マーカーを使った部分塗装のテクニックを解説【お気楽ガンプラテクニック 2022】
2022.03.04
お気楽モデリング基本編 マーカーと部分塗装 月刊ホビージャパン2022年4月号(2月25日発売)
ちょっとしたお化粧?で存在感をアップ
近年のガンプラの成型色は実にカラフルで、普通に組み立てるだけでアニメの設定のように仕上がります。多色成型という技術ですね。でも、スミ入れや部分塗装など、ほんの少し手を加えてあげるだけでさらに存在感が増すのです。
ここでは、スミ入れを含む「部分塗装」をテーマにマーカーなどの便利ツールに焦点を当て、お気楽にレベルアップする方法を解説してまいります。
超絶モデラーが行うそれとは異なる、「あくまでもお気楽に」です♪
スミ入れとワンポイント塗装でパーツに「存在感」を!
近年、模型用ツールの進化が著しく、一昔前とは違ってお気楽に簡単にスミ入れやワンポイント塗装ができるようになりました。まずはそんな便利ツールから、私が普段使っているものをご紹介します。
ツールの性能の違いが、仕上がりの決定的差になることを…
●GSIクレオス ガンダムリアルタッチマーカー
●神のペン
●GSIクレオス ガンダムマーカー各種
●ペベオ 4ARTIST MARKER
●GSIクレオス ガンダムマーカー スミいれ用
●サクラクレパス ピグマシリーズ
●ぺんてる ホワイトマーカー超極細
●パイロット ゲルインキボールペン
メタリックカラー
●タミヤ ウェザリングマリター 各種
●GSIクレオス 水性ホビーカラー
らいだ〜Joe流 お気楽スミ入れ&ワンポイント差し色
ここからは一般的なスミ入れとはちょっと違った「お気楽スミ入れ」を紹介していきます。
▲ペン先が0.05mmにはなってしまいますが、ピグマには赤や青、緑やセピアなどいろんな色が発売されていますので、凹モールドのワンポイント差し色にも最適です
▲︎「リアルタッチマーカー」によるスミ入れの様子。臆すること無く、大胆にモールドをなぞり、メラニンスポンジで擦ると…わたしにはこれが一番合っているかもしれません。モールドが浅いと、拭き取った際に消えてしまうこともありますので、「彫り直し」しておくのもひとつの技です
部分塗装とワンポイント差し色で存在感アップ
▲「タミヤモデリングブラシ面相筆・中No:87016」。私の塗装はほぼこの一種。使い込んでるうちに、いい塩梅の細さになるのです。爪楊枝はナイフで先を細くしたものや平たくしたものを用意。先端に切り込みを入れておくのがポイントです
▲ワンポイント差し色は、シルバーを塗ってから、クリアーカラーを重ね塗り。キラッと存在感を発揮します
▲細かいパーツが多いのでマスキングなんてしません。爪楊枝塗装は「塗る」と言うよりも「塗料を置く・そして広げていく」という感覚で行えばうまくいきますよ
使う色をモールドの形状で統一したり、ここぞという一部だけ異なる色を使ったりすると効果が出ます。肉抜き部分も縁に部分塗装をするだけで立派なパーツとして表現ができます。
ツヤ消しの機体に部分塗装でバーニアを金属っぽく表現すれば、質感の違いが表現できてトータル的に存在感がアップします。
おまけ…ガンダムマーカーEX 驚異のメカニズム
▲GSIクレオスの「ガンダムマーカーEX」と「ガンダムマーカーエアブラシシステムを使って、球体のハロを塗ってみましょう! まずはマーカーのペン先とエアーの吹き出し口を丁度一直線上になるくらいにセットします
▲︎完成したシルバーメッキ風ハロ。ペンでこのメッキ感は驚愕です。塗膜の保護方法が確立されれば、もっと多くのシーンで活躍しそうですね
部分塗装番外編(反則技?)
もともと塗装にコンプレックスを持つ私は「極力塗装をせずにカッコよく」を模索してきました。その中で多用しているのが、ハセガワ 曲面追従シート「フィニッシュ」シリーズです。このアイテムは部分塗装やラインデカールの代わりにだけではなく、エングレービング表現までもできるスグレモノ。一度チャレンジしてみてください。
▲1mmくらいに細く切り出しピンセットでつかんで目的の場所に仮セット。パーツの形状に沿って、少しずつ貼っていきます。「曲面追従」なので、曲げたい場所を指で押さえて方向転換していけば思い通りのラインが完成! すぐにグニャっと丸まってしまうので取り扱いには注意です
▲細いラインをどんどん貼っていきます。はみ出た箇所にデザインナイフを押し当てれば、はい! エングレービングの完成です
ガンプラ製作に復帰した頃は、水性ホビーカラーしか使えない環境で当然塗装も筆塗り。筆ムラだらけの完成品に劣等感を持ち続けていました。それから次男の一言で始めた汚し表現から現在に至るわけですが、私は未だに塗装に苦手意識があります。極力塗装をしなくてもカッコよく見えるようにできないかなぁ〜と、部分塗装やワンポイント差し色を試行錯誤してきました。私の手法は、模型作りの王道からすれば邪道かもしれません。しかし、レベルアップの通過点としてチャレンジするのもアリだと思いますよ。だって、はじめから月刊ホビージャパンの超絶作例やオラザク一時通過作品のような凄い作品なんて作れないですから♪「できそうなことからやってみる」「使えるものは使う!」精密工作は後からでもいいので、まずは「自分なりのカッコよく」にチャレンジしてみましょう。
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