『ザ・バットマン』版「バットモービル」キットをウェザリングで魅せる!
2022.06.11バットモービル(ザ・バットマンVer.)【BANDAI SPIRITS 1/35】 月刊ホビージャパン2022年7月号(5月25日発売)
闇に紛れる追跡者
最新作『THE BATMAN-ザ・バットマン-』より、バットマンが駆るバットモービルのキットが登場。近年のバットモービルの中でもリアリティレベルが高めのデザインが特徴的。しかし背面は暴力的なエンジンが突き出ており、正気と狂気の間で揺れる本作のブルースを象徴しているかのようにも思える。
本作例はスケールモデルをメインで製作している小澤京介が担当。キットとしての完成度が高いため、ウェザリングで魅せる方向で製作。劇中のイメージを崩さない程度に砂汚れを付け、印象を変えている。
今回製作させていただいたのは、映画最新作に登場するバットモービルです。これまでのバットモービルとは違った、アメリカのマッスルカーを彷彿させるような独特のフォルムですね。
■製作について
製作は、無理にディテールアップしないでも充分カッコイイのでそのままで良いと思います。ただパーティングラインはデザインナイフでしっかり処理しました。
また、ウェザリングするのでテンションがかかりやすい場所や溶剤が流れてクラックが入りそうな場所は予め接着剤で固定しておきました。
■塗装について
映画では漆黒のバットモービルですが、それだとウェザリングが映えないのでミッドナイトブルーにブラックを混ぜたカラーでボディを塗装することにしました。
内装はフロストブラックで塗装。シフトのノブの先端や塗り分けできそうな箇所は、エナメル塗料のフラットブラックを筆塗りで塗装しています。
エンジンは一度光沢ブラックで塗装して、乾燥後クロームシルバーで塗装します。
エンジンのベルト部品や金具を留めていると思われる箇所は、アクリル塗料のフラットブラックで塗装しました。
■ウェザリングについて
ウェザリングはまずボディにMr.ウェザリングカラー・グランドブラウンを全体にフィルタリング。底に溜まっている原液を調色スティックで取り出し、ウェザリングカラーの溶剤で少し濃いめに薄めます。
黒だと濃いめのウェザリングが必要になりますので、この工程を二回程繰り返してやります。余分についた溶剤は、綿棒や化粧に使うコットンで拭き取ります。
■エンジンのウェザリングについて
このキットの見せ場は何といっても剥き出しになっているド派手なエンジン。こちらのパーツもスナップフィットになっており、複雑な構造も接着材無しで組み立てることができます。ということで、今回はエンジンのウェザリングに力を入れました。溶剤は、エンジングリル・オイルなどMIGやAMMOでそれっぽい名前の商品があるので試してみてください。
乾燥後ピグメントホコリ系を軽くのせて、エンジングリルやグランドブラウンをスパッタリングしてランダムに溶剤を飛ばして完成です。
BANDAI SPIRITS 1/35スケール プラスチックキット
バットモービル(ザ・バットマンVer.)
製作・文/小澤京介
1/35 SCALE バットモービル(ザ・バットマンVer.)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4400円、発売中●1/35、約16cm●プラキット
THE BATMAN and all related characters and elements ©&TM DC and Warner Bros. Entertainment Inc.(s22)
小澤京介(オザワキョウスケ)
AFVモデルを中心に活躍するモデラー。最近はキャラクターモデルも積極的に製作する。