軍用輸送機「C-130J-30」の最新キットをとことん遊び倒す!【ズベズダ製 1/72スケール】
2022.09.05新世代への転生“スーパー・ハーキュリーズ”
航空自衛隊のC-130Hや海上自衛隊のC-130Rなど、西側諸国50ヵ国以上で約2500機が運用されるベストセラー大型輸送機ロッキードC-130ハーキュリーズ。1999年から導入が開始された最新型C-130Jは、“スーパー・ハーキュリーズ”の名の通り、HUDや多数のディスプレイを備えたコクピット、エンジンやプロペラの換装などで従来型から性能を大きく向上させている。2021年1/72スケールでC-130Hを発売したズベズダが、C-130Jの最新アップグレードであるC-130J-30をリリース。21世紀の西側主力輸送機キットを、工作から塗装に至るまでとことん遊び尽くしてみた!
■最新キットをとことん遊び倒す!
こんにちは! 2022年6月号の九九艦爆で月刊ホビージャパンデビューをさせていただいたハルサーです。今回はズベズダから新発売の1/72 C-130J-30です。2021年に発売されたH型のバージョン替えとして今回発売されました。実機では全長が4.57m延長され、より多くの物資を輸送できるようになった最新の機体です。この最新キットを「とことん遊び倒す」ハルサー流で製作しました。
■工作とディテールアップ
胴体や主翼パーツの表面は梨地仕上げです。塗料の食い付きが良かったり筆塗りがしやすかったりとメリットもありますが、今回は表面にもたっぷりと手を入れるので、全体をヤスリがけして梨地を落とします。
パネルを開放する部分をあらかじめカットします。ピンバイスで穴を開けてニッパーで切り取り、ナイフで形を整えます。ミニ四駆の肉抜きの要領です。キットのプラは柔らかいので作業がしやすいです。
C-130の実機では、胴体のリベットラインの凸凹や補強パッチなどが目立ちます。これを模型に落とし込み表現したいと思います。まずはリベットラインを胴体に書き込んでいき、ラインに沿ってモーターツールで削ったら、紙ヤスリで凹みの形を整えます。仕上げに全体的に耐水ペーパーの1000番まで使い、表面を整えていきます。
内部もガッツリと作り込みます。コクピットにはエデュアルドのエッチングパーツを使用します。塗装済みパーツは最後に取り付けるので、先に無地のパーツを使って組んでいきます。今回は電飾を取り入れて、緑色を中心にJ型の近未来的な様子を再現します。各種プラ材や伸ばしランナーを使用し、どんどん情報量を増やしていきます。J型の特徴でもあるHUDもプラ材や偏光フィニッシュを使って自作しました。
貨物室の作り込みでは、プラペーパーで座席の網状の背もたれ、エポパテでメディカルキットなどを再現し、床の滑り止めはマスキングをしてツヤ消し黒を吹いています。こちらも内部をよく見せるために、天井の照明を電飾しました。
主翼はフラップの下げ状態への加工や着水時の筏の格納、エンジンは片側2基のカバー開放と内部の作り込みなど手を加えました。水平尾翼のエレベーターも下げ状態へ加工しています。
胴体横の主脚バルジ周りは、左はAPU、右は貨物室空調装置、左右のエアディフューザーなどの内部メカを、プラ材や金属線で立体的に再現しました。
■塗装とマーキング
キットでは6種類のマーキングを選べます。今回は米空軍のインベイジョン・ストライプがカッコイイ、ラムシュタイン基地所属のDデイ記念塗装機をチョイスしました。
ストライプはディテールを活かすために塗装とし、上面のウォークウェイのラインも塗り分けしやすいように塗装としました。
スミ入れ後にデカールを貼り、半ツヤクリアーでコートし完成とします。
■おわりに
ズベズダのC-130シリーズは、パーツ数も抑えつつ各パーツがピッタリハマり、剛性も高いので、とても組みやすいキットです。その反面、貨物室などがアッサリしているので、今回の作例のように思いっきり手を入れてみるのもおもしろいですよ。
ズベズダ 1/72スケール プラスチックキット
C-130J-30 軍用輸送機
製作・文/ハルサー
C-130J-30 軍用輸送機
●発売元/ズベズダ、販売元/GSIクレオス●7150円、発売中●1/72、約47.8cm●プラキット
ハルサー
子供の頃にビデオデッキやラジカセを分解してワクワクしていたことが、内部メカの再現欲につながっているのかも。