HOME記事キャラクターモデル映画『シンドバッド 7回目の航海』の「サイクロプス」プラキットが登場!キットそのままと映画のシーン再現で製作!【エクスプラス】

映画『シンドバッド 7回目の航海』の「サイクロプス」プラキットが登場!キットそのままと映画のシーン再現で製作!【エクスプラス】

2023.01.09

サイクロプス【エクスプラス】 月刊ホビージャパン2023年2月号(12月23日発売)

キットレビュー+ポーズ&シチュエーション替えの2作で楽しむ

 ストップモーション・アニメで特撮技術の礎をつくった巨匠ハリー・ハウゼン。彼の代表作であり、出世作ともいえる『シンドバッド 7回目の航海』に登場した一つ目の巨人サイクロプスが、完全新規のプラキットとなりエクスプラスより登場。一つ目の厳つい表情に獣を彷彿させる逆関節のヒザと蹄など、その特徴的なフォルムを見事に表現している。作例はキットレビューとしてそのまま組んだものと、別シチュエーションにポーズ、ベースを変更したものの2作品を用意。まさにプラキットだからできる楽しみ方といえる。

▲キットをストレートに組んだ作例は塗装に注力したもの。船乗りを捕らえ牢屋に入れ周囲を威嚇する姿をヴィネットにしている。棍棒は手から取り外せ、牢屋に立てかけることもできる。木製ベースは横25cm×縦21cmで作品の高さは23cmほどとなっている
▲パーツの合わせ目は瞬間接着剤シアノンを塗って埋めている。インジェクション成型ゆえのパーツの合わせ目付近のモールドが浅くなっている部分は他に合わせて再現。モールドが甘いイボのディテールにはシアノンを盛り付けている
▲頭部は左右と目元、口内を左右で挟み込む方式。口内は事前に塗ってマスキングしてから左右パーツを接着・仕上げている
▲牢屋は正面のみ再現。捕らわれた船乗りの後ろには骸骨に変わり果てた人間の姿が…。天井のかんぬきで閉じられた入り口は劇中通り開閉する。小さくなった姫君を再現するのも面白いだろう
▲口は少し閉じ、舌をエポパテで作り舌なめずりしてるように改造した
▲薪はバルサ板の積層から削り出し。炎は透明ランナーをヒートペンで溶かしながら造形。100円ショップで購入したセーフティライトをバラして火元にLEDの電飾を入れ光るようにした
▲椅子もバルサ材をベースに一部エポパテを盛ってそれらしく再現した
▲火あぶりにあっている船乗りは、キット付属のフィギュアをポーズ変更して使用している
▲調理台の骸骨も牢屋に吊るされているものをばらして配置した
▲サイクロプスは椅子に座って船乗りを調理しているポーズに変更。関節部で切断してからパーツを付け替えて継ぎ目をヒートペンを使ってならし、合わせて毛並みも再現した
▲火あぶり用の木の棒はプラ棒で作り、表面にポリパテを盛って樹皮を再現している
▲捕らえた船乗りを丸焼きにしようとしたシーンを再現した2作目。劇中に合わせてポージングを大幅に変更している。調理台の岩はスタイロフォームを削ってから石粉粘土を盛り付けて造形している

 今回は1958年の映画『シンドバッド七回目の航海(The 7th Voyage of Sinbad)』に登場するサイクロプス。エクスプラスの新作プラキットです。
 造形もバッチリ決まっていますし、生物のキットに付きものの有機的な分割ラインやパーツの勘合など、高い精度で仕上げられており、組み立てやすい大変良いキットだと思います。往年のプラキットメーカー、オーロラのテイストのベースも劇中の雰囲気が巧みに表現されており、申し分ありません。
 2セット分サンプルを頂いていたので、さらにひとつ追加することにしたのですが、バリエーションとしてすぐ思い付くのは二本角のサイクロプス。でも一体だけではサマにならないし、対戦相手のドラゴンも作るとしたら作業的にさすがに手に余るので、こちらは断念。劇中場面より船乗りを火あぶりしているシーンにしてみました。因みに、この場面の後にシンドバッドたちによってサイクロプスは退治されてしまいますので、この火あぶりされている人は無事助かりますのでご安心を。
 劇中でチラッと見える木の椅子を自作してから、サイクロプスを座っているように大改造。関節部で切断してからパーツを付け替えて継ぎ目をヒートペンを使ってならし、合わせて毛並みも再現しました。口は少し閉じ、舌をエポパテで作り舌なめずりしてるように改造。
 火あぶりのための木はプラ棒から作り、表面にポリパテを盛って樹皮の表現をしています。木に縛り付けられているように付属の人形は改造。調理台の岩は劇中本編を観ながら、スタイロフォームを削ってから石粉粘土を盛り付けて造形。
 キットの造形が良いぶん、塗装は力を入れて、ラッカー塗料で下塗りした後に油絵具を使ってグラデーションをじっくり仕上げました。サイクロプスの肌や下半身の毛並み、木製の檻、岩石、地面など、それぞれの質感を大切にしながら塗装していきました。サイクロプスの目は本編では単に黒目のようですが、赤系と青系で瞳孔を塗り分けてみました。最後になって火あぶりしている炎はどうするか迷ったのですが、100円ショップでセーフティライトを見付けたので、バラして火元にLEDの電飾を入れました。薪はバルサ板の積層から削り出しました。炎は透明ランナーをヒートペンで溶かしながら造形しています。

エクスプラス ノンスケール プラスチックキット

サイクロプス

製作・文/山田卓司

サイクロプス プラスチックモデルキット
●発売元/エクスプラス●5995円、発売中●約23cm●プラキット

©Produced with the permission of The Ray and Diana Harryhausen Foundation (Charity Number SC001419).

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山田卓司(ヤマダタクジ)

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