映画『シンドバッド 7回目の航海』の「サイクロプス」プラキットが登場!キットそのままと映画のシーン再現で製作!【エクスプラス】
2023.01.09キットレビュー+ポーズ&シチュエーション替えの2作で楽しむ
ストップモーション・アニメで特撮技術の礎をつくった巨匠ハリー・ハウゼン。彼の代表作であり、出世作ともいえる『シンドバッド 7回目の航海』に登場した一つ目の巨人サイクロプスが、完全新規のプラキットとなりエクスプラスより登場。一つ目の厳つい表情に獣を彷彿させる逆関節のヒザと蹄など、その特徴的なフォルムを見事に表現している。作例はキットレビューとしてそのまま組んだものと、別シチュエーションにポーズ、ベースを変更したものの2作品を用意。まさにプラキットだからできる楽しみ方といえる。
今回は1958年の映画『シンドバッド七回目の航海(The 7th Voyage of Sinbad)』に登場するサイクロプス。エクスプラスの新作プラキットです。
造形もバッチリ決まっていますし、生物のキットに付きものの有機的な分割ラインやパーツの勘合など、高い精度で仕上げられており、組み立てやすい大変良いキットだと思います。往年のプラキットメーカー、オーロラのテイストのベースも劇中の雰囲気が巧みに表現されており、申し分ありません。
2セット分サンプルを頂いていたので、さらにひとつ追加することにしたのですが、バリエーションとしてすぐ思い付くのは二本角のサイクロプス。でも一体だけではサマにならないし、対戦相手のドラゴンも作るとしたら作業的にさすがに手に余るので、こちらは断念。劇中場面より船乗りを火あぶりしているシーンにしてみました。因みに、この場面の後にシンドバッドたちによってサイクロプスは退治されてしまいますので、この火あぶりされている人は無事助かりますのでご安心を。
劇中でチラッと見える木の椅子を自作してから、サイクロプスを座っているように大改造。関節部で切断してからパーツを付け替えて継ぎ目をヒートペンを使ってならし、合わせて毛並みも再現しました。口は少し閉じ、舌をエポパテで作り舌なめずりしてるように改造。
火あぶりのための木はプラ棒から作り、表面にポリパテを盛って樹皮の表現をしています。木に縛り付けられているように付属の人形は改造。調理台の岩は劇中本編を観ながら、スタイロフォームを削ってから石粉粘土を盛り付けて造形。
キットの造形が良いぶん、塗装は力を入れて、ラッカー塗料で下塗りした後に油絵具を使ってグラデーションをじっくり仕上げました。サイクロプスの肌や下半身の毛並み、木製の檻、岩石、地面など、それぞれの質感を大切にしながら塗装していきました。サイクロプスの目は本編では単に黒目のようですが、赤系と青系で瞳孔を塗り分けてみました。最後になって火あぶりしている炎はどうするか迷ったのですが、100円ショップでセーフティライトを見付けたので、バラして火元にLEDの電飾を入れました。薪はバルサ板の積層から削り出しました。炎は透明ランナーをヒートペンで溶かしながら造形しています。
エクスプラス ノンスケール プラスチックキット
サイクロプス
製作・文/山田卓司
サイクロプス プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●5995円、発売中●約23cm●プラキット
©Produced with the permission of The Ray and Diana Harryhausen Foundation (Charity Number SC001419).
山田卓司(ヤマダタクジ)
月刊ホビージャパンを代表するレジェンドディオラマビルダー。キャラクターからAFVまでさまざまなジャンルを手掛ける。