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プレバン「HGランスロット・アルビオン」作例!エッジをきかせて立体映えを狙う!【コードギアス R2】

2022.06.17

サンライズ・メカニック列伝 第41回 ランスロット・アルビオン【BANDAI SPIRITS 1/35】 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)

プレバン「HGランスロット・アルビオン」作例!エッジをきかせて立体映えを狙う!【コードギアス R2】

 サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』から第九世代ナイトメアフレーム(KMF)、「Z-01Z ランスロット・アルビオン」が登場。番組の放映から14年を経て待望の発売となったHGキットのレビュー作例をお届けしよう!
 ランスロット・アルビオンは神聖ブリタニア帝国第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア直属の騎士、ナイトオブゼロ・枢木スザク専用のKMF。多機能機動装置エナジー・ウイングや、強化型可変弾薬反発衝撃砲スーパーヴァリスを装備し、旧世代KMFをまったく寄せ付けない攻防力と機動性を持つ。皇暦2018年において「紅蓮聖天八極式」とともに最強KMFの一角を占める超々高性能機である。
 作例は2007年に初代ランスロットのキットレビューも担当した田仲正樹が製作。良好なフォルムはそのままに、より劇中のイメージに近付けるべく細部の形状やエッジを調整。隙をなくすための工作を積み重ね、キットの完成度をさらに引き上げることを目標としている。

▲キットは力強いフォルムと広い可動域を持つ秀作。3形態に変形する2丁のスーパーヴァリス、成型色のままでも美しい質感のブレイズ・ルミナス、初代ランスロットの発進ポーズを再現したハンドパーツなど、付属品もたいへん充実している。合わせ目の処理が最低限で済むように気が配られているのも嬉しい

製作途中状態

 作例はキットの良好なフォルムはそのままに、合わせ目の段落ち処理や、立体映えを狙って設定画から線が増やされた箇所の形状を劇中の作画や設定画に近付け、同時に全身のエッジを調整。さらに装甲の裏や関節内等に生じる隙を軽減させて、完成度をより高めることを目指し製作されたもの。すでにキットを入手しているデヴァイサー諸氏は、ぜひ本記事を参考に白き騎士を机上で覚醒させていただきたい

頭部/胴体

 頭部形状は抜群で合わせ目も目立たず、非常に良好な出来。作例はA-2/3の肉抜き穴を埋め、エッジを調整してあるが、基本的にキットのままである。首(B2-30)の底は念のためプラ板で塞いでおくとよいだろう。胴体は胸部前面の合わせ目を消しつつC2-27を後ハメ化するために、A-25/26の分割位置を変更。C2-28/29は軸に真鍮線を入れて補強しつつ設定画に近い2段の形状に修正。D2-19と腰の各装甲は裏面の空間をエポパテで埋めて隙を無くした。PET樹脂製のエナジー・ウイングは印刷されたフチのグラデーションも含めてキットのまま使用している

武装

 スーパーヴァリスは通常弾用の砲身が成型上の都合で円筒形になっていないため、2.5mm径のランナーと市販パーツで作り直し。ハドロン砲照射装置には市販のレンズ状パーツをはめ込み、砲身上下の空間はプラ板で塞いだ。収納状態は別途製作してキットオリジナルのホルスターに固定。追加F-4は設定に合わせて短縮化した。メーザーバイブレーションソード(MVS)と鞘はストレート組み。ブレイズ・ルミナスはヒケを整形後コンパウンドで表面を磨いた。おまけのフレイヤ・エリミネーターは1/48サイドワインダーミサイルの翼やHGフォビドゥンガンダムのニーズヘグを組み合わせてそれらしく自作

腕部

 肩装甲と肩関節(B-1/2)の接続をボールジョイント化し、可動範囲を若干拡大しつつ後ハメ化。肩装甲先端は形状を設定画に近づけた。前腕と手首関節ブロックはポリキャップで接続。動きをスムーズにし後ハメ化している。金色の部分(D1/D2-5)とスラッシュハーケンはエッジ部に0.5mmプラ板を接着し、削り込んでシャープ化。最終回の対紅蓮戦を見ると欲しくなる握り拳はHGνガンダムのものと1/35ランスロットの平手を組み合わせて製作。手刀はキット付属の発進ポーズ用の左右の手のひらを組み合わせた

脚部

 股関節の球体はネジ状のモールドを埋めて設定画風のシンプルなイメージに。田仲氏曰く「円がふたつ並ぶとファクトスフィアを連想させられ、より主張が強く感じる」とのこと。ヒザ関節内、足首装甲裏、ランドスピナーのホイール周辺等の空間はエポパテで埋めている。スネは前面のエッジをヒザ装甲や足首装甲に合わせた角度に調整し、ヒザ関節を後ハメできるように分割位置を変更。スラッシュハーケンやつま先等に見られる2段エッジは、目立つものを加工しシャープ化している。足首関節は市販のボールジョイントに換装して可動範囲を拡大、接地性能を向上させた

■おー めー でー とー うー ! (プリン伯爵)
 雑巾を大切に扱っているサンライズメカファンのみなさんは、意外過ぎるメカたちが続々とリニューアルや初プラキット化を果たしている現実を前にして、「R3シリーズがスタートした16年前に夢見た未来がついにやってきたぞ…!」と感慨に耽っているのではないでしょうか。1/35ランスロット・アルビオンも、誰もが欲しいと思いつつ、半ばあきらめていたはずのアイテム。『コードギアス』ファンはもちろんのこと、「この未来がもっと続いてほしい」と願う貴方にも作っていただきたいキットです。
 仮組みをしてまず感じたのは、フォルムのまとまりの良さ。ギャラハッド斬月、トリスタン等の強豪KMFを圧倒的な力で次々に撃破していく、最強クラスの機体というイメージが本編以上に強調されています。可動範囲も申し分なく、動かした際の部品同士の干渉もほぼありません。成型色の赤や金の美しさと、各部の合わせ目が目立たないアレンジは、ライトユーザーにとっても嬉しいポイントだと思います。
 作例では個人的に「ここはアレンジし過ぎでは?」と感じた箇所を、プラ材やエポパテで加工し、設定画の形状に近付けています。同時に本体各部やスラッシュハーケンの2段エッジを整形、装甲裏から見える空間はプラ板とエポパテで埋めました。
 もう1点気になったのは、先代ランスロットの発進ポーズを再現できる手のひら以外にも、例えば対神虎戦で見せた、初陣のランスロットが玉城(40点)のサザーランドを2秒で撃破した際にも使った左チョップ(ハーケンは使っていないように見えます)や、対紅蓮聖天八極式戦で繰り出したパンチ(スザクは冷静さを失っている時とゼロが相手の時以外は使いません)を再現するための拳が付属していたらもっと楽しいのになあ…という点。作例では左の手刀や左右の握り手を追加しています。

■白兜 の 塗装
 HJムック「コードギアス メカニカルコンプリーション」掲載のカラー設定と本編映像を参考に塗装。
白=クールホワイトにスカイブルー、インディーブルー、フレッシュミントグリーンを各少量、関節グレー(後述)微量
赤=GXメタルレッドにクリアーレッドを上吹き
金=スターブライトゴールド+エルドランゴールドにクリアーレッド少量
拳、胸部等=自作の赤紫系グレー
腹部、関節等=自作の緑系ダークグレー
 スーパーヴァリスの青はスージーブルー+コバルトブルー、赤はハーマンレッド+シャインレッドにピンク少量、ハドロン砲口は焼鉄色+シルバー。MVSの緑はGXメタルグリーンにクリアーブルー少量。白い装甲は光沢(部分的に半光沢)クリアーで、グレーの部分とヴァリスは半光沢にツヤ消しを混ぜたクリアーでそれぞれ塗膜をコートし、目とヴァリスにホイルシールを貼って終了です。
 緑、黒、白と来て、次回は青いメカの作例でお会いしましょう。

BANDAI SPIRITS 1/35スケール プラスチックキット “ハイグレード”

ランスロット・アルビオン

製作・文/田仲正樹

HG ランスロット・アルビオン
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4180円、3次受注終了、9月~発送予定●1/35、約13cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム

©SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design ©2006-2017 CLAMP・ST

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田仲正樹(タナカマサキ)

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