【動画あり】アニマトロニクス技術を駆使した“怪しい”メカ入りハンドパペット「賢者を名乗る者」【奥山哲志】
2022.07.22 昼休みに屋上でボンヤリとしていたはずの俺は 何やら呪文めいた音が聞こえたような気がして 気が付くと森の中の遺跡のような場所に立っていた。
目の前にはローブを纏ったトカゲのようなカエルのような怪しいヤツ。
慌てふためく俺をなだめながらヤツは 召喚術で俺をこの世界に呼び寄せた賢者だと名乗った。
何このどこかで読んだラノベみたいな状況……っていうか拉致?
どう見ても胡散臭いけど 見知らぬ世界に迷い込んだ俺には頼れる者もいない。
さてどうする……。
造形物にまるで生きているかのような動きや表情を与えるアニマトロニクスは、映像作品やアトラクションの展示物など、エンターテイメントの世界で欠かすことのできない技術。そして今回の参加者である奥山哲志はそんなアニマトロニクス技術を駆使し、映像を中心にさまざまな作品で活躍するアーティストである。今回のH.M.S.はそんな奥山氏による怪しげな“賢者”をご覧いただこう。
ここ数年本業では専らメカ要員の自分が『ホビージャパン』の『H.M.S.』に作品掲載ですって?
光栄に思いつつも散々悩んだ結果は
「まあやりたいことをやろう」
以前から持っていたイメージのキャラをこの機に立体化しました。
作業としては粘土原型、石膏型取り、ラテックス+軟質発泡ウレタン成形、型紙からのポリエチ組み、サンペルカ削り出し、ウレタン直付け、ポリエステル樹脂成形、型紙から生地を縫製、塗装等々……。
そして自分のことを知る方はもしや……とお思いでしょうが、はい、メカ入りハンドパペットになっております。手を突っ込んでの口パクと棒で腕の操作はもちろん、CAD設計・3D出力・サーボモーター接続にて無線で目をギョロギョロ動かせます。
最近仕事ではなかなか造る機会の無い物を造れたのでとても楽しかったです。
実際に動かしている動画が ↓コチラ↓
スクラッチビルド
賢者を名乗る者
製作・文/奥山哲志(A-L-C)
奥山哲志(A-L-C)
特殊造形・アニマトロニクス・クリエイター。映像関係をメインに造形物の製作や造形物を動かすメカニカルを製作。近年はデザインフェスタなどのイベントで自作のアニマトロニクスの展示やモルモットをモチーフにしたアートドールを販売。
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