最新キットで蘇った『オモロイド』をレトロテイストの塗装で体感しよう!
2022.08.22“大河原邦男おもしろメカワールド”令和に復活! レトロテイストキットをシンプルに楽しむ
オジサンモデラー感涙! 1980年代に日東科学教材が展開したプラキットシリーズ『オモロイド』が現代に最新キットとして蘇った。此度のキットはかつてのオモロイドの特徴である「変形ギミック」と「簡単組み立て」を尊重したレトロな味わいのアイテム。とはいえ非常にシャープな成型のパーツやクリアー素材の採用など、2022年のプラキットとしての様式もしっかり確保している。澤武慎一郎による作例では、パーツへの加工は極力抑え、素朴なフォルムを塗装で魅せる方向性にて製作した。
ピ・ボット バーティカルモード
戦闘機モード
ダース・ボス バーティカルモード
ビーストモード
オモロイドと聞けば当時少年だったモデラーのみなさんは「なつかしー!」とおっしゃられるのではないでしょうか。かく言う私にとっても、駄菓子屋さんの棚でよく見かけていた旧友。当時日東科学さんが製品化していましたが、このほどまさかの完全新規金型で奇跡の復活。言わずと知れた大河原邦男氏のデザインの特徴が色濃く出ていて(動力パイプやモノアイなどなど)ファンを楽しませてくれます。キットはシンプルながら戦闘機モードやビーストモードに変形可能、となっています。
■ピ・ボット
飛行形態時のランディングギアは驚きの完全格納です。テストショットゆえかちょっとユルめだったので、スリットにGボンドを塗って滑り止めにしています。また戦闘機モードの場合3点接地になるのですがそのままではバランス的に自立できないため、頭部に錘を入れてバランスを取ります、いろいろ試してギリギリのウェイト量を探り当て、エポパテを詰めてみました。塗装は白ベースに青をインディーブルーとコバルトブルーの混色(4:6)で塗装。シール対応部分も極力塗装して仕上げます。マークやステンシル類はキットのものから不要部分を切るなどして使用。
■ダース・ボス
ストレート組みで、ヒジ関節はGボンドを塗って強化してあります。塗装はジャーマングレーとグランプリホワイトの塗り分け、塗り分け箇所がそこそこあるため粘り強く塗り分けます。マーキング類はほとんどシールを使用、ビーストモードの目は銀→クリアーオレンジの順に吹き付け、瞳部分は自作した水転写デカールを使いました。
■塗装など
2機とも大河原氏のイラスト調のウェザリングを施しています。エナメル塗料の明灰白色でエッジ部分にハゲや傷を描いていく感じです。ところどころジャーマングレイなどでアクセントを入れたりしています。ピ・ボットの靴裏バーニアはツヤ消し白→ダークアースを吹き付けて焼けを表現。他のバーニアはガンメタルにダークアースで焼けを描いて仕上げます。デカールに替えた部分は剥がれないようフラットクリアーでコートし、同時に全体のツヤ加減を整えて完成です。
このキット内箱には、昔のパッケージアートを印刷するという粋なサービスが! ぜひ捨てずに切り取ってお部屋に飾っておきましょう。
Leapfrog ノンスケール プラスチックキット “オモロイド”
KAWARAS F-1A ピ・ボット
OGA-IIIV-1A ダース・ボス
製作・文/澤武慎一郎
オモロイド ピ・ボット/ダース・ボス
●発売元/Leapfrog●各3300円、発売中●約9cm●プラキット
©オフィス・ケイ
澤武慎一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。