911ベースの最後のラリーカー「ポルシェ911 SC RS ’84 オマーンラリーウィナー」の優雅なフォルムを製作
2022.02.21 1984年のグループBカテゴリーに投入されたポルシェ 911 SC RS。すでに4WD+ターボが必須となった同カテゴリーにおいて、自然吸気3リッターSOHCエンジン、後輪駆動の911 SC RSは苦戦を強いられたが、ロスマンズカラーをまとった911ベースのスマートなスタイルは実に魅力的である。
今回は911ベースの最後のラリーカーとなったこの911 SC RSを完全新金型で再現したプラッツ/nunuの1/24スケールキットをカーモデラーとしては久々の登場となる一ノ戸晃治が製作。グループBカーらしからぬ優雅なフォルムをお楽しみいただこう。
今回はプラッツ/nunuのポルシェ911 SC RS、グループBのラリーカーです。製作にあたっていつもウェブで資料を探すのですが、このラリーでの写真は全く発見できず。唯一当時のレース動画を発見できたのでそれを参考に製作していきました。“OMAN RALLY 1984”で検索するとヒットします。画像は粗いですが、マーキングの位置の確認などかなり参考になりますよ。この車は7年ほど前に「カーモデリングマニュアル」というムック本で、タミヤの911ターボをベースにヨーロッパラリー仕様の改造作例を作っていて、その時の資料も役に立ちました。
SC RSは911 SCをベースにグループB規定に合わせて作られた車両で前後のバンパーがオリジナルデザインになっています。フロントバンパーはノーマルの911 SCよりも長くなっています。キットではその部分の寸法が足りていないのでプラ板と光硬化パテで1mm延長して整形し直しています。デカールはどうしたかというとなぜか寸法通りにできているという謎な展開。逆に言えばデカールをコピーしてその寸法に合わせて整形し直せばOK、ということですね。左フロントフェンダー上に給油口がありますが、このレースではフロントフード内の燃料タンクに直入れしていたのでモールドを埋めています。ワイパー横のキルスイッチの位置も資料動画を参考に変更しました。
別売りのディテールアップパーツにはシートベルトの金具とリボン、アンダーガード、ボンネットピン、ブレーキディスク、マッドフラップ等のエッチングパーツと金属製のアンテナ、シート裏のケブラーデカール、そしてバラバラになったロスマンズのデカールが含まれています。たとえバラバラでも用意されているのはありがたいことですね。残念ながらリヤウインドウのマーキングは入っていなかったので、ここはストックしてあったF1用のデカールを使って対処しました。マッドフラップは撮影時のボディとシャシーの取り外しを考え、マグネットで着脱可能にしました。アンダーガードもマグネットを足代わりとして両側に接着し、ここも取り外しできるようになっています。
プラッツ/nunu 1/24スケール プラスチックキット
ポルシェ911 SC RS ’84 オマーンラリーウィナー
製作・文/一ノ戸晃治
ポルシェ911 SC RS ’84 オマーンラリーウィナー
●発売元/プラッツ/nunu●4620円、発売中●1/24、約16.5cm●プラキット●専用ディテールアップパーツ(2640円)も発売中
一ノ戸晃治(イチノヘコウジ)
今回の911、ランナーを見るとなにやら形の違うミラーが残っていますが、これは別バージョンも期待できそうな気がします。トイボネン仕様、出してほしいな。