレイ&ダークグレイ
コート=スーパークリアIII、スーパーフラットコート
汚し=タミヤウェザリングマスター Aセット
台座=スーパーサーフェイサー
キットにはシールが付属しますが、厚みがあるためポイントを絞って貼り付け。シールを貼る際は、余白部分をナイフ等で丁寧に切除するとより見映えが向上しますよ。
仕上げですが、立像の佇まいを意識して、少し汚れを加えています。エッジを中心にウェザリングマスターを塗布&削りを繰り返して調整しました。ディテールを邪魔しないよう、派手になりすぎないように意識して仕上げています。
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “フルメカニクス”
ZGMF-X10A フリーダムガンダム Ver.GCP
製作・文/ARUE
ⓒ創通・サンライズ
ARUE(アルー)
スジ彫りや面出しなど、丁寧できっちりした工作が際立ち、清潔感のある塗装で仕上げる。