ポイント改修で精密度を高める
アジア自由貿易協商軍が使用するAMAIM(アメイン)「AM22U 牛人(ニュウレン)」。簡潔かつ単純な機体構造とすることで大量生産を行い、数で敵を圧倒することを目的としている。キットは形状やギミック再現度が高く、仲井望によるキットレビューは設定画を参考にポイントを絞ったディテールアップや隙をなくす工作で完成させている。
HG 1/72 ニュウレン
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●2640円、発売中●1/72、約13.8cm●プラキット
▲脚部形状は独特だが、全体的なシルエットや基本構造はほかの経済圏のAMAIMと比べてとてもシンプルなものとなっている
▲武装はすべてオプション兵装となっており、背面およびヒジ後方にウェポンラックが設置されている
▲頭部は基部パーツの合わせ目を処理してディテールを追加。キットにはカメラアイの起動ランプ点灯時を再現したマーキングシールが付属するので、キットを2セット使用して点灯時と非点灯時の2種を用意した
▲基部側面に丸穴モールドを追加。首関節、襟内側、背面外装パーツの肉抜きをパテ埋めし、襟上面および正面装甲パーツの丸モールドにディテールを追加している
▲フンドシ側面はプラ板でディテールを追加して下部の凸モールドは凹モールドに変更。脚付け根の可動パーツは肉抜きを埋めて凸モールドをプラ板で作り直している。股下の合わせ目は左右対象になるようにスジ彫りを追加した
▲背面ウェポンラックにライフル、アックス、両腕ヒジにミサイルを装備した状態。本体形状と合わせて武装の運用に関しても簡潔な構造が取られているのが確認できる
▲ヒジ関節の合わせ目を処理。関節パーツは挟み込み式なので、上腕および前腕の合わせ目は段落ちモールドとして処理。ハンドパーツは武器持ち手にある肉抜きを埋めて、手甲と一体パーツになった指付け根は丁寧に塗り分けている
▲各関節部の肉抜きを埋めて、スネ外装下部の丸モールドを開口。靴部は正面外装パーツ上部縁の面取りを斜めに変更し、つま先のラインモールドを深く彫り直した
▲製作途中状態およびキット素組み(左)との比較。シリーズの中では後発キットということもあり形状再現度はかなり高い。気になるところといえば、細身のボディゆえの合わせ目や肉抜きくらいなので、これらをしっかり処理してやればさらに隙のない完成度にすることができる
▲シンプルな機体構造のため、各関節部の自由度は高い。シリーズに共通しているハンドパーツ造形のこだわりはもちろんのこと、デフォルトで左ライフル持ち手が付属するのも嬉しいポイントだ
▲ライフルは挟み込みとなっているマズル部分を後ハメ化して合わせ目を処理。マガジン上部を開口。アックスは刃にプラ板を貼り足してシャープ化
▲シールドは接続部の肉抜きを埋めて、ミサイルは格納部裏面後部の肉抜きを埋めてディテールを追加した
▲武装はライフル、アックス、シールド、ミサイル×2が付属。ライフルのマガジン(2個付属)が着脱可能でシールド裏に装着できる。ミサイルはハッチが開閉して発射状態を再現可能だが、弾頭以外ほぼ見えないにもかかわらずミサイル全体が造形で再現されている。作例ではさらに後部のノズルを開口してディテールアップを行った
『境界戦機』にてアジア自由貿易協商軍が使用している牛人(ニュウレン)。名前とカラーリングがとても印象的な機体です。また形部一平氏デザインということで、僕としては作例を担当できて嬉しいです。キットはほぼ手を加えるところがないくらいよくできているので、作例では省略されているディテールの追加と肉抜き穴埋め工作を中心に製作しています。
■塗装
主にMr.カラー、ガイアカラー、ガンダムカラーを使用。ほぼ設定画に準じています。また、下記に加えて過去に使用した残り物をいろいろと混ぜているので、参考程度にご覧ください。
赤1=モンザレッド+焔朱+色ノ源イエロー+α
赤2=あずき色+α
黄=MSイエロー+色ノ源マゼンタ
白=ニュートラルグレーⅠ+ニュートラルグレーⅣ+Ex-ホワイト+色ノ源シアン(少量)
黒=ミッドナイトブルー+ダークシーグレーBS381C/638+マホガニー
グレー=ミッドナイトブルー(ガイアカラー)+ニュートラルグレーⅤ
サーチライトとセンサーは付属のシールを貼り、起動ランプは余白を切り取って使用しました。仕上げにフラットクリアーでツヤを整えて完成です。
BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット“ハイグレード”
AM22U ニュウレン
製作・文/仲井望
©2021 SUNRISE BEYOND INC.