「情景王」が作る、ビリケン商会の『大魔神』ディオラマ!
2022.05.31傑作キットで甦る特撮時代劇の金字塔!!
怪獣ソフビキットのパイオニアであり、近年も傑作キットを続々リリースしているビリケン商会。その最新作となる「大魔神」を使用して山田卓司がディオラマを製作! 1966年公開のシリーズ第1作『大魔神』のクライマックスシーンをモチーフに、驕り高ぶった人間の前に立ちふさがる、荒ぶる神の怒りの姿を表現した。
なお、ソフビキットはすでに二次生産分までが販売終了。再販情報についてはビリケン商会のショッピングサイト(https://billikenshokai.stores.jp/)をチェックしていただきたい。
ここのところ新製品が相次いでいるビリケン商会から「大魔神」がリリースされました。いつもながら、再現性、ポージング、パーツの美しさ、組みやすさ、と素晴らしい内容です。モデルになったのは一作目『大魔神』のようで、額に打ち込まれたタガネのパーツはインジェクション成型のプラスチック製が用意されています。
組み立て説明書に記されていますが胴体上下の接合は、上半身のバックル部分を半円形に切り取らずに接合するのが良いようです。
基本的に手を加える必要性は感じなかったのですが、模型誌作例として少しだけ追加工作しています。宝剣を下げている鎖は彫刻として上手く処理されていますが、アルミ線を曲げて自作した鎖に替えてみました。また、宝剣の鍔には長穴が開いているので、彫刻を目安にドリルとナイフで開口しています。
塗装はソフビ専用カラーの缶スプレーのホワイトを上方から吹き付けて下塗りしてから、部分的にプラモデル用塗料のゴールドを塗装。その上からアクリルガッシュのブラウン、ブルーなどを重ね塗りしてます。
一番の注意点は眼の塗装でしょう。いろいろと試行錯誤しましたが、白眼をソフビ専用カラーで筆塗りしてから、ハセガワのフィニッシュシートのブラックを丸ポンチで打ち抜き、貼り付けています。大魔神は眼の演技が売り物のひとつなのでさまざまな視線を検討した結果、足下を睨みつける視線としました。目尻にはクリアーオレンジやレッドを差しています。映画では身長十五尺の実物大プロップが作られて、本編でも充分に活用されていましたので、今回は同縮尺の人形と組み合わせてディオラマを作ることにしました。
足軽たちはテレビドラマや劇映画で定番の畳具足姿。ちなみに、これは現実に存在しないドラマ用の量産型具足なのです。
本編をよく見ると同じ畳具足でも腹当や腹巻き/胴丸、籠手の有無などバリエーションがあります。そこで脚まで含んだ基本パーツを作り、レジン複製してから胴丸の背中側を削ったり、頭と腕をエポパテで作ることで8体作りました。劇中では全員打刀で応戦していますが、戦国ファンのこだわりで槍(ただし、長さが短い馬上槍)を使う足軽5体、打刀使用を2体、陣羽織の下級指揮官の構成としました。
ビリケン商会 ソフトビニールキット
大魔神
ディオラマ製作・文/山田卓司
リアルモデルキットシリーズ 大魔神
●発売元/ビリケン商会●再販時期未定●約31.5cm●ソフビキット●原型/福田雅朗
ⓒKADOKAWA1966
山田卓司
月刊ホビージャパンモデラーとして2022年で43年目を迎えるレジェンドにして“情景王”。AFVからキャラものまでさまざまな情景を切り取る。