HOME記事ガンダム【初心者向け】EGストライクガンダムを水性ホビーカラーの部分塗装で仕上げてみた【ENTRY GRADE ストライクガンダム製作指南】

【初心者向け】EGストライクガンダムを水性ホビーカラーの部分塗装で仕上げてみた【ENTRY GRADE ストライクガンダム製作指南】

2022.03.09

GAT-X105+AQM/E-X01 エールストライクガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)

 誰でも簡単に組み立てができるガンプラの新スタンダード“ENTRY GRADE”ストライクガンダムを使用して素組みからステップアップするための製作法を解説します。今回のテーマは成型色活かしと水性ホビーカラーを使用した部分塗装。さらに、HGエールストライクガンダム(No.171)からエールストライカーを移植してENTRY GRADE版エールストライクガンダムとして完成させます。(解説/sannoji)

製作ポイント

●白は成型色活かし
●白以外は水性ホビーカラーで塗装
●HGエールストライクガンダムからエールストライカーを移植


主に使用するツール・マテリアル

ニッパー、デザインナイフなど

▲アルティメットニッパー(ゴッドハンド)、デザインナイフベーシック(エヌティー)、ピンバイス1mm、1.5mm(GSIクレオス)

ヤスリ

▲ヤスリスティックSOFT400番(ウェーブ)、マジックヤスリ400番(スジボリ堂)、神ヤス!240番、400番、800番(ゴッドハンド)、アルミプレートに紙ヤスリを貼った自作ヤスリ

塗料①

▲水性ホビーカラー各色(GSIクレオス)

塗料

▲水性ホビーカラーうすめ液、水性ホビーカラーつや消しクリアー(GSIクレオス)

スミ入れ

▲スミ入れ塗料(ブラック)(タミヤ)、スミ入れ拭き取り用フィニッシュマスター(ガイアノーツ)、ライターオイル、綿棒各種

❶パーツの切り出しと整形

▲ゲートはタッチゲート方式のためパーツを手で外すこともできますが、成型色を活かす場合は薄刃ニッパーを使うと効率的にゲート跡の処理ができます
▲パーティングラインを消していきます。スネパーツ正面のパーティングラインを例に見てみましょう。分かりやすいようにシャープペンで着色してあります
▲パーツの形状に合うようなヤスリを選ぶと、ヤスリ掛けが効率的にできます。ストライクガンダムのスネパーツのような逆アールの面には神ヤスのようなスポンジヤスリがよく合います
▲同じようにスネ側面のグレーのパーツにもパーティングラインがあるので消しておきます
▲ここはマジックヤスリでパーツを磨くようにしてヤスリ掛けします

❷頭部アンテナをシャープ化

▲アンテナの先端には安全性を考慮したフラッグ(赤く着色した箇所)が付いています。これを取り除いてシャープに加工します
▲まずニッパーでフラッグをカットします。それほど強度があるパーツではないので、ヤスリ掛けで折ってしまうのが怖い場合はフラッグのカットだけでも見映えは向上します
▲ヤスリ掛けをしてシャープに整形した状態です。これだけでも印象が変わります

❸肉抜き穴を埋める

▲パーツの肉抜き穴を埋めるために、今回はエポパテを使用します
▲箱裏の取り扱い上の注意にも書いてありますが、ゴム手袋などを着用して使用しましょう
▲首パーツを例に見ていきます。首パーツ後方の穴をエポパテで埋めた状態です
▲エポパテが硬化したら、はみ出ている部分をヤスリスティックで整形します
▲ほかにも肉抜きがあるパーツがあるので同様に処理します。左側が整形まで終えたパーツです
▲シールドの黄色パーツ裏側先端は瞬間接着剤を使用しました

❹合わせ目を処理する

▲合わせ目消しにはタミヤセメント流し込みタイプと瞬間接着剤x3S低粘速硬(ウェーブ)を使用します
▲エールストライカーの白いパーツの合わせ目を消します。写真は合わせ目にタミヤセメントを流し込んでムニュッとさせた状態です
▲接着剤がしっかりと乾燥したら、ヤスリ掛けをします。ここは平面をきれいに出したいので、アルミプレートに紙ヤスリを貼った自作ヤスリを使用しました
▲白は成型色を活かすので、接着したラインが分からなくなるまでヤスリ掛けを行います

❺ビームライフルの銃口を開口

▲ビームライフルは銃口が造形されていないのでピンバイスで開口します。ケガキ針などでアタリを付けてからピンバイスを使うと狙った位置を開けやすいです
▲1mmのピンバイスで開口したあと、1.5mmで銃口内側を面取りしておくといかにも「穴開けました!」という感じを緩和できます

❻背面アタッチメントのフタパーツ

▲背面のストライカーパックアタッチメントは、ランナータグとランナー軸を組み合わせて未使用時のフタパーツを作ります


❼シールドグリップの塗り分け

▲シールドのグリップをマスキング塗装で塗り分けます。こちらのパーツのようにマスキングの境目が直線的な箇所でマスキング塗装の練習をするとよいでしょう

▲はみ出すことなくきれいに塗り分けできました。白い部分は成型色なので、塗料がはみ出してもデザインナイフなどで削れば、簡単にリカバリーできます

❽腰部リアアーマーの塗り分け

▲腰部リアアーマーのスラスター部を塗り分けます
▲まずはスラスター内部を赤一色で塗装します
▲スラスター底面にはハセガワのつや消し黒フィニッシュを貼ります。ほかのガンプラに付属するシールで黒いものが余っていれば、それを使ってもよいでしょう
▲繊細な作業なので先端が尖ったピンセットを使うほうが効率的ですが、ケガをしないように充分に注意しましょう
▲狙った位置にフィニッシュシートを置いたら細い綿棒などでやさしく押さえて密着させます
▲きれいにスラスターを塗り分けることができました。地味な作業ですが、こういったところをきっちり仕上げていくと作品の完成度を高めることができます
▲腰部はフンドシとフロントアーマーの計4ヵ所のダクトにフィニッシュシートを貼りました
▲足甲先端部の凹みモールドも同様の作業を行います

❾サーフェイサーを使用した塗装

▲普段は赤や黄色の塗装の下地としてピンクサフを使うのですが、水性ホビーカラーではまだピンクのサーフェイサーは発売されていないので、水性ホワイトサーフェイサーにモンザレッド少量を混ぜたものを使用します
▲調色した塗料はウェーブのフタ付きPP塗料カップに入れておきます。小さなパーツの保管用としても重宝しています
▲エールストライカーの主翼の赤は成型色で再現されていないので、マスキング塗装で再現します
▲成型色が黒のパーツにいきなり赤を塗ってもきれいに発色しないので、下地にピンクサフを吹きます
▲ピンクサフの上にモンザレッドを塗装します
▲塗料がしっかりと乾燥したらマスキングテープを丁寧にはがします
▲本体背中のメインスラスターを塗り分けます。そのままでは赤がきれいに発色しないのでまずはピンクサフを吹きます
▲こちらもピンクサフの上からモンザレッドを塗装します
▲仕上げにスラスター底面に黒のフィニッシュシートを貼りました

❿頭部センサーのカラー再現

▲本キットにはHGキットなどに見られるカラーリングシールが付属しないので、センサー用にシールを自作します。メッキシルバーのシールを必要な形状に切り出して、油性マジックで色を塗ります
▲狙った位置にシールを置いたら細い綿棒などでやさしく押さえます。後頭部のセンサー部も同様に再現します

⓫各部の隙をなくす

▲キットはあえて隙間を作ることでカメラアイ周りの黒フチを再現していますが、その隙間を黒で塗りつぶすことでより陰影を強調します
▲腰部およびアンクルアーマー裏側はダークグレーなどで塗りつぶしておくと、完成した時に立体的に見えるようになります
▲肩アーマーは内部が露出しているので目隠しパーツを製作。あまり大きくしすぎると腕が干渉して可動範囲に影響が出るので調整しながら進めます
▲前腕の手首受けにプラ板で目隠しパーツを作り、開口部を目立たなくしました
▲脚付け根パーツは外側に開口部があるのでプラ板でフタパーツを作って塞いでいます

⓬モールドにスミ入れする

▲スミ入れはタミヤのスミ入れ塗料(ブラック)を使用します。フタについている刷毛を使ってもよいですが、もっと細い面相筆を使うとより狙ったところに塗料を流し込みやすくなります

▲はみ出たスミ入れ塗料の拭き取りには、コンビニなどで購入できるライターオイルを使用します。ライターオイルを使用するのは乾燥が早いためパーツ割れのリスクを防げるためです。ガイアノーツのフィニッシュマスターにライターオイルを染み込ませて拭き取ります


⓭水転写デカールを貼る

▲別売りの水転写デカールを使用してマーキングを追加します。Mr.マークセッターを塗布することでデカールをしっかりと定着させることができます(フタについている刷毛はMr.接着剤用筆セットのものに交換してあります)
▲ピンセットで端をつまんで貼りたい位置に乗せます


▲1回で貼りたい位置に収まらなかったら、ピンセットや湿らせた綿棒などを使ってデカールの貼り付け位置を調整します

オマケ

▲左がENTRY GRADE、右がHGのシールドです。ENTRY GRADEはHGよりも成型色での色分け再現度が高いので、ENTRY GRADE+HGのミキシングでストライクガンダムを作るのもおもしろそうですね

完成! ENTRY GRADE エールストライクガンダム!!

 成型色活かしと部分塗装併用によるENTRY GRADE版エールストライクガンダムが完成しました。ストライクガンダム本体は白の成型色を活かすためにごく一部の加工にとどめ、白以外も気になるところのみに手を加えることで、できる限り手間を省きつつもきっちりと完成させることができました。

▲エールストライカーも本体同様に白は成型色活かしで白以外を全塗装。キットでは主翼の赤がカラーリングシールによる再現となっているのでマスキング塗装で再現しました
▲武装は、ビームライフルおよびシールドはENTRY GRADEキット付属のものを使用。HGキットからビームサーベルとアーマーシュナイダーを移植し、バズーカはビルダーズパーツ「システムウェポン010」を使用しています
▲HGキットのエールストライカーは加工なしで装着可能。違和感なくピッタリとフィットします
▲キットでも側頭部のイーゲルシュテルンやダクトのグレーまで色分け再現された秀逸な仕様ですが、アンテナのシャープ化やシールを使用した頭頂部センサーの色分け、スミ入れによって各造形が際立ち、さらに引き締まった印象になりました
▲腰部アーマー裏側はすべてグレーで塗装しています。目立つ部分ではないですが、チラリと見えたときに奥行きが出て立体感が強調されます

▲キット素組み(左)との比較。白はスミ入れする箇所が多く、成型色活かしとすることで手間を大きく省くことができます。最終的にトップコートでツヤ感を整えることで、全塗装したかような仕上がりになるので素組みよりもステップアップしたい方にはオススメの製作法です。細かな部分ですが、ストライカーパック装着部に加え、ヒジ関節後部のシールドマウント部も使用しないときのフタパーツを製作しています

その名はガンダム
 今回はENTRY GRADEストライクガンダムを、「成型色を活かした製作法」と「塗装には水性ホビーカラーを使用」のふたつのテーマで仕上げました。また、HGCEキットのエールストライカーを使ってエールストライクガンダムを再現できるようにもしています。水性ホビーカラーをエアブラシで塗装する場合、ラッカー系塗料を希釈するときよりも濃いほうがよいと思います。ラッカー系より乾燥に時間はかかりますが、ちゃんと完全乾燥しますので、「乾いたと思って触ったら指紋が…」という昔話はもうないと思います。臭い問題にお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。塗装レシピは以下の通りです。
ピンクサフ=水性ホワイトサーフェイサー1000+モンザレッド(少量)
赤=モンザレッド(下地にピンクサフ)
黄=イエロー+モンザレッド(極少量)(下地にピンクサフ)
青=インディブルー
グレー1=ニュートラルグレー+ダークグレー(少量)(一部の関節パーツに使用)
グレー2=焼鉄色(靴裏やエールストライカーのスラスター部に使用)
アーマーシュナイダー(刃)=シルバー
ビームライフル=ダークグレー
 ツヤ消しコートは、水性ホビーカラーつや消しクリアーを水性ホビーカラーうすめ液で希釈して使用しています。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット “エントリーグレード” ストライクガンダム+“ハイグレードコズミックイラ” エールストライクガンダム

GAT-X105+AQM/E-X01 エールストライクガンダム

製作・文/sannoji

ENTRY GRADE ストライクガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●770円、発売中●1/144、約13cm●プラキット

HG エールストライクガンダム
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーデビジョン クリエイション部●1430円、発売中●1/144、約13cm●プラキット

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©創通・サンライズ

sannoji(サンノジ)

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