旧キット「アッガイ」でジャブロー強襲シーンをディオラマ再現
2022.05.06ジャブロー強襲【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年6月号(4月25日発売)
今回紹介するのは、水陸両用モビルスーツのアッガイ。こちらも秀作キットである1/100スケールを、情景王・山田卓司が製作。秀逸なキットバランスはそのままに、特徴的なヒザ立ちポーズを再現するためヒザ関節をプラ材で新造。足裏も見えるため、市販パーツとプラ板でディテールアップ。ジャブロー基地の監視ドームを再現するなど、劇中イメージを見事にトレースしている。
1/144の課題を克服した秀作
腕の伸縮や脚部構造、頭部クチバシ(ダクト)の角度など、1/144キットでモデラーの改造ポイントとなっていた問題点をすべて克服した秀作。腕の伸縮やアイアン・ネイルの展開などのギミックはさることながら、全体のバランスもさらに設定画に近くなり、プロポーションは1/100ラインナップの中でもトップクラスの完成度を誇る。
アッガイ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●770円、1982年9月発売●1/100、約18cm●プラキット
「ジャブロー強襲」でいかがでしょうか?
「当時ものプラモのつくり方」ということで、私は1/100アッガイを作らせていただきました。最初のガンプラブームの頃はすでに月刊ホビージャパンのライターでしたが、作例としてガンプラを作る機会はほとんどなくて、個人的に300円ザクをワクワクして作った思い出がわずかにあるぐらいで、他のキットを作ったことはありませんでした。なので、今回のアッガイはなんと初挑戦です。設定画と比べたらいろいろと違うのかもしれませんが、基本的によく似ていると思えたのでプロポーション改修はなし。ディオラマでヒザ付きポーズにする関係上、ヒザと足首は何か工夫しなくてはポーズが付けられませんので、マスターグレードシリーズを参考に関節部を新造します。
水中用モビルスーツということで、関節はシーリングされた蛇腹の部分が延びた想定で、スジ彫りを入れたプラ板でドラム状のパーツを作り、それを切り取って再現しました。スジ彫りのピッチは良い塩梅になるように試行錯誤しましたが、キットパーツを参考に2mmのピッチとしました。左脚は足裏が見えるので中央にスケールモデルのパーツを取り付け、その周囲にプラ板を貼り付け足裏ディテールを入れました。
腕は各パーツの底にプラ板を貼り、中央に穴を開けてアルミ線を通してフレキシブルに動くように加工しました。
ランドセルは上部に吸水ダクトのディテールをプラ板で追加し、排出ノズルの先はコトブキヤM.S.Gを貼りました。
ディオラマはジャブロー基地の監視所を強襲したところということで、ドーム状の監視所を作らなくてはいけません。ここはタミヤのディスプレイケースJを利用しました。硬いのと球面にディテールを入れるのは大変で、何とかスジ彫りを2本入れたあとはエポパテを薄く延ばして貼り付けて何とか工作してみました。
地面は劇中では単なる岩場でしたが、周囲はジャングルのはずなので草地としています。スタイロフォームで大まかな形を作り、100円ショップのソフト粘土で地表を作りました。爆炎は樹脂粘土で造形。蛍光色のアクリルガッシュで塗装しました。
BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット アッガイ 使用
ジャブロー強襲
ディオラマ製作・文/山田卓司
©創通・サンライズ
山田卓司(ヤマダタクジ)
キャラクターからAFV、特撮、SFものまで、あらゆるジャンルをディオラマで切り取る情景王。