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当時キットを徹底改修!ドラグナーの「1/144ファルゲン」を膨大な手間をかけて製作

2022.07.18

サンライズ・メカニック列伝 第42回 XFMA-09 ファルゲン【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2022年8月号(6月24日発売)

当時キットを徹底改修!ドラグナーの「1/144ファルゲン」を膨大な手間をかけて製作

 サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は『機甲戦記ドラグナー』から、統一帝国ギガノスの戦闘型メタルアーマー(MA)「XFMA-09ファルゲン」の1/144作例をお届けしよう!
 ファルゲンは「ギガノスの蒼き鷹」こと親衛隊長マイヨ・プラート大尉の専用MA。新型バーニアによる高い運動性、攻撃型MAに匹敵する火力、指揮官機として強化された電子戦能力を備え、レーダー波を吸収する新型複合装甲を採用した高性能実験機である。第3話で初登場して以来、その圧倒的な戦闘力で主人公ケーンたちを苦しめ続けたが、最終回では共通の敵に対しD-1カスタムとまさかの共闘。当時のファンに強烈なインパクトを与えた、作品を代表する人気機体だ。
「機甲戦記ドラグナー セット2」として復刻されたキットの作例は、田仲正樹が私物を投入して製作。膨大な製作時間を費やしてフォルムの変更と可動部の刷新を行った、文字通りの徹底工作の結果をご覧いただこう。

製作途中状態

 秀作が多い『ドラグナー』プラキットシリーズだが、1/144ファルゲンは頭身が低く劇中のスマートかつ力強いイメージが再現されているとは言い難い。本作例は月刊ホビージャパン1987年10月号掲載の波佐本英生氏による作例記事を参考に、スクラッチと同等の時間と手間をかけて同キットを徹底改修したもの。可動機構を刷新しつつ各ブロックのボリュームと関節位置を連日調整し続け、最終的にはまったくの別物と言えるフォルムへと作り直している。製作途中画像からはそれに要した工作量の膨大さを読み取れるが、同時にキットのパーツ形状を最大限に活かして製作している点にも注目していただきたい

頭部

 キットのままでは大きすぎるため、ブロックごとにいったん分割、幅詰めや削り込みでそれぞれ小さくし、再接着して小型化。アンテナは削り込んでシャープ化した後、先端を1mmずつ削って短くした

胴体/バックパック

 キットを面ごとに分割、HGガンダムAGE-1の胴体フレームに着せ、肩幅を狭くしつつ肩と腰部の可動範囲を拡大。肩関節は可動優先で基本形状もAGE-1のままとしている。首は「30 MINUTES MISSIONS」アルトのものをベースに二重ボールジョイント化し、頭部の前後位置を調整可能に。コックピットハッチは市販のリベットパーツに交換しシャープ化。腹部パイプはスプリングで作り直し。腰フロントアーマーはプラ板を貼り足し大型化、側面装甲もプラ板とエポパテで大型化。股関節ブロックはHG(FC)シャイニングガンダムとHG(UC)陸戦型ジム系のものを組み合わせて製作。下半身のフレームには計3カ所の横ロール機構があり、腰の装甲と干渉させずに片脚を前に振り上げることが可能だ。バックパックは胴体との接合面にプラ板を貼り足し大型化。レーダーはHG(CE)版エールストライカーの翼を改造したものに交換して大型化&シャープ化し、100円ショップで購入した可動式ブロック玩具のボールジョイントで接続。マルチディスチャージャーは弾頭を別パーツ化してディテールアップ。基部にはポリキャップを内蔵させた。「設定ではスモーク、チャフ、フレア等も発射可能で、劇中でも数種類の弾が装填されていますので、好みの弾を入れてください。フォルグ・ユニットは今後必ず装備させますので気長にお待ちいただければ」とのこと

脚部

 太モモはキットを上下に3mm延長し、上部にはHG(UC)陸戦型ジム系の可動部を移植。ヒザ関節はHG(FC)シャイニングのものに交換、後ハメ化しつつ可動範囲を拡大。ヒザ装甲はジャンクパーツとプラ板で作り直し。スネ前面はプラ板を貼り足し角度を調整しながら下方に延長。ふくらはぎ周辺は成型の都合でやや平面的なのでエポパテで形状変更。つま先は接着面で1mm幅を詰め、面構成をエポパテで変更、形状を設定画に近付けた。かかとは分割し小型化。足首関節は市販のロールスイングジョイントで二重ボールジョイント化して接地性能を向上させている

腕部

 肩装甲はプラ板で形状を変更、肩ブロックへは可動式ブロック玩具のボールジョイントで接続。劇中の作画を参考にした角度で取り付けている。飾緒状のパイプはアルミ線にスプリングと市販のパイプパーツを被せたものに交換し可動化。上腕は横ロール機構を入れつつ延長。ヒジ関節はHG(FC)シャイニングのものに交換、前腕は1.5mm厚プラ板で幅増し。手首関節はボールジョイント化し、拳はHG(FC)シャイニングのものやHGBCビルドハンズ(丸)等、小さめの丸指を用意して加工。ハンドレールガンとレーザーソードを持たせるための左手ももちろん製作している

武装

 75mmハンドレールガンSSX9型は2セット分を貼り合わせて厚みを増し、前後に約9mm延長して大型化。両手で構えやすくするため、フォアグリップを折り畳み式にアレンジした。銃口は真鍮パイプ、グリップ周りはHG(CE)エールストライクガンダムのビームライフルのものと交換。レーザーソードは発振部をHG(CE)ストライクのビームサーベルに交換してクリアー化した

■紫色のキザ野郎が登場か
 ところてんと納豆が大好きなサンライズメカファンのみなさんは、「HGドラグナー1の隣には、絶対にライバルのファルゲンを並べないとな!」と意気込んで「機甲戦記ドラグナー セット2」を購入されたことと思います。ただ、1/144ファルゲンはシリーズで1、2を争う難しいキット。同セットのゲルフを1個ずつ分け合った3人のモデラーが「これはお前が作れ」「いや、お前が作れ」「遠慮はいらない、お前が作るべきだ」…と、映画『仁義なき戦い 代理戦争』の一幕のようにファルゲンをグルグル回している光景が目に浮かびます。
 仮組みしてみると充分ファルゲンに見えますが、頭部が大きく下半身のボリュームが不足気味でどこか可愛らしくもあり、その主義主張はともかく外見は作品内で一番カッコいい「影の主役」マイヨ・プラートのイメージとはちょっと離れています。そこで本作例では、HGガンプラの関節を移植して可動範囲の拡大と保持力の向上を図りつつ、頭部の小型化、腕部、脚部、ハンドレールガンのボリュームアップ、腰部装甲や背部レーダー(翼じゃないのよ)の形状変更を行い、全身のバランスを変更しました。…こう書くとわりと簡単そうですが、実際にはトンでもねェ(麻宮騎亜先生風)手間と時間がかかっています。EGストライクガンダムを10機、塗装して仕上げるほうが確実に楽です。この作例と同じ工作をすると高確率で完成しなくなりますので、立ちポーズや飛行ポーズで固定するのもひとつの手だと思います。特に脚部は、腰のシモールA型パッシブ装甲(合成ゴム「シモーレックス」製という設定)が干渉して動かしにくいので、フル可動化にはそれほどこだわらなくてもよいでしょう。なお、腰装甲を分割・可動化して干渉を避ける機構も試作したのですが、外観に違和感が生じたので結局分割はやめて固定としています。

■ド紫なんかで気取りやがって
 バンダイ刊「METAL ARMOR DRAGONAR モデル&デザイン集」を参考に塗装。復刻版キットの成型色のコバルトブルーに対し、作例の本体色は1987年当時の成型色を意識した、青と紫の中間を狙いました。ラインは金でも良いのですが、「MAはアクロバット飛行チームの航空機のイメージ」という当時の共通認識のもと、ブルーエンジェルス風に黄色としました。
本体青=純色シアン+コバルトブルー+純色バイオレットにクールホワイト少量
本体黄=モデナイエロー1+ビビッドオレンジ
 フレームは自作の青紫系グレー。ハンドレールガンは自作の緑系グレー。頭部カメラカバーはGXメタルレッドにクリアーレッドを上吹き。ノズルは焼鉄色+シルバー。ロケット弾頭はハーマンレッドにピンク少量。エナメル塗料でスミ入れ後に、半光沢とツヤ消しを混ぜたクリアーで塗膜をコートし、腰と肩のセンサーにそれぞれアルミ蒸着テープと市販のクリアーパーツを貼って終了です。
 次回は主人公も搭乗した、あの頼もしい脇役メカの作例でお会いしましょう。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット 機甲戦記ドラグナーセット2 使用

XFMA-09 ファルゲン

製作・文/田仲正樹

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©創通・サンライズ

田仲正樹(タナカマサキ)

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