【水星の魔女】「HG ガンダムファラクト」作例!キット+α工作で見栄えを大きく向上させる
2023.01.08FP/A-77 ガンダム・ファラクト【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2023年2月号(12月23日発売)
プラスワンの工作で傑作キットをさらに引き立てる
ダリルバルデと並んで、HGが2022年12月発売となった「ガンダム・ファラクト」。ペイル・テクノロジーズ製のGUND-ARMとして劇中でも大きな存在感を放つ機体だ。キットも複雑な曲面で構成された形状を的確に再現。巨大な肩部など各部のフレキシブルな可動や、ガンビット着脱の再現など秀逸な完成度となっている。渡辺圭介による作例では、基本形状やギミックはキットそのままに、肉抜き埋めなどに加えてシェルユニットの発光表現やガンビットの丁寧な塗装など、モデラーによる後詰めの作業をしっかり行って完成度をより高めている。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からHGガンダムファラクトが発売です。大型のビームライフルにブースターが展開する肩アーマーなどボリュームあるキット。他キット同様ポリキャップは使用しない構成で関節の保持力が高く、また組みやすくもある良キットです。
あと少しの手間でさらに見映えが上がるので、それらを解説していきます。
■頭部
顔周りは細かいパーツ分割なので、フェイス部等なくさないように注意です。色分け再現はすごいの一言。各パーツは塗装後に組み立てられるので、後ハメ加工や合わせ目消しは必要ありません。4本のブレードアンテナはフラッグをカットしそれぞれシャープに仕上げています。また劇中の画では後頭部がもう少し出っ張って見えるので、B1パーツにパテを盛って延長しました。首関節は、それほど見えはしませんが、後ろに肉抜きがあるので埋めておきます。
■腕部
やはり塗装後に組み立てられる構造なので後ハメ加工等必要なしです。ヒジ関節のスリットの一部は黒に塗装しておくと印象が引き締まります。手はHGBC次元ビルドナックルズ[角]から握り手を追加しました。設定上は指先からデザインが違いますがそのままです。手のひらにだけ丸いディテールを追加しました。
■脚部
脚も見事なパーツ構成で、ヒザの白いパーツの取り付け方法はお見事です。足首基部の関節パーツ(E24、29)は、後ろ側に少し肉抜きがあるのでプラ板でフタをしています。足裏の丸いスラスターにはセンターに伸ばしランナーでピンを追加。ふくらはぎ部接続の軸は片側に肉抜きがるのでここもフタをします。
■腰部
フロントアーマー上側は裏側から出っ張りを削り落として薄く見えるように仕上げています。下側もカドを尖らせてシャープ化。またほとんど見えないですが、裏に黄色いパーツをはめ込むダボ穴が見えているので円形プラ板で塞ぎました。
■バックパック
足首と同じように、各接続軸の穴をプラ材で埋めたり塞いだりをしています。
着脱できるようになっているガンビットは、内側のビーム発生部に付属シールの余白シルバー部分を丸く切り抜いて貼り、クリアーレッドで塗装しました。
■発光部
シェルユニット内の発光部は、キットのシールよりももう少し赤っぽくしたかったので塗装にしました。白塗装の後、タミヤのイタリアンレッドLP-21、その上に蛍光レッドをかけています。UVライトを当てると光って見えます。
■塗装
メインのカラーは、少し青みを強めにしました。
ブルーグレー=#326サンダーバーズ+CB-1アイアンブルー
グレー=#335ミディアムシーグレー+パープル+黒
白=ガンダムホワイト
サーフェイサーの後、黒下地、少しシャドウを意識しながら本塗装。各部エナメル塗料でスミ入れ、最後にツヤ消しを吹いて完成です。
2023年3月に『水星の魔女』のガンダムデカールも出るので、より作り込むならこれも活用したいところですね。
BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “ハイグレード” ガンダムファラクト 使用
FP/A-77 ガンダム・ファラクト
製作・文/渡辺圭介
Ⓒ創通・サンライズ・MBS
渡辺圭介(ワタナベケイスケ)
渋めの仕上げを得意とするベテランモデラー。豊富なテクニックを持ち、キットレビューからスクラッチまで幅広く活躍している。