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初心者でもカッコよく!スーパーホーネットをお手軽ウェザリング

2022.09.03

アメリカ海軍 F/A-18E スーパーホーネット“VFA-195 チッピーホー”【童友社 1/72】 月刊ホビージャパン2022年10月号(8月25日発売)

そこそこモデリングでかっこよくスーパーホーネットを汚してみよう!!

難しいことはいっさいやらない!! でもかっこいい。

 どこでも売っているマテリアルで、少ない手数で飛行機模型をかっこよく汚せたら……。そんな欲張りみたいなことが、今ならできるのだ!! 通常塗料の進化だけでなく、ウェザリング塗料の進化によって「塗ってみるだけ、ちょっと塗り方を変えてみるだけ」で目の前の模型が一気にかっこいい「汚し」を纏っていく。その経過をこの記事でぜひ読んでほしい。そこそこのことしかしていないのに、とてもかっこいいスーパーホーネットが完成する。週末モデリングにもピッタリのカロリーなので、記事を読んだらさっそくやってみよう!!!

STEP.01 エアブラシフリーハンドでの本体塗装

▲1.コクピットだけは先に塗装しておきました。キャノピーをマスキングしたら本体の塗装開始です 2.まずは機体下面に、ぶわ〜っとMr.カラーのC308グレーをべた塗りします。サーフェイサーや下地は吹いてないです 3.上面はC307グレーで塗装。上面と下面の境目は、後のウェザリング工程で分かりにくくなるので、きっちりと塗り分けなくても大丈夫です

STEP.02 Mr.ウェザリングカラーの「とんとん塗り」がまるで塩マスキング!!

▲海軍機特有の潮で傷んだ塗装と汚れ、その上から再塗装された部分のコントラストを再現してみたいと思います。基本塗装の上にMr.ウェザリングカラーのマルチグレーを塗っていきます
▲ウェザリングカラーのマルチグレーを使い古しの筆に含ませたら、余分な塗料をティッシュやキッチンペーパーで吸わせます。後は飛行機にポンポンとスタンプするだけ。これで細かな食塩を使ったマスキング塗装の「塩マスキング」に近い表情になります
▲とんとんと筆を叩くように動かしていきます。塗料が付きすぎたら、ウェザリングカラー専用うすめ液で拭き取って、やり直してください
▲ウェザリングカラー専用うすめ液は、塗料皿に移して使用します
▲筆に溶剤を含ませたら、いきなり塗料を拭いに行くのではなく、筆の余分なうすめ液をティッシュで拭き取ります
▲こちらも塗装した時のように筆をポンポンと叩いて、胴体に塗ったマルチグレーがランダムに塗り広がるようにしていきます

STEP.03 エアブラシで汚し&タッチアップ!!

▲お次はC520でパネルラインに茶系の汚しを追加。そしてグレーの部分も暗くなった箇所をC308でいったん立ち上げましょう
▲パネル部分や汚れがたまりそうな部分を狙って、エアブラシでC520を塗ります
▲C308のグレーで、暗くなりすぎた箇所や、実際にタッチアップされるところを塗って、ウェザリングカラーで沈んだところを明るく立ち上げます
▲デカールを貼っていきます。使いやすいサイズに台紙から切り離して使用します
▲曲面部分にデカールがしっかりと密着するように、Mr.マークソフターを使用しています
▲ピンセットを使って慎重に作業。デカールを破いたり、ピンセットの先で穴を開けたりしないように気を付けてください
▲デカールを貼り込んでいくと……あれれ背中のラインが合わさらなかった! どうしよう!!
▲デカールの色味に合わせて、筆塗りで修正しましょう。水性ホビーカラーを使用すれば、デカールが溶け出すこともほとんどありません
▲ラインを繋げるように筆塗り。この方法はデカールが破けたり、欠けたりしたときも活用できるのでぜひ覚えておいてください

STEP.04 締めはグランドブラウンでがっつり汚します!

▲デカールとここまでのウェザリングを保護するために、ツヤ消しスプレーを吹きます
▲ツヤ消しスプレーが完全に乾いたら、Mr.ウェザリングカラーのグランドブラウンの登場です!! これを全体にかけると茶色の塊になってしまいます。各ディテールにていねいにスミ入れします
▲ある程度細い面相筆で、スミを流していけば、各モールドにきれいに流せます
▲各パネルやモールドにのみグランドブラウンを流しました。次にウェザリングカラー専用うすめ液を含ませた綿棒で拭いていきます
▲全体にビシャビシャと塗らなければ、スミ入れを拭き取った時の余韻で、充分いい感じに汚れます
▲基本塗装とMr.ウェザリングカラーを使用したお手軽ウェザリングだけでも、これだけかっこいいスーパーホーネットを完成させることができます! 週末モデリングなどにも最適なカロリーなので、ぜひ真似してください

■そこそこの手数で、かっこいい飛行機を作る
 少ない手数で効果的なそこそこモデリングで、童友社「凄プラモデル」シリーズのF/A-18Eスーパーホーネット“VFA-195チッピーホー”を製作します。キットはリアルなスケールモデルにも関わらず、パーツの填め合わせはスナップフィット式で接着剤がなくても組み立てることができます。
 昨今のジェット戦闘機、とくに海軍機作品に多く見られる経年劣化のエイジングとウェザリングの雰囲気を狙っていきますよ。海軍機特有の潮で傷んだ塗装と汚れ、その上から再塗装された部分のコントラストを再現してみたいと思います。

■使い古しの筆とウェザリングカラー
 基本塗装の上にMr.ウェザリングカラーのマルチグレーを塗ります。塗料を筆に取り、スタンプのように機体全体に斑点を付けます。作業は使い古しの平筆など、筆先がバラバラになってしまったものが最適です。この工程は「塩マスキング」なるテクニックと同じような効果も得ることができます。

■エアブラシで汚しを描く
 とくに汚れた部分をエアブラシで描き入れます。使用した色は途中写真をご覧ください。汚れる部分や汚れ方は実機を見ながらでもいいですし私のように全体のバランスを見て「この辺に変化を付けておこう、機首は目立つから多めに付けてみよう」と場当たり的でもそれっぽくなるものです。コツは様子を見ながら少しずつ増やしていくことでしょう。
 完了したら機体色に若干白を加え明るくした色を使い、先程吹いた焦茶の汚れの部分に重ねて吹きます。新しく吹いた色のまわりにうっすらと先に塗った焦げ茶色が残るように塗装します。これでエイジングはほぼ完了です。

■仕上げ
 仕上げにMr.ウェザリングカラーのグラウンドブラウンでスミ入れします。余分の拭き取りの際にできる滲みがウェザリングとなります。あとは脚や武装を塗り分け、組み付ければ完成です。エイジングとウェザリングにかかった時間は、基本塗装を始めたところから塗装完了まで乾燥時間やデカール貼りを除けば6時間でした。時間をかけずに難しいテクニックも必要としない斎藤流「そこそこモデリング」。また機会があれば別のジャンル、別の方法も紹介したいと思います!!

この作例のウェザリング全工程は「フィニッシュワーク 虎の巻」で!!

▲2022年8月31日発売のMOOK「模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク虎の巻」に、このスーパーホーネットのウェザリング全工程を掲載。ウェザリングとエイジングをさまざまなレベルでお見せします。「汚し」と「朽ち」を楽しめる1冊です

模型をリアルに仕上げる! フィニッシュワーク虎の巻

●発行元/ホビージャパン●2640円、発売中●A4判

童友社 1/72スケールプラスチックキット

アメリカ海軍 F/A-18E スーパーホーネット“VFA-195 チッピーホー”

製作・文/斎藤仁孝

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斎藤仁孝(サイトウヨシタカ)

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