HOME記事ガールズプラモ【粋塗装特集】「フレームミュージック・ガール 初音ミク」を日本の伝統色で着物アイドルにアレンジ!

【粋塗装特集】「フレームミュージック・ガール 初音ミク」を日本の伝統色で着物アイドルにアレンジ!

2022.02.13

初音ミク(着物アイドルVer.)【コトブキヤ】 月刊ホビージャパン2022年3月号(1月25日発売)

初音ミク 着物風 特写

 ジャパネスクカラーを使用した和・ブーメランに続くのは、着物風にアレンジした衣装をまとう初音ミク。ベースとなったフレームミュージック・ガール 初音ミクから大幅なカスタムは行わず、日本の伝統的な“色”を使用してまとめ上げている。マフラーやスカートを彩る模様の表現も要注目!

①塗装のメインカラーとなる伝統色を選別

 全体が調和するよう、統一感を重視する。

GSIクレオス「LASCIVUS Aura(ラスキウス アウラ)」シリーズ
▲GSIクレオス「LASCIVUS Aura(ラスキウス アウラ)」シリーズの浅葱色(あさぎいろ)、緋色(ひいろ)、濡烏(ぬれがらす)を使用
髪パーツ
▲髪パーツは慎重に合わせ目を処理。紙ヤスリやスポンジヤスリに加え、ロック構造付きのピンセットがあると作業しやすい。髪色は濡烏をベースに紫を混ぜてハイライトを付けた
初音ミク 着物 表情パーツ
▲眉毛は髪色に合わせ黒に変更。やり直しが利く水性マーカーで上から描き込んだ。他には瞳ハイライトの追加と頬、側面へのシャドウ付けを行っている

②ベースを整え、描き絵&塗装で“和”を表現

 蒔絵や漆の質感を意識しながら色付けていく。

胴体
▲塗装前のマスキングが必要となるのは胴体とスカートのフリルのみ。胴体の後ろ側は細く切ったマスキングテープで面を囲い、マスキングゾルで埋めた
スピーカードローン
▲スピーカードローンは漆塗りをイメージした仕上げに。まずはブラックの上から光沢クリアーで数回コーティング。完全乾燥後にコンパウンドで磨き、コーティングポリマーを塗り込んで仕上げている
衣装の上下
スカートの模様

▲衣装の上下は浅葱色と緋色の組み合わせ。緋色は橙寄りの紅色であり、そのままだとコントラストが強い。白を少々混ぜることで柔らかくなり良く馴染んでくれた。スカートの模様は光沢クリアーコート後、エナメル塗料で描き込んでいく

COLUMN 
模様の描き込みは練習あるのみ

 ランダムな模様はフリーハンドで描き込む。筆遣いや塗料の希釈具合を掴むには慣れが必要。簡単に入手できるプラスチックスプーンなどを練習台にイメージを掴むと良いだろう。

プラスチックスプーンなどを練習台に
初音ミク 着物風 キメ

完成!

 3色の日本の伝統色をメインカラーとする初音ミク(着物アイドルVer.)。濡烏色の黒髪に浅葱色の衣装がよく映える。1色、1色をとってみれば落ち着きのある色を用いているが、それらがバランスよく組み合わさり、さらに可動式の髪飾りや拡声器などの小物がにぎやかな雰囲気を醸し出す。今にも雅なステージの幕が上がりそうだ。

初音ミク 着物風
初音ミク 着物風 上半身アップ
▲正方形にカットしたマスキングテープを使用しマフラーの市松模様を塗り分け。段差が出るためトップコートを厚めに吹いた後、スポンジヤスリで面を均一にしている
初音ミク 着物風 横
▲扇子と同じく白い髪飾りは「メガミデバイス 朱羅 玉藻ノ前」のパーツを流用。ツインテール取り付けジョイントを通せるよう、ピンバイスで3mm穴を開けている
拡声器
▲拡声器は「メガミデバイス Chaos & Pretty ウィッチ」付属のハンドガンに、M.S.G丸モールドやバーニアを貼りつけて基部とした
初音ミク 着物風 振り向き

「フレームミュージック・ガール 初音ミク」を着物アイドル衣装風のカラーリングで製作しました。アイドルやゲームなどではポピュラーな衣装でしょうか? 製作を進める上で、日本の色の意外な種類の多さやその名称の由来など、なるほど…と思うことも多く、楽しみながら製作を進めることができました!

■色選びと配色について
 編集部より「日本の伝統色を使用してほしい」とのオーダーがあり、いろいろ悩みましたが、ほぼミクさんカラーである「浅葱色」に決めました。青と緑の中間色といった感じで、鮮やかだけど派手過ぎないとてもきれいな色ですね! 文字通りネギの色、新選組の羽織の色としても有名とのことです。この浅葱色を軸に組み合わせを考えていきました。
 ヘアカラーはバランスを取るために思い切って黒髪を選択。上半身のサブカラーには比較的同系色の「水色」と「藍色」。スカートには「緋色」を配置し、着物らしい色合いでありながら、アクティブな雰囲気もあるカラーリングを狙いました! 浅葱色と緋色は補色関係なこともあり、とてもきれいに馴染んでくれています。スカートにはエナメル塗料を使い、梅模様と音符を書き込んでいます。色選び以外にも重要なのが色の配置です。元々のミクさんが、胴体のみ白でアームカバー、スカート、ニーソックスが黒といった感じなので、色だけ変更してもあまり着物っぽくなく、配色の変更が必要でした。肌部分の肩は塗りつぶし、脚部のみニーソックス風の白とすることで着物アイドル衣装に近くなるよう調整しています。

■オプションについて
 襟は「フレームミュージック・ガール 雪ミク」のマフラーに変更し、片側に市松模様を入れました。和風デザインで多く用いられますが、色の組み合わせによっては洋風やモダン風にもなり、活用の幅は広そうです。他には「メガミデバイス 朱羅 玉藻ノ前」のパーツを使い、髪飾りの変更と扇子の追加をした上、「メガミデバイス Chaos & Pretty ウィッチ」のハンドガンを改修したものとマイクスタンドのベースを組み合わせ、拡声器も製作しました。このベース部分がそのまま拡声器っぽい見た目になっており、活用しない手はないと思いました。
 製作時点では年末ですが…新しい年のスタートに相応しい爽やかな仕上がりとなりました! 2022年もたくさんプラモを作るぞーと例年と同じ目標を立てたところで今回は終わります。ありがとうございました!

初音ミク 着物風

コトブキヤ ノンスケール プラスチックキット フレームミュージック・ガール 初音ミク使用

初音ミク(着物アイドルVer.)

製作・文/SIEBEN

フレームミュージック・ガール 初音ミク
●発売元/コトブキヤ●6380円、2018年11月発売●約15cm●原型/清水康智、堀克彦●プラキット

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SIEBEN(ジーベン)

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