タミヤ期待の新作 NISSAN フェアレディZ(RZ34)をカーモデラーが徹底的に美しく仕上げる
2022.12.11魅惑のFRスポーツ! タミヤの7代目Zをキットレビュー!!
あえての素組みでタミヤ期待の新作、「NISSAN フェアレディZ(RZ34)」の高いポテンシャルをご紹介してきた「OPEN THE BOX」に続いては、カーモデラー畠中浩による「NISSAN フェアレディZ」のキットレビューをお届け。歴代Zの意匠を受け継いだ、クルマ好きの心躍らせる美しいフォルムを匠のフィニッシュでたっぷりと味わっていただきたい。
■まずはボディから
いつも通り非常に精度が高い造形です。前後バンパーの他、黒塗装が基本のルーフも別パーツになっていますが、今回のこのキットは全体的にマスキングの手間を大幅に減らすよう構成されているようです。ドアミラーに至っては片側ミラー面込み合計6パーツというこだわり(!) ということで、まずはボディカラーを塗装するパーツの整形を進めます。非常にキレイなパーツなのですが、念のためサフを軽く吹いて確認するとプラモの宿命でフロントバンパー上部やルーフの前部などいくつかごく浅いヒケを発見。今回は特にメタリックカラーの塗装をするため、最後までヒケ部分が目立ちますからしっかり処理をしました。なお、今回は削り込むだけで消せる範囲だったのでパテ類は一切使っていません。ちなみにリアホイールアーチのフチ部分はヒケではなく「造形」なので平にならさないよう注意です。次に組み立てに支障がないので前後バンパーとサイドシル部を先に接着します。各部とも微妙な隙間(要はスジ彫り)が出来るので無理に密着させないよう注意。ドアノブは手を入れる部分に空間が出来るよう別パーツになっています。成型の都合上パーツに厚みがあるので裏面を少し削り込んで薄さを表現しましたが、結構目に付く部分なのでぜひ削ってあげてください。処理が終わればボディの塗装に入るのですが、ルーフのパーツが別になっているのもあって先に室内などの塗装を済ませぐるっとマスキング、研ぎ出しなどが終わってからすべて剥がせばクリアー仕上げ後のボディにベタベタとテープを貼る必要がないのがいいですね。
■内装について
こちらもドアノブなども含め細かいパーツ分割で塗り分けを簡単にしています。メーター周りやステアリングホイールのガンメタ塗装は筆塗りで対応出来る範囲なのでこの程度は問題なし。内装色はその辺をお見せするためにレッドの入ったツートンを選択しました。パーツの合いも完璧なのでパーツ数は確かに多いですが、トータルではマスキングのストレスがないせいでとても楽に作ることが出来ました。これで色付きのプラならいよいよ新しい時代に突入しますね、これは。
■塗装について
ボディカラーはいろいろと検討した結果バーガンディを選択。この車の専用色ではありませんが、240Z時代のマルーンを近代化したような色合いでお気に入りです。塗料ですが、難しい色については最近出来るだけ楽をしたいということと充分正確な色味なので、実車用のタッチアップペイントを使っています。ただ、実車用塗料を使う際はシンナー分が強いのでそのまま使うとプラを痛めてしまいます。まずは空き瓶に塗料を取り出し、しばらくフタを緩めたまま溶剤分を揮発させてから模型用シンナーで希釈、エアブラシを使用して塗装しています。仕上げはウレタンクリアーですが微妙なエッジの多い車なので非常に薄く塗装、下地を出さないようヒヤヒヤしながら研ぎ出しています。で、このキットで一番手間がかかるところとしてシャシー裏面があります。ここは無視するわけにも行かないので細かく切ったマスキングテープを駆使して塗り分けました。すべての工程で一番時間がかかった部分かもしれません(笑)。窓などの塗り分けにはカット済みのマスキングシートが用意されていますが、形状も正確でとても素晴らしいです。
■最後に
たくさんの分割があるとパーツ数増加で好き嫌いが分かれてしまうかもしれませんが、特に箱車の内装は見えなくなるのに塗り分けが本当に面倒じゃないですか(笑)。作り終えるとマスキングによるストレスが少なく非常に楽な製作だと感じました。すべてのキットでこの構成を続けるのは難しいでしょうけど、可能な限り今後もお願いしたいです!
タミヤ 1/24スケール プラスチックキット
NISSAN フェアレディ Z(RZ34)
製作・文/畠中浩(ももふく模形舎)
NISSAN フェアレディ Z(RZ34)
●発売元/タミヤ●4180円、12月10日予定●1/24、約18.3cm●プラキット
畠中浩(ハタナカヒロシ)
資料閲覧用としてパソコンからipad-miniに入れ替えました。机の上もすっきりして大満足中。