HOME記事スケールモデルフライホーク初の1/72スケール航空機モデル「ダグラス SBD-3 ドーントレス」を作例製作&キットレビュー

フライホーク初の1/72スケール航空機モデル「ダグラス SBD-3 ドーントレス」を作例製作&キットレビュー

2022.04.18

ダグラス SBD-3 ドーントレス【フライホーク 1/72】 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

SBDドーントレス画像

 1942年6月のミッドウェー海戦で、もしアメリカ海軍のSBDドーントレスが日本海軍の空母機動部隊の発見と攻撃に成功していなかったら、その後の歴史は大きく変わっていたに違いない。この年の春から米海軍航空母艦の主力急降下爆撃機となったSBD-3ドーントレスは、まぎれもなくこの海戦の勝利のカギであり、その後のさまざまな戦闘においても大きく貢献している。艦船モデルに造詣の深いフライホークが、初の1/72スケール航空機モデルとしてセレクトしたのがこの有名機だが、実際のキット内容もその名声に恥じない素晴らしい出来映えとなっている。

SBDドーントレス背面画像
▲マーキングは第6爆撃中隊を選択。主翼のダイブブレーキはプラパーツながら非常に薄く成型され、穴も開口されるなどリアルな造形
SBDドーントレス正面画像
▲フライホークが放つ初の航空機キットだが、実機と同様の凸リベット表現など、メーカーの意気込みが感じられる素晴らしい内容だ
SBDドーントレスコックピット
▲コクピット内部は繊細なパーツ構成で精密に再現。なおキャノピーは開状態に、後部機銃も使用状態を選択することも可能だ
SBDドーントレス機体後部右側
▲機体後部右側。リベットは実機と同様に凸モールドとなっているので、デカールを貼る際は軟化剤などを併用しよく密着させよう
SBDドーントレス胴体下
▲胴体下に1000ポンド爆弾、主翼下に100ポンド爆弾を搭載。ダイブブレーキを開状態とする場合は機体塗装後に取り付けるとよい
SBDドーントレス主翼
▲急降下爆撃機のキモである合計5枚で構成される主翼のダイブブレーキは開閉が選べ、内部の作動リンクまで再現されている

■艦船モデルメーカーが航空機に参入!
 精密ですばらしい出来の艦船キットで有名なフライホークから初の航空機キットがリリースされました。1/72のSBD-3ドーントレスです。いきなりの発表に驚かれた方も多いと思います。1/72のドーントレスのキットといえば古いものばかりでもっとも新しいものでもハセガワ製くらいで、現状ではほとんど入手困難ですので今回のリリースは大変ありがたいです。
 キットの概要から説明しますと、まず最初に目につくのがダイブブレーキの穴がすでに開けられた状態でモールドされています。過去のキットならエッチングパーツが使われる部分ですが、やはりプラパーツのほうが扱いやすいといえるでしょう。次に凹モールド全盛の現在、実機の凸リベットも凹リベットにしてしまうキットが多い中、実機通りの凸リベット仕上げが光ります。しかもひと昔前の大根おろしのような凸リベットではなく、実に繊細なモールドです。
 コクピットも多くの部品、繊細なモールドで1/72としてはこれ以上望むべきものはないでしょう。キャノピーも全閉のものとオープンのものと両方入っていますし、それに対応したカット済みマスクシートも付属します。ここで残念な点を言いますと、メーターパネルのデカール、シートベルト、パイロットフィギュアもありません。他社製パーツで補えばなんとでもなりますが、これだけよくできたキットなのでそれらも欲しかったですね。

■コクピットの組み立て
 まずこのキットは、繊細なゆえに接着にはかなり気を使うことを承知しておいてください。コクピットはまるで1/48のキット並みの再現です。接着位置に充分注意して取り付けます。隔壁などは床板と胴体内部との位置関係を見ながら固定。ずれるとあとで影響が出ますので。言い忘れましたが、このキットはパーツ裏側に押し出しピン跡が無造作に出っ張っていますので、きれいに削り取りつつ作業を進めます。また細かいパーツのランナーからの切り取りも注意が必要です。

■機体の組み立て
 コクピットができあがったら、胴体を組み立て次に主翼を取り付けます。まず下翼を胴体に取り付け、その後上翼を取り付けます。主翼上下を先に組み立てますと、胴体への取り付けに困難が生じますのでここは説明書通りに行うのがベストです。胴体に主尾翼を付け、エンジンおよびカウリングを取り付ければ塗装へ入れます。
 この際キャノピーを開けるのであれば、この時点でコクピットをマスキングします。後部機銃も機外へ出すか格納かを選択しておきます。キャノピーを閉じた状態にするのであれば、マスクシートが付属するので、マスキングしてキャノピーを胴体に取り付けてしまえば、コクピットをマスキングする必要がなくなります。
 脚関係、爆弾類は別途組み立て、塗装を済ませておきます。ダイブブレーキも開くのであれば後で取り付けるほうがよいでしょう。

■塗装およびマーキング
 非常に多くのナンバーがデカールに含まれますが、箱絵と同じ第6爆撃中隊のものにしました。まず全体をガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ブラックで下塗りし、次に下面をGSIクレオスのMr.カラーC338で塗装。上面は米海軍用ブルーグレーで、キットの指定ではC13とC14を1:1に混色するようになっていますが、Mr.カラーのC367そのものズバリの色があるのでこれにしました。
 塗装後にタミヤのスミ入れ塗料(ブラック)でスミ入れ、ウォッシング。次にデカールを貼りますが、凸リベットのモールドなので充分密着させるようにします。マークソフターなどを併用するとよいでしょう。
 デカール乾燥後、3/4ツヤ消しでオーバーコートします。脚、プロペラ、爆弾、アンテナなどを取り付けて完成です。

■最後に
 フライホーク初の航空機キットということで期待も不安も大きかったのですが、少し注意しながら組み立てれば問題ないですね。すばらしいキットであることに間違いはありません。次回作も大いに期待します。

フライホーク 1/72スケール プラスチックキット

ダグラス SBD-3 ドーントレス

製作・文/山田昌行

ダグラス SBD-3 ドーントレス
●発売元/フライホーク、販売元/ビーバーコーポレーション●3080円、発売中●1/72、約15.1cm●プラキット

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山田昌行(ヤマダマサユキ)

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