無敵の虎を冬季迷彩で!ティーガーIをドラゴンのリニューアルキットで再現
2022.07.02VI号戦車E型 ティーガーI 極初期生産型 第502重戦車大隊 レニングラード 1942/43【ドラゴン 1/35】 月刊ホビージャパン2022年8月号(6月24日発売)
雪原のデビューを飾った無敵の虎
1942年8月、その後の戦車史に不朽の名を残すドイツ軍重戦車「ティーガー」(ドイツ語で「トラ」の意)がその姿を現した。第502重戦車大隊に配備後、すぐさま東部戦線のレニングラード方面に派遣され1942年8月末から戦闘に参加したティーガーIは、当初は初期トラブルに悩まされたものの、徐々に本来のパフォーマンスを発揮、ソ連軍のT-34中戦車、KV-1重戦車などをものともしない戦いぶりを見せていく。ドラゴンではこの時期の極初期型ティーガーIを再現したキットに、マジックトラックを追加しリニューアル発売。細部仕様の違いもきっちりフォローした無敵の虎を作れる!
■極初期型を徹底再現
今回製作させていただいたのは、ティーガーI極初期生産型、第502重戦車大隊レニングラード1942/43です。“3イン1”で3タイプのティーガーを選択して製作できるお得なキットです。
今回はその中から、箱絵にもなっている迷彩に特徴のある戦術番号「3」、Mishikino、February 1943を製作させていただきました。
■製作について
組み立てる前に、側面の装甲板の荒れ加工を行います。キットのままだとヒケもありウェザリング映えしないので、プラが溶けやすい接着剤を塗って、半乾きくらいでワイヤーブラシで上から叩いていきます。乾燥後、240番くらいのペーパーで表面を整えます。
組み立ては説明書の指示通り組んでいけばよいですが、前述の通り“3イン1”キットなので、場所によっては3通りの選択部品があり注意が必要です。またキッチリ組んでいってもところどころ小さい隙間ができるので、タミヤのエポパテで埋めていきます。スコップなどの車外装備品は、前方の予備履帯を除いてすべて接着しています。
履帯はリアルかつランナーからの切り出しが不要な連結組み立て式のマジックトラックが付属。さらに通常型に加え、極初期型のみに装着された左右対称パターンの履帯も用意されています。作例では足周りに重量感を出したかったこともあり、金属製履帯に交換。本体や足周りのウェザリング後に巻いています。
■塗装について
基本塗装として、全体に暗めのジャーマングレイを塗布した後、タミヤアクリルのホワイトを薄く何回か重ねるように塗装。乾燥後、ファレホのジャーマングレイで迷彩を筆塗りで塗装します。
迷彩が完了したら、アクリジョンのツヤ消しクリアーをオーバーコート。せっかく書いた迷彩がウェザリングではがれてしまうのを防ぐためですが、多少の迷彩剥げは味になるので、ガッツリ上がけしなくても大丈夫です。
ウェザリングまでの下準備はここまでで、一日乾燥待ちします。
■ウェザリングについて
今回はGSIクレオスの新製品「八雲<YAKUMO>カラーセットB WWIIドイツ軍 東部戦線用」を使用しました。昨今ウェザリング専用の用材がたくさん発売されていますが、このセットは戦域によって必要なウェザリングカラー、ペースト、パステルが集約されており、裏面にわかりやすく使用説明が書いてあるので、初心者にもおススメです。値段は少し張りますが、買って損なしのセットです。
ウェザリングは足周りから行います。説明書に書いてある通りに行えば簡単にできます。作例ではさらに深みを加えるため、油彩のローアンバー、バーントアンバー、バーントシェンナなどを駆使してウェザリングしています。
ウェザリングする際は、状況に合わせたウェザリングをするのは大事なことですが、それに囚われ過ぎても面白くないので、自分の感性を信じてやってみるのもいいでしょう。
ドラゴン 1/35スケール プラスチックキット
WW.II ドイツ軍 ティーガーI極初期生産型 第502重戦車大隊 レニングラード 1942/43 マジックトラック付
製作・文/小澤京介
WW.II ドイツ軍 ティーガーI極初期生産型 第502重戦車大隊 レニングラード 1942/43 マジックトラック付
●発売元/ドラゴン、販売元/プラッツ●9020円、発売中●1/35、全長約24.1cm●プラキット
小澤京介(オザワキョウスケ)
2022年も半分が過ぎ、そろそろ夏に向けて筋トレ再開! 鍛えても夏は基本引きこもりですが(笑)。