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【サンライズ・メカニック列伝】
バトルゴリラ(『魔神英雄伝ワタル』より)

2022.02.17

サンライズ・メカニック列伝 バトルゴリラ【タカラトミー】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)

【サンライズ・メカニック列伝】 バトルゴリラ(『魔神英雄伝ワタル』より)
バトルゴリラ 特写

 サンライズ作品に登場する数多のメカを模型作例で再現し、改めてその魅力を探る連載企画「サンライズ・メカニック列伝」。今回は、PLAMAX製キットが充実したシリーズ展開を見せている『魔神英雄伝ワタル』から、旧タカラの魔神大集合(マシンコレクション)「バトルゴリラ」の作例をお送りしよう!
 異世界に召喚された戦部ワタルの前に初めて現れた魔神がバトルゴリラである。悪の帝王ドアクダーの手先、シュワルビネガーが搭乗し、抜群の破壊力を持つハイパーマグナムを武器に龍神丸と交戦。第2話では新たな機能を備えパワーアップした2号が登場するなど、劇中での扱いとデザインのインパクトから、多くのファンの記憶に残る存在となっている。
 作例は「本放送当時から月刊ホビージャパンに魔神大集合の製作記事が載ることを待ち望んでいた」という田仲正樹が私物を投入して製作。キットのフォルムを見直し、固定式の四肢をフル可動化するなど徹底改修を実施。1号と2号を再現可能なコンパーチブル作例として完成させている。

バトルゴリラ 前
バトルゴリラ 後ろ

バトルゴリラ1号

バトルゴリラ 1号

バトルゴリラ2号

バトルゴリラ 2号
バトルゴリラ 装填時再現
弾倉から1発抜いてある

 1号は弾を6発撃ち切ると、乗組員が人力で弾を装填しなければならないのが弱点。作例は装填時再現用のオプションパーツも製作している。弾倉から1発抜いてあるのがミソ。2号は新たに自動装填装置を装備し、大幅にパワーアップした強化型。作例はヒザ装甲を差し替えて両機を再現可能。なお、劇中で長距離射撃形態に変形したのは2号のみである

製作途中状態

バトルゴリラ 製作途中
バトルゴリラ 製作途中後ろ

 魔神大集合は低年齢層をメインターゲットとした組み立て式トイ。模型として見るとパーツ数は最低限で軟質樹脂部品の割合が多く、モールドも甘めで作りこみは難しい。作例はこのトイを劇中の印象に近付けるべくフォルムを見直し、可動部の新造と各部のシャープ化およびディテールアップを行ったもの。想像以上の手間をかけた徹底工作作例だが、製作途中状態を見ると上半身は各パーツの基の形状が最大限に活かされていることがわかり、キットの素性の良さが感じられるはずだ

フェイス

バトルゴリラ フェイスアップ
バトルゴリラ フェイス 作り直し

 腹部の「顔」は鼻をエポパテでシャープに作り直し、某スター俳優に似ないように配慮したと思われる口元を設定風に改造した

ゴリラ・アーム(腕)

ゴリラ・アーム
ゴリラ・アーム 製作途中
拳はPLAMAX空王丸

 キットは拳を挟み込み左右のパーツを貼り合わせる構造だが、作例は上腕、ヒジ、前腕に分割した後、ヒジをMGクロスボーン・ガンダムの球状関節に交換して可動化。市販のHIPS関節で胴体と接続した。拳はPLAMAX空王丸のものに交換。エポパテで形状を変更し、ボールジョイントで前腕と接続している

脚部

バトルゴリラ 脚部
バトルゴリラ 脚部 製作途中
バトルゴリラ 靴

 腕部と同様に左右貼り合わせ構造の脚部は、まず太モモ、ヒザ装甲、ヒザ関節、スネ、つま先、かかとの6ブロックに分割。太モモは幅を詰め形状を変更したHG(UC)ザク(No.40)のものに交換し、ヒザ関節はHGドム・トローペンのヒジ関節を移植し可動化。スネはプラ板を積層して大型化し、ヒザ装甲を差し替えられるよう、ネオジム磁石を仕込んでいる。つま先とかかともプラ板の積層で大型化し、30MINUTES MISSIONSアルトの足首関節を移植して可動化した。結果として脚部は元の倍近いボリュームとなっている。なお、1号のふくらはぎブロックにある「クルージング・トムに蹴られてできた傷や凹み」は2号に組み替える関係で省略している

頭部ハイパーマグナム450口径/胴体

頭部ハイパーマグナム450口径/胴体 差し替え
頭部ハイパーマグナム450口径/胴体

 キットは銃身が伸縮可能だが、作例では長短2種の銃身をネオジム磁石で固定し差し替え式に。銃口部はMG陸戦型ガンダムのビーム・ライフルから流用。フロントサイトは半透明にアレンジしてプラ材で作り直した。暗視スコープは市販の丸ノズルでシャープ化、レンズパーツをはめ込んでいる。弾倉は後部をプラ板で塞ぎ、市販パーツで弾丸を追加。本体にはネオジム磁石で固定し回転も可能だ。グリップは滑り止めのモールドを埋め、後ハメできるように加工。軟質樹脂のパイプストックはプラパイプ主体で作り直し、可動軸を4mm径のポリ軸に交換した。股関節前方のブロックは1.5mm幅増しし、その下部を設定画風にプラ板とエポパテで大型化。股関節はボールジョイント化し、位置を前方へ移動させた。背中周辺は空間をプラ板主体で塞いで隙をなくし、本編で確認できるパイプやシリンダー等のディテールを追加して密度を上げている

ジャングル・メリケン・ナイフ

ジャングル・メリケン・ナイフ 製作途中
ジャングル・メリケン・ナイフ

 軟質樹脂製で仕上げが難しいため、積層プラ板から削り出して作り直し。スパイクはランナーから削り出して植えた。「本編で描かれているように海賊の剣(カットラス)のような形状にしたり、コンバットナイフ風にしたりするのも面白いと思います」とのこと

バトルゴリラ ナイフ
バトルゴリラ 横

■筋肉モリモリマッチョマンの魔神だ
 どうしても暗証番号を短めにしてしまう(それ『ワタル』と関係ないだろ)サンライズメカファンのみなさんは、旧タカラ製の「魔神大集合」を製作したことがあるはず。低年齢層向けに部品数は最小限で可動箇所は少なめ。肉厚のパーツや軟質樹脂パーツも多く、作りこみや改造にはあまり向きませんからモデラー目線では物足りなかったかもしれません。一方で子どもにも嬉しい価格設定や、多色成型+一部塗装のパーツとシールによって本編のイメージに近い仕上がりになるその作りやすさは大きな魅力でした。各魔神には「レバーを動かすと剣を振る」などのアクションや変形ギミックが必ず盛り込まれ、数を揃えればそれらを並べて戦わせる楽しさもどんどん増していきます。キットの箱や組立説明書の裏面には作品世界の奥行を拡げる情報や裏設定がこれでもかと掲載され、さらにはゲームができるカードと搭乗者のフィギュアまで付属。「どれだけ楽しませてくれるんだ」と感じずにはいられない、昭和の終わりの時期を代表する好キットシリーズであり、大ヒット商品でした。
 今回製作したバトルゴリラは『バトルランナー』と『ゴリラ』を合わせたネーミングと警察署を襲撃しそうな顔からして、某大スターをモチーフとした洋風(主人公側が和風ですからね)のコミカルパロディメカに見えますが、「アンクルタイプの銃に変形するロボット」は破壊大帝メガトロン(『ミクロマン』のガンロボ ワルサーP38)を踏襲したとも推測でき、私は「第1話の敵としてこれをぶつけてくるとは!」と、製作陣の本気度に感動をおぼえたものです。
 キットはアニメの設定画よりさらに頭身が低くディフォルメされている感がありますが、作例は本編の印象に近付けるべく、可動部を追加しつつ下半身をボリュームアップしてフォルムを変更しました。頭のマグナム部と上腕、前腕に関してはアニメとは異なるものの、なかなかよい形にまとまっているので、キットのパーツ形状を活かしています。

■野郎、塗装してやる
 HD版とSD版の両方の本編映像を見て、それぞれの色味を参考に調色。龍神丸や戦神丸と並んだ際、少し地味に見えるように青系の彩度を抑え気味にしました。
スコープ、前腕等=インディーブルー+ハーマンレッドにミッドナイトブルーとコバルトブルーを各少量
上腕、腰等=コバルトブルー+純色バイオレットに靴の赤、クールホワイト、ウイノーブラックを各少量入れた自作青紫系グレー
銃身、弾倉等=自作の青緑系グレー
靴=ハーマンレッド+モンザレッドにピンク少量
 フェイスは銃身の色+クールホワイト。ナイフの刃はGXホワイトシルバー。握りの部分と本体ベルトのバックルは金にしたところ派手になりすぎたため、彩度を抑えた黄色に変更。2号用ヒザ装甲の「2」は市販のブルーエンジェルス用デカール。『コマンドー』ファンのあなたは「13」を貼ってください。
 次回はライバルキャラも搭乗した、高性能な量産機の作例でお会いしましょう。

バトルゴリラ

タカラトミー ノンスケール プラスチックキット “魔神大集合”

バトルゴリラ

製作・文/田仲正樹

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©サンライズ・R

田仲正樹(タナカマサキ)

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