コモリプロジェクト「ウルトラマン」55周年企画!
2022.06.21 コモリプロジェクトHP
Youichi Komori Official Web(y-komori.net)
55周年企画
『ウルトラマン』という異次元のパワーを持つ作品がこの世に現れて55周年となる。
創作を司る端くれとして思うことは、一体これまでにどれほどの作品が生まれ、消えていったかということだ。それこそ数えきれないほどのキャラクターが星となった。だが、『ウルトラマン』は違う。半世紀以上の時が経っても新作が放送され、『シン・ウルトラマン』という新たなる映画も公開中。本もおもちゃもフィギュアも健在である。こんな作品って普通はあり得ないのだ。『ウルトラマン』はまさしく常識の外側に立っている。
コモリプロジェクトでは円谷プロからの打診を受け、先ず、ふたつの企画を進めてきた。そのひとつが「ULTRA HEROES COLLECTION in ロフト」だ。『シン・ウルトラマン』の公開と連動し、全国のロフト24店舗にて開催される催しで、コモリプロジェクトでは梅田ロフトと横浜ロフトに計12体のガレージキットを展示する。連休中に奥さんやメンバーの土井さん、加織さんとともに梱包作業を行った。梅田ロフトの設営はKazさんとY親方が担当、僕は横浜のほうを行った。ウルトラマンや怪獣達にはそれぞれ山口さんが作ったデジラマが添えられている。正にメンバー総動員での活動だ。日頃、ガレージキットの完成品を目にする機会がないと皆さんからの声が届く。だからこそ、こんな機会を大切にしてキットの楽しさ、素晴らしさを伝えていければと思う。
もうひとつは『KOMORI PROJECT ~デジラマの世界~』と題されたもの。かつてホビージャパンから出版した「ウルトラモデリングワールド」の続編とも言うべき、キットと合成で謳うデジタル怪獣大図鑑だ。5月20日(金)からTSUBURAYA IMAGINATIONの無料領域においてすでに始まっているのでご存知の方もいらっしゃるだろう。『ウルトラQ』と『ウルトラマン』のキャラクターすべてをコンプリートするために、メンバーと手分けしてキットを製作し、世の中に存在しないものはデジタル出力して作成した。アンカーはもちろん山口さんだ。僕の「あーでもないこーでもない」攻撃に耐え続け、ひとりで全作品を完成させた。完成作品をすべて見た後、円谷プロ側の担当者が呟いた「圧巻です」という言葉。その裏には「この人達は相当オカシイ」というニュアンスが籠められていたと思う。それでいい。創作者にとってそれ以上の誉め言葉はない。
これからも円谷プロとコモリプロジェクトの連動企画は続いていく。『ウルトラマン』の持つ異次元のパワーを創作の源にして進んでいきたい。
文/小森陽一
構成・制作・写真/土井眞一
©円谷プロ
小森陽一(コモリヨウイチ)
●1967年生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業後、東映に入社。その後、コラムや小説、漫画原作や映画の原作脚本を手がける。大阪芸術大学映像学科客員教授。『海猿』『トッキュー!!』『S-最後の警官-』『BORDER66』『ジャイガンティス』など著作多数。