初のプラキット化! プレバンアイテム MG「ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)」を作例キットレビュー
2022.05.24OMS-90R ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)
奪われたガンダム
プレミアムバンダイにて展開する「F90 AtoZ PROJECT」にて、オールズモビルに奪取・改修を施された「OMS-90R ガンダムF90 2号機 火星独立ジオン軍仕様」がラインナップ、初のプラキット化となった。関節パーツは共通だが、外装はほぼ総取り替えという仕様を新規型パーツをふんだんに用いて再現。坂井晃によるキットレビュー作例は、可動部のクリアランス調整に注力した仕上げとしている。
ガンダムF90 2号機 火星独立ジオン軍仕様
オールズモビルの火星独立ジオン軍に強奪されたF90の2号機が独自の改修を施された機体。オールズモビルはミッションパックを持たないので、単体での性能強化が図られ、整備性向上のために保有する整備部品・余剰パーツとの互換性を考慮した結果、外装の8割が変更された。本機にはオールズモビルのスパイであるボッシュが乗り込み、デフの1号機と交戦の末に撃破され、再び連邦軍に回収されている。
ガンダムF90との形状比較
改めてMGガンダムF90(製作/コボパンダ)と形状を比較して、その違いを確認してみる。各部ハードポイントがなくなっただけでなく、ハードポイントがあった部分のアーマーそのもの、ハードポイントがないアーマーの形状も変わっているため共通部分を探すほうが困難と言えるレベルになっている。
■はじめに
プレミアムバンダイ販売アイテムのMGガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)を担当させていただきました。MGガンダムF90と共通で関節部にABSを使用しているので、スミ入れ時にパーツに負荷がかかって割れないよう調節。ヒジや脇腹、ヒザ、足首などフィッティングがタイトな部分のクリアランスの確保、ディテールが甘く感じた部分の補完などを行いました。
■首
頭部と胴体が離れている印象だったので首関節を若干短くしました。首関節だけ縮めるとアゴが引けなくなるので、カバーパーツ正面を角度をつけて削り込み調整。加工前は正面から見えていた軸が目立たなくなりました。
■足首
スネアーマー下部と足首アーマー裏が干渉して塗料剥げや色移りしそうなので、足首アーマーのインナーパーツを削り込んでクリアランスを確保しています。このパーツは完成後、ほとんど見えなくなるので気にせずナイフで大きく削り込みました。
■塗装
赤と黄色の成型色が設定画と比べてやや薄く感じるのと、ヒジ関節や指がコクピットハッチやグレネードと同じ色なので、そちらに合わせて塗り分けています。ヒザアーマーの塗り分けには水転写デカールが付属していますが、作例は塗装で再現しています。頭頂部のカメラ、ツインアイ、バルカン砲が一体成型されているので、バルカン砲を切り離して頭部に接着。頭頂部カメラ、ツインアイは分割して本体ツヤ消し塗装後に組み込みました。足首まわりに使用しているメッシュホースはトップコートを厚く吹くと白化して柔軟性も低下するので、トップコートを薄く吹くか、吹いた後に組み込むとよいでしょう。
■カラーレシピ
赤=ハーマンレッド
白=クールホワイト
黄=サンシャインイエロー+ビビッドオレンジ+焔朱
関節等=MSグレー ジオン系
腕関節等=ミディアムブルー+MSティターンズブルー1+クールホワイト+オーシャンブルー等
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード”
OMS-90R ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)
製作・文/坂井晃
MG ガンダムF90(火星独立ジオン軍仕様)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●4950円、2次受注中、7月〜発送●1/100、約15cm●プラキット●プレミアムバンダイ販売アイテム
ⓒ創通・サンライズ
坂井晃(サカイアキラ)
キャラクターキットレビューから改造作例まで、工作&塗装ともに高いレベルでまとめ上げる20代モデラー。