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今からでもわかる! 映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』ストーリー&メカニック紹介

2022.06.24

新たな解釈で再構築された『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』とは? 月刊ホビージャパン2022年8月号(6月24日発売)

今からでもわかる! 映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』ストーリー&メカニック紹介

新たな解釈で再構築された『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』とは?

 1979年に放送された『機動戦士ガンダム』のテレビシリーズ第15話「ククルス・ドアンの島」。劇場版『機動戦士ガンダム』3部作にも取り入れられなかったものの、脱走兵、戦災孤児、そしてアムロ・レイのジオン兵との邂逅という要素を描いた物語は、ファンの記憶に強く残るものだった。その幻のエピソードが、安彦良和監督の手により劇場映画として再構築された。設定的な変更点やストーリーなどがどのように生まれ変わったのか解説していこう。(構成・文/石井誠)

安彦良和が新たに描いた一年戦争の隠された物語

 映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアン島』(以下、『ククルス・ドアンの島』)がオリジナル版ともっとも異なるのは、タイムラインの違いだろう。テレビシリーズの第15話は、ランバ・ラルと本格的に戦う前のわりと初期のエピソードに位置づけられていた。しかし映画は、安彦良和氏の描くコミック『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のタイムラインに寄ったものとなっている。そのため、ホワイトベースがランバ・ラルの追撃を退けジャブローに到着し、ジャブローでの攻防戦を経て、地球連邦軍の大規模反攻作戦に参加するためヨーロッパ方面に向かう最中の出来事として描かれている。これは、「脱走兵などが出る状況は、戦いがある程度経過し、戦況が変化する中でこそ説得力がある」という安彦氏の考えにもとづいているからだ。
 また、オリジナル版ではククルス・ドアンが保護する子供たちの人数は4人だったが、映画では20人に増えている。孤児たちの集まりを疑似家族ではなくコミュニティとして描き、戦争が小さき者たちに与えた影響と、そんな中でも活き活きと生活する様子を描写することで、「戦争と子供」という本作のテーマ性をよりしっかり伝える役割を担っている。
 そして、その物語の中心になるのが、ジオン軍から脱走したエースパイロットのククルス・ドアン。彼のジオン軍パイロット時代の過去、危険が及ぶ可能性のある無人島に固執する理由などが追加されることで、物語はドアンの過去の因縁と一年戦争のひとつの大局と連動するスケール感を同時に描くことに成功したと言えるだろう。

『ククルス・ドアン島』前後のタイムライン

ホワイトベース サイド7を出航
       ↓
ジャブローへ向けて地球圏へ降下
       ↓
北米大陸へ到着。ジオンの追撃を避けて南米へ
       ↓
ジャブロー到着。ホワイトベースとガンダムを改修
新規補充兵としてスレッガー隊が着任
       ↓
オデッサでの反攻作戦に向けた準備が開始
ホワイトベースはジブラルタル攻略作戦に向け出航
       ↓
ホワイトベース スペイン・カナリア諸島のラス・パルマスに寄港
アレグランサ島での残敵掃討任務を受ける

       ↓
オデッサ作戦への本格参戦に向け、
ホワイトベースはベルファストへ出航

STORY DIGEST

 U.C.0079年。ジオン公国が地球連邦政府に対して仕掛けた、後に「一年戦争」と呼ばれる独立戦争は、大きな転換点を迎えようとしていた。ジオン公国軍による地球連邦軍本部ジャブローへの侵入攻撃は失敗に終わり、新型の主力モビルスーツRGM-79ジムの配備を整えた地球連邦軍は、地球での大規模反攻作戦に乗り出す。この大規模反攻作戦に参加するために、ホワイトベースはジャブローを出航。ヨーロッパ方面に向かう中でスペインのラス・パルマスに寄港していた。そこで、軍上層部から特殊任務を命じられる。カナリア諸島にある小島・アレグランサ島では、複数の偵察部隊が消息を絶っており、その任務とは島の調査と残敵を掃討するというものだった。島に向かったガンダムのパイロットのアムロは、そこで正体不明のザクによる襲撃を受ける。激闘の最中、足場の崖が大きく崩れ、ガンダムは崖下に落下。アムロは意識を失ってしまう。
 悪夢にうなされたアムロは、灯台の施設のベッドで目を覚ます。そこには、大勢の戦災孤児とともにひとりの男がいた。彼の名はククルス・ドアン。彼こそが、ガンダムをザクで襲撃し、アムロを助けた人物でもあった。最初は戸惑ったものの、消息不明となったガンダムを探すために、アムロはドアンたちのもとで暮らす道を選ぶ。
 その頃、欧州地域では軍事的に大きな動きがあった。ジブラルタル海峡へ向けて侵攻するゴップ提督率いる地球連邦軍の大規模艦隊に向け、ジオン公国軍のマ・クベから交渉のための打診が入る。「ジブラルタル侵攻を辞めなければ、世界の主要都市に核を用いたミサイル攻撃を行う」。ゴップはこのマ・クベからの要求を拒否。それを受けて、マ・クベは発言を実行に移すべく命令を発動する。そして、アレグランサ島に隠されたミサイルの起動任務を任されたのは、ドアンのかつての仲間であるサザンクロス隊であった。
 一方、アムロを捜索したいと考えるホワイトベースのクルーのもとに、軍上層部からレビル将軍の待つベルファストに向かうよう命令がくだされる。出航をギリギリまで引っ張ったホワイトベースのクルーたちは、2機のガンキャンとジム、そしてコア・ブースターを島に送りアムロの捜索を本格化させようとしていた。
 ドアンや島の子供たちとも打ち解けながらも、ガンダムを探し続けるアムロ。しかし、事態は風雲急を告げる。ホワイトベースの捜索隊がアレグランサ島に辿り付いたタイミングと鉢合わせするように、サザンクロス隊も島に到着したのだ。激しい戦いが予想される中、ドアンは、試すようにアムロに問う「君は、この子たちのために戦えるか? 君の仲間とも?」。島の子供たちを守るために、かつての仲間との戦いを決意するドアン。そして、アムロもついにガンダムのもとへと向かう。世界を大きな戦火に包む秘密が蠢く中、アレグランサ島ではドアンにとっての最後の戦いが始まろうとしていた……。

アムロ・レイ

▲ホワイトベースのクルーで、RX-78-02ガンダムのパイロット。行方不明になったガンダムを見つけるためにアレグランサ島でドアンたちとともに生活することになる。当初は戸惑いもあったが、ドアンや子供たちと交流する中で、次第に絆が芽生え、島を襲う危機的な状況を前に、子供たちのために戦うべく行動する

ククルス・ドアン

▲ジオン軍の脱走兵で、かつては赤い彗星に匹敵するほどの技量を持つとも言われていた名パイロット。アレグランサ島に孤児を集め、彼らに生活の知恵を与えながらともに暮らしている。島に大きな秘密が隠されており、それを守るために島に侵入する部隊を殲滅。アムロとも戦いを通して出会うことになる

島の子供たち

▲ドアンと暮らす戦災孤児たち。年長者のカーラとマルコスを中心に、幼いながらも島で仲良く過ごしている。家族を殺した兵隊を嫌っており、当初は敵パイロットであるアムロを敵視していたが、交流を重ねる中で次第に心を開いていく

ホワイトベース隊

 臨時に艦長に就任した青年士官のブライトの指揮のもと、難民からの志願兵で運用されていたホワイトベースは、ジャブローに到着後、正式に地球連邦軍に編入。アムロをはじめとする少年たちも軍人扱いとなり、乗員たちは補充兵が加わるかたちでそれまでと同様に運用されることになる。地球連邦軍の大規模反攻作戦への参加のためヨーロッパ方面に向かう中、新たな任務を任される。

▲正式に艦長に就任したブライトと彼を支える操舵手のミライ。ブライトは自身の命令によってアムロが行方不明になったため苦悩することに
▲ホワイトベースの通信士であるセイラは、パイロットとしての訓練も受けており、アムロを捜索すべくコア・ブースターで出撃する
▲アムロとともに島に向かったカイ、ハヤト、ジョブ。アムロを連れて帰ることができなかったことに責任を感じ、命令違反を承知で再び島へ向かう
▲アムロの幼馴染みのフラウとサイド7から一緒に行動してきた孤児のカツ、レツ、キッカ。行方不明のアムロを心配し、一緒に島へ捜索に向かう
▲ジャブローで新たに仲間になったスレッガー。ブライトから頼まれ、仲間たちを焚きつけてアムロの捜索へと動き出す

サザンクロス隊

 ジオン公国軍のヨーロッパにほど近いアフリカ方面で活躍するモビルスーツ部隊。迷彩で彩られた機体を駆ることから「褐色のサザンクロス」とも呼ばれている。かつてドアンが隊長を務めていた。ドアンの脱走後、副隊長のエグバが指揮を執り、補充兵であるダナンが加わった。アレグランサ島にある特殊設備を起動させる命令を受け、島へと向かう。

▲エグバは脱走したドアンに裏切られたという強い気持ちを持っているが、それぞれがかつての隊長に対して複雑な思いを抱えている

RX-78-02 ガンダム

 地球連邦軍の試作型モビルスーツ。サイド7で偶然アムロが乗り込み、幾多の戦いを経てジャブローに送り届けられる。戦いで得たデータは、量産型機であるジムにも転用される。ジャブローにて、脱出用コア・ポッドが搭載され、前期型では肩部の武装は左側にショルダー・マグナムが装備されていたが、左右ともバルカン砲に換装され、一部外装パーツが変更されることによって「中期型」にバージョンアップしている。

▲出撃時は、シールドに加えて、中期型に合わせた新たなビーム・ライフルを装備。しかし、ドアンとの緒戦でどちらも失われてしまう

MS-06F ドアン専用ザク

 ドアンがサザンクロス隊に所属していた頃から愛用している量産型ザク。いくつもの戦いを経ているため、外装の一部が破損し、剥がれ落ちるなどしているが、交換部品などが足らず、ありあわせのパーツなどで補強や修理が施されている。その結果、左右非対称で頭部が歪むなど、異形ともとれる姿となっている。性能は通常のザクIIと変わらないが、ドアンの高い力量によって新鋭機と互角以上に戦うことができる。

▲武装はヒート・ホークのみ。その結果、高速で移動して敵を翻弄し、斬りつけるという近接戦闘を得意としている

強襲揚陸艦 ホワイトベース

 地球連邦軍がモビルスーツの運用を前提に開発した艦船。サイド7からジャブローへガンダムを運ぶという任務を終え、地球連邦軍に本格編入される。地球での反攻作戦への参加に向けてヨーロッパ方面へ向かう。寄港していたラス・パルマスのドッグには色が異なる同型艦が係留されており、地球連邦軍でも強襲揚陸艦が本格運用されていることがわかる。

RX-77-02 ガンキャノン

(カイ搭乗機)

 ガンダム以前に開発された人型機動兵器。ガンダムが白兵戦仕様となったことに合わせ、中距離支援型となった。マニピュレーターなどが改良されている。カイが登場した機体は大口径のキャノン砲とビーム・ライフルを装備している。

RX-77-02 ガンキャノン

(ハヤト搭乗機)

 ホワイトベースに搭載されていたもう1機のガンキャノン。小型ミサイルを発射するスプレーミサイル・ランチャーを装備。装甲やランドセルの形状が異なるため、単なる武装変更ではなく、運用目的に合わせた仕様変更となっているのがわかる。

RGM-79 ジム

(スレッガー搭乗機)

 ホワイトベースに搭載されていた、スレッガー専用機。胸部にパーソナルマーキングが施されており、肩部や胸部、コックピット周りなどの装甲形状も一般仕様とは異なっている。運用時にはビーム・ライフルを装備する

コア・ブースター

 コア・ファイターにブースターユニットを追加した戦闘機。ブースターユニット上部にはメガ粒子砲が取り付けられ、サポートユニットとしてモビルスーツを乗せて飛行することが可能となっている。

ガンペリー

 ローターを装備することで、垂直離着陸が可能なコンテナ搭載型輸送機。物資や兵員の輸送を目的としており、モビルスーツ2機を同時に運ぶペイロードを持っている。

MS-06GD 高機動型ザク(地上用)

 ドアンの抜けたサザンクロス隊に新たに配備されたザクのバリエーション機。重力下でのモビルスーツの弱点である機動性の低さを補うため、脚部にホバーユニットを装着。高速移動が可能となっている。サザンクロス隊は各機が異なる武器を装備し、得意なポジションから連携して攻撃を行う。

ウォルド機

▲遠距離攻撃を得意とし、狙撃が可能な対艦ライフル・ショーティーとヒート・ホークを装備している

セルマ機

▲中距離支援を目的としており、バズーカB2型とヒート・ダガーを装備している

エグバ機

▲ヒート・ダガーを装着可能な大型のザク・マシンガンとヒート・剣を装備。指揮官機の証として、頭部にブレード・アンテナが付いている

サンホ機

ダナン機

▲サンホ機とダナン機は主武装にザク・マシンガンを装備。近接戦闘用にサンホ機はヒート・ダガー、ダナン機はヒート・ホークをふたつ装備

MS-06R-1A シャア専用 高機動型ザクII

 シャアのパーソナルカラーに彩られたザクのバリエーション機。劇中でどのように活躍するのかは、ぜひその目で確認してほしい。

RGM-79 ジム

 ガンダムをベースに開発された、地球連邦軍の主力量産型モビルスーツ。ガンダムの初期型が装備していたショルダー・キャノンをはじめ、ミサイルポッド装備型など多数の武装バリエーションが存在する。運用部隊によって一部カラーリングが異なる機体も存在している。

ミサイルポッド装備

ショルダー・キャノン装備

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©創通・サンライズ

石井誠

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