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『勇者王ガオガイガー』25周年の歴史を一気に振り返る!

2022.11.02

勇者王の伝説 月刊ホビージャパン2022年12月号(10月25日発売)

『勇者王ガオガイガー』25周年の歴史を一気に振り返る!

勇者王の伝説

 君たちに『勇者王ガオガイガー』基礎知識を紹介しよう! 誕生して25年、本作の人気は新たな話題が出るたびに盛り上がるばかりだ。特に熱い近年のホビー展開をもっと楽しむために、今こそ原典へファイナルフュージョン承認!

構成/谷崎あきら(TARKUS)、文/加納遵

 勇者王ガオガイガーとは!?

 1997年2月1日、勇者シリーズの第8作として本作は放映開始された。企画時のテーマは「巨大ロボットもののルネッサンス」「シリーズの集大成」である。長期シリーズ特有のマンネリ感、娯楽の多様化からロボアニメの灯が消えてしまう危機感の打破を目的としていたのだ。そこで米たにヨシトモ監督、キャラクターデザインの木村貴宏氏らロボアニメ初経験のクリエイターを中枢に置き、若きライター陣を積極的に起用し、アニメの設定に科学的な視点を加えてリアリティを出す「スペシャルコンセプター」というスタッフを据えた。さらに主役ロボであるガオガイガーは重厚感を醸し出す「黒」を基調としたデザインとなる。そして一度聞いたら絶対に忘れられない、田中公平氏による主題歌「勇者王誕生!」の存在も欠かせないだろう。だが本作を語る上で、プロデューサーを務めた高橋良輔氏らロボアニメ界のベテラン勢、歴代勇者シリーズを作り続けてきたサンライズ第7スタジオの手腕を忘れてはならない。『勇者王ガオガイガー』は放映前から勇者シリーズ最終作と決まっていた。輝かしいフィナーレを飾るべく、培ってきた技術や演出力が惜しげもなく注がれているのだ。
 ここまで練り上げられた作品がTV放映分だけで静かに凪ぐはずもなく、OVA『勇者王ガオガイガーFINAL』、その先にある真の完結を描いた『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』までもが展開された。もちろん、専門知識なしで高いエンタメ性や熱気を楽しんでもいい。『勇者王ガオガイガー』に触れて沸き立つもの、それこそが本作の魂である「勇気」そのものなのだ。

※9作目として玩具試作が製作された『フォトグライザー(仮)』があるが、アニメ番組企画の成立までは至らなかった。


STORY

 2003年、EI-01と名付けられた謎の物体の墜落事件と、宇宙メカライオン・ギャレオンによる警告から、地球を狙う「ゾンダー」の存在が明らかとなった。日本政府は秘密防衛組織GGGを発足し、ギャレオンがもたらしたGストーンのオーバーテクノロジーから重機動メカノイド「ガオガイガー」を建造。ゾンダーロボが出現した2年後、Gストーンの力を身体に宿した獅子王凱、ゾンダーに侵された人間を浄解する少年・天海護、超AIと科学の叡智を搭載した勇者ロボ軍団たちの活躍によって、EI-01をはじめとするゾンダリアンの野望は打ち砕かれた。
 だが彼らは、遥か彼方にある三重連太陽系を機界昇華=生命体と機械を完全融合させ滅亡に導いた「機界31原種」の尖兵にすぎなかった。原種の強襲を受けたGGGは壊滅してしまう。しかし対原種兵器として造られた戒道とソルダートJが復活し、GGGも拠点を衛星軌道上のオービットベースへと移し、戦いの舞台は宇宙へ。原種が合体した「Zマスター」、さらに物質昇華を招く「機界新種」との戦いに挑む。

主要キャラクター

獅子王凱

GGG機動部隊長。宇宙飛行士時代に地球外生命体EI-01との接触事故によって瀕死の重傷を負い、サイボーグとして蘇った。左腕のガオーブレスに嵌められたGストーンで生命の維持をしている。どんな困難にもくじけない勇気とガッツの持ち主

天海護

8年前、ギャレオンから天海夫妻へと託された少年。普通の小学生として過ごしていたところ、ゾンダーの素体となった人間を元に戻す能力「浄解」に目覚めた。特別隊員に任命されてからはGGGの一員として活動する

初野華

護の幼なじみ。怖がりなのにゾンダーの出現によく巻き込まれる。護の正体を知り、彼が戻ってくるのを待ち続けると約束した

戒道幾巳

護の学校に転入してきた少年。Jジュエルでの浄解能力を持つ。その正体は赤の星で生まれた生体兵器「アルマ」であった

GGG(スリージー)

日本に本部を置く地球防衛組織。正式名称は「ガッツィ・ジオイド・ガード」、原種大戦時に「ガッツィ・ギャラクシー・ガード」に改める。世界各国に支部があり、メカ、研究、諜報などの専門セクションで構成されている

大河幸太郎

GGGの活動を統括する長官。穏やかな紳士だが、戦闘では大胆な決断も見せる。ガオガイガーやツール類の発動には彼の承認を要する

火麻激

GGG機動部隊作戦参謀。GGG随一の熱血漢で現場主義。ヒートアップして通信機を壊すクセがある。大河とは古くからの友人

獅子王麗雄

宇宙開発公団顧問監修GGG研究部部長にして凱の父親。世界十大頭脳のひとりであり、メカニック開発から対ゾンダー作戦まで活躍する

卯都木命

機動部隊オペレーター。凱とは高校時代からの付き合いで、彼を追ってGGGに加入した。EI-01落下事件で両親を亡くしている

スワン・ホワイト

研究部オペレーター。語学に優れ、麗雄博士のアシスタントも務める才女。明るい性格でGGGのムードメーカー的存在である

機界四天王

2年前に地球に飛来したパスダーに仕えるゾンダリアン。全員が機界昇華された三重連太陽系の出身であり、侵略の次なるターゲットを地球に定めた。日々の生活でフラストレーションを溜めた人間にゾンダーメタルを埋め込み、平和を脅かすゾンダーロボを生み出していく

▲ピッツァ
▲ポロネズ
▲プリマーダ
▲ペンチノン

主要メカニック

ガオガイガー

ガイガーと3機のガオーマシンがファイナルフュージョンして完成する重機動メカノイド。胸の前で組んだ拳をゾンダーロボに激突させ、核を引きずり出す「ヘル・アンド・ヘブン」を切り札とするが、この技は搭乗者の凱に甚大なダメージを与えてしまう

超竜神

機動部隊の氷竜・炎竜がシンメトリカルドッキングした姿。人命救助とメガトンツール「イレイザーヘッド」での凱のサポートを主任務とする

▲氷竜
▲炎竜

撃龍神

中国の科学院航空星際部で開発された勇者ロボ、風龍と雷龍のシンメトリカルドッキング状態。右腕からは風、左腕からは雷のエネルギーを放つ

▲風龍
▲雷龍

ゴルディーマーグ

ゴルディオンハンマー制御のために開発されたAI搭載型マルチロボ。頑丈なボディと、火麻参謀の人格を基にした猪突猛進さが特徴

ビッグボルフォッグ

ボルフォッグ、ガングルー、ガンドーベルが「三位一体」の掛け声で合体したロボ。3機とも諜報部所属だが合体後の戦闘能力は高く、多彩な攻撃技で敵を翻弄する

▲ボルフォッグ
▲ガングルー
▲ガンドーベル

マイク・サウンダース13世

アメリカで開発された勇者ロボ。共鳴振動で対象物質を破壊する技「ソリタリーウェイブ」を持つため、来日時はコスモロボ形態に擬装していた

▲コスモロボ形態
▲ブームロボ形態

キングジェイダー

戒道、J、トモロが搭乗する超弩級戦艦ジェイアークが合体した赤の星のジャイアントメカノイド。右腕の武装「ジェイクォース」で原種核を摘出する

▲ジェイダー

獅子の女王

(リオン・レーヌ)

STORY

 月刊ホビージャパン1998年4月号~10月号連載の外伝小説。執筆は本編脚本を手掛けた竹田裕一郎氏。凱の従妹にあたるルネ・カーディフ・獅子王を主役に、原種大戦の裏側で展開されていた対特殊犯罪組織シャッセールの物語を描く。フランスで開発された新たな勇者ロボ「ポルコ―ト」「光竜」「闇竜」、新ツール「モレキュルプラーネ」が登場し、連載と連動した特撮写真やスクラッチビルド作例も掲載された。
 国際犯罪組織バイオネットのエージェントを母に持つルネは、組織に誘拐されバイオサイボーグ改造手術の実験台とされてしまう。救出されて父・雷牙の手で再手術を受けるが、生命維持のためにGストーンのサイボーグとならざるを得なかった。生体と機械が入り混じった身体と、同じサイボーグでも前向きに生きる凱や奔放な父への反発から「獅子王」の姓を頑なに拒むルネ。やがて「獅子の女王」の異名を持つシャッセール捜査官となった彼女に、新型ビークルロボ護衛の任務が下る。そこへまたしてもバイオネットの魔の手が待ち構えていた。


STORY

 原種大戦から2年後の2007年、雪の降る7月のパリでは、バイオネットの手に堕ちた謎の物質「Qパーツ」奪還のためシャッセールと新たな勇者王・ガオファイガーが戦いを繰り広げていた。そのQパーツ保管場所を、三重連太陽系の再生を目論むソール11遊星主が複製した護が襲撃する事態が発生。凱はレプリジンの護とギャレオンをコアとするレプリガオガイガーを粉砕するが、Qパーツはすべて遊星主に奪われてしまった。
 三重連太陽系再生には太陽系を構成する暗黒物質が必要、すなわち地球の消滅を意味する。GGGはギャレオリア彗星を抜けてソール11遊星主の居る三重連太陽系へと向かった。そこで彼らを待っていたのは、寸分の狂い無く複製されたレプリ地球であった。幾重にも張り巡らされた遊星主の罠をくぐり抜け、ついに本来の姿を取り戻したギャレオンと凱が邂逅、ジェネシックガオガイガーが降臨する! 太陽系の存亡を賭け、GGGは人類最後の勝利の鍵「ゴルディオンクラッシャー」を発動。ソール11遊星主の野望を黄金の光と化した。

主要キャラクター

獅子王凱

機界新種戦を経てGストーンと生機融合し、サイボーグからエヴォリュダーへと生まれ変わった。生身でのコンピューターアクセスなども可能になり、戦闘時には金色のIDアーマーを装着する

ルネ・カーディフ・獅子王

バイオネットのQパーツ入手をきっかけに光竜・闇竜とともに凱と共闘。GGGの三重連太陽系出航にも同行し、囚われていたソルダートJをGストーンの力で救出する

ソルダートJ

Zマスターを倒した後、奇跡的に生還し太陽系の収縮現象を突き止める

天海護

原種大戦後にギャレオンとともに宇宙へ旅立ち、三重連太陽系の復元計画を感知。パスキューマシンを奪取した

戒道幾巳

Jと護がソール11遊星主に捕らわれていく中、太陽系消滅の危機を伝えるためにひとり地球へと帰還する

GGG(スリージー)

原種大戦で大破したオービットベースは大規模改修され、各艦の構造や名称が一新された。長官に防衛庁天下りの八木沼、新オペレーターにパピヨンが就任するなど人事面も変化している

▲八木沼範行
 
▲卯都木命
 
▲パピヨン・ノワール
▲スワン・ホワイト
 
▲スタリオン・ホワイト
 

ソール11遊星主

Qパーツの完成形「パスキューマシン」で三重連太陽系の復元を目指す制御プログラム。パルス・アベルをリーダー格として行動する

▲パルパレーパ
▲ピルナス
▲パルス・アベル
▲ピア・デケム

主要メカニック

ガオファー

ギャレオンに代わる次世代メカノイドのコア。凱とファントムガオーのフュージョンで人型に変形する

▲ファントムガオー

天竜神

光竜と闇竜がシンメトリカルドッキングした形態。戦闘に特化した仕様で、必殺技はメーザー砲の乱反射とジャミング弾の撹乱を組み合わせた「光と闇の舞」

▲光竜
▲闇竜

ガオファイガー

ガオファーと改良されたガオーマシン3機で構成されるファイティングメカノイド。Gストーンのパワーを最大限発揮する設計により飛躍的なパワーアップを遂げた

▲ステルスガオーIII
▲ライナーガオーII
▲ドリルガオーII

ジェネシックガイガー

ジェネシックガオガイガーのコアとなるメカノイド。ジェネシックギャレオンが凱とフュージョンした姿である

▲ジェネシックギャレオン

ジェネシックガオガイガー

ソール11遊星主へのアンチプログラムとして、緑の星の指導者カインが創造したスーパーメカノイド。ジェネシックガイガーと5機のマシンで構成される。ガオガイガー関連の技術はこの機体から断片的に伝播したもので、ジェネシックガオガイガーのツール類は初めから全身にパッケージされている

▲ガジェットガオー
▲ブロウクンガオー
▲プロテクトガオー
▲スパイラルガオー
▲ストレイトガオー

STORY

 ソール11遊星主を倒したGGGは、最後に残されたESミサイルで護と戒道を地球に送り届け、滅びゆく三重連太陽系へと残った。だが勇者たちは決して諦めない。ジェネシックガオガイガーに搭載されていた未知のツール「ギャレオリア・ロード」を使い、新たな次元の扉を開いていたのだ。一方地球では、勇者たちの救出作戦「プロジェクトZ」が発足。護と戒道がパイロットとなる新メカノイド・ガオガイゴーの運用が進められていた。だが、木星から異常な量の電磁波が降り注ぐ現象=インビジブルバーストの発現により世界中のインフラが崩壊し、プロジェクトZも凍結してしまう。
 そして2016年──護と戒道は20歳になり、ガッツィ・グローバル・ガードと名を改めた新生GGGは数々のミッションを果たしながらプロジェクトZ再開を目指していた。しかしその先々には、人知を超えた奇妙な現象と、ラミアら「ベターマン」と呼ばれる存在が必ず現れる……。

『勇者王ガオガイガー』誕生から20余年、勇者と夢人が織りなす壮大な御伽噺<ジュブナイル>、ここに完結!

本企画は竹田裕一郎氏・著/米たにヨシトモ監督・監修のWEB小説でスタートし、単行本3冊をもって2021年に完結。藤沢真行氏・作画のコミカライズ版は4巻まで発売中(以下続巻)

時空を超え、三重連太陽系から復活を果たした凱をプロトタイプ・ガオファーが迎えた。他の勇者たちの行方、トリプルゼロ、オレンジサイト、覇界王ジェネシックガオガイガーとは!?

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ⓒサンライズ

加納遵

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