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『境界戦機』「HG ブレイディハウンド(ブラッド専用機)」をディテールアップ!専用機らしい機動性の高さを表現

2022.03.29

NA12S ブレイディハウンド(ブラッド専用機)【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2022年5月号(3月25日発売)

専用機らしいフルチューンナップを意識した工作

 北米同盟軍の主力AMAIM(アメイン)をブラッド・ワット大尉専用にカスタマイズした「NA12S ブレイディハウンド(ブラッド専用機)」。出力と機動力が大きく高められており、武装が大型のソードになるなど、ブラッドの戦闘スタイルに合わせた仕様になっている。作例は木村直貴によるもので、専用機としてチューンされているという観点から各部に機動性の高さを意識したディテールアップを施している。

▲一般機との違いとして、頭頂部にはサブカメラが設けられ、肩部はウイング形状からラック形状になっている。さらに近接戦闘用武装がナイフから大型のソードに変更され、機体カラーが青を基調としたものになった
▲側頭部および肩アーマー外側のラック部、上腕などに大きめの軽め穴を開口。細部にボルト穴やラッチ溝を施すことで追加ディテールが単調にならないようにしている。頭頂部のアンテナは削り込んで正面側をシャープ化した
▲目立たない箇所ではあるがボディフレーム側面や左右スラスターユニット側面にも軽め穴を開けている

▲頭頂部サブカメラを覆うキャノピーは1500番のヤスリで平滑に磨き、コンパウンド&ワックスで仕上げた。カメラアイおよびサブカメラの発光部はキット付属のカラーリングシールを使用。一般機同様にカメラアイが閉じたパーツも付属する

▲腕部はラッチ溝やボルト穴を中心に加工。上腕アーマーは正面のエッジに大きめの切り欠きを配置してメリハリを付けた
▲腰部はフレームに多数のボルト穴を追加。フロントアーマー下部の軽め穴は目を惹くアクセントになっている。フンドシ部のラッチ溝も効果的に見た目の印象を変えている
▲脚部は関節部を中心に軽め穴を追加。脚付け根パーツは元のディテールを活かすようにボルト穴を追加することで密度感を高めている。太モモアーマー側面、スネフレーム側面、足首フレーム側面の軽め穴がちょうど同一ラインに重なるように配置されており小気味よい
▲製作途中状態&キット素組み(左)との比較。実際にどれくらいディテール量がアップしているのかが確認できる。機動性アップのために被弾しにくそうな箇所に、または排熱用も兼ねて関節部に軽め穴を開口している
▲ソードは刃部分を削り込みでシャープ化。ライフルはグリップの肉抜きを埋め、ハンドガード裏側にプラ板でディテールを追加した
▲月刊ホビージャパン2022年3月号掲載の、同じく木村直貴製作によるHG V-33 ストークキャリーを使用した牽引状態。元々、この状態にすることを想定してストークキャリーの機番を「01」にしている
▲有人機による戦闘にこだわるブラッドだけあり、ダイナミックなポージングがよく似合う。別売りのアクションベースを使用して劇中の戦闘シーンを再現しよう

■ブラッド・ワット!
 第一部の衝撃の結末は忘れられませんが、もうすぐ第二部開始です。実に楽しみですね! で、これからのキーマンになりそうな予感がするのが、北米同盟軍AMAIM隊現地指揮官のブラッド大尉! すでに第一部でもズバ抜けた能力の一端を披露してくれたこのお方、戦術指揮のエキスパートだけにとどまらず、自身もカスタム機に搭乗し、無難なAI戦よりもリスク覚悟の有人戦にこだわる究極の武人! 一方でおごらず高ぶらず、日本人からも慕われている、たい焼きと温泉の好きな好漢であります! さあ今回は、今後ますますの活躍が期待されるブラッド大尉の専用機を担当させていただきました。

■ブレイディハウンド!
 合理的デザイン追求のケンブらとは打って変わって充実したメカメカしさを全身から放つブレイディハウンド! この無骨なメカの固まりのようなデザインに惹かれるファンも多いのではないでしょうか!?(機械好き男子はこっちのほうが好みだったりする!?)
 頭が胴にめり込んで肩幅が異様に広い逆三角形の独特なフォルムとフレームむき出しの手足は実にスパルタンなイメージだし、無機質な球形の頭部も不思議(不気味?)な魅力があります。オープニングでもお馴染みのカシャカシャ…とシャッターが開いて3つのセンサーが現れるカットはリアルに斬新で、なぜか印象に残ります。そのブレイディハウンドをブラッド大尉専用にチューンナップしたのが本作例のネタ! 一見して違うのは、脇に吊ったソード二本と頭部のひさし風キャノピー。キャノピーの奥には補助カメラがあって、後頭部に羽根飾りのようなブレードアンテナ。それと肩のウイングが廃止されてラック状の突起になっており、ショルダーチャージ用なのか? 追加装備がここに付くのか? と期待させてくれます!

■フルチューン!
 キットは超絶によくできていて、劇中イメージとも寸分違わぬスタイリング。マスキング塗り分けもほとんど必要ない完璧さ。肉抜き穴処理も銃のグリップぐらいだし(握ったらわからない)。外装のディテールもリアルで上品な感じで適所に入れられていて、とても好感が持てます。なんにもすることがないです。どうレビューしたらいいか…ホントに舌を巻きますね。ポイントはやはり「カリッカリにチューンしたマシン」ということでしょう。すなわち、いかに高性能(高機動)であるように見せるか! がテーマですね。宇宙用ではないのでスラスター増設…では済ませられない『境界戦機』。地味に各部を軽量化するほかありません。被弾率が低く、かつ装甲強度に余裕のありそうな箇所を狙って、バカスカ軽め穴を開けてやりましょう。また、関節フレームにも開口部を設け、駆動モーターの冷却効率を高めてフルロードタイムを上げる対策も実際にありそうでよろしいかと。あとは毎度お馴染み「・」「➖」&「切り欠き」等のディテールを追加して、メカメカしさをアップさせています。このメカには似合いますなぁ!

■ザ・ケンドーギ!
 ブラッド機のカラーリングは一般機の陸軍的配色から変わって海兵隊風の渋い青系に…というよりも! このマシンの場合、丸い面のスリットから眼光をのぞかせ、ソードを携えて佇立する姿はまさに剣道の達人! ではでは、機体色は濃紺の剣道着のイメージでありますな!
 基本色はMr.カラーで、だいたい次の感じ。
青=キャラクターブルー+蛍光ピンク+α
紺=コバルトブルー+パープル+黒+α
 黒〜グレー系は色サフの混色で表面処理兼用。スミ入れはエナメル塗料ですが、黒を混ぜた茶色で少し赤っぽい感じに施しています。あとは適当なジャンクデカールを貼り、濃さとツヤを調整したグレートーンで軽くグラデ吹きして落ち着かせて完成です。

BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット“ハイグレード”

NA12S ブレイディハウンド(ブラッド専用機)

製作・文/木村直貴

HG 1/72 ブレイディハウンド(ブラッド専用機)
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2750円、発売中●1/72、約14cm●プラキット

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©2021 SUNRISE BEYOND INC.

木村直貴(キムラナオキ)

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