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【0083特集】1/100未プラキット化機体「RGC-83 ジム・キャノンII」をベースにMGジム・カスタムを使用して外装スクラッチで製作【アクシズてんちょう】

2022.01.20

RGC-83 ジム・キャノンII【BANDAI SPIRITS 1/100】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)

ジム・キャノンII

 地球連邦軍アルビオン隊に配備された中距離支援型モビルスーツ、ジム・キャノンII。RX-77-2 ガンキャノンの純然たる量産化をコンセプトに開発されており、高出力ジェネレーターの積載によって両肩の武装がビーム・キャノンになるなど中距離支援型の集大成と呼べる機体になっている。アルビオン隊ではチャック・キース少尉、チャップ・アデル少尉が搭乗した。作例は同特集『RGM-79N 最新キットとのニコイチで仮想Ver.2.0をつくる』でも紹介しているMGジム・カスタムをベースに、ガンダムNT-1のチョバム・アーマーの概念を採り入れた増加装甲をスクラッチで製作。1/100スケールでのジム・キャノンII決定版モデルとして完成させた。

FRONT

FRONT

SIDE

SIDE

REAR

REAR

▲直線構成主体の上半身とは対称的に大きく膨らんだ脚部装甲が特徴的なシルエットを、力強く立体化している

ジム・キャノンII 立ち

唯一1/100キットがないアルビオン隊MS

 ガンダム試作1号機をはじめとするアルビオン隊所属機が早い時期にMG化された中、いまだ1/100キットがないジム・キャノンII。支援機というサブポジションではMG化は敷居が高いのか、と思っていた方も多いことであろう。しかし、昨今は予想だにしていないものまでキット化される時代。さらに、RE/100やFULL MECHANICSのようにMG以外での1/100スケールキットの選択肢も増えている。とすればジム・キャノンIIのキット化も非現時的なものではなく、本作例がそれを想像するためのよい指標になるのではないだろうか。

ベースはMGジム・カスタム
▲ベースにしているのはMGジム・カスタム。腕と靴部にMG RX-78-2 ガンダム Ver.Kaを使用し、胸部および腰部の増加装甲をプラ板で、腕部および脚部の増加装甲をプラ板やパテなどで原型を作り、レジン複製で左右をそろえている
ジム・キャノンII 後ろ
▲チンガード
エバーグリーンのパイプとウェーブ「C・ライン」
頭部アップ

▲チンガードはエバーグリーンのパイプとウェーブ「C・ライン」で製作。後頭部はエポパテで形状変更を行い、ロッド・アンテナはMGリ・ガズィの軟質素材のものを移植した

ビーム・キャノン
バックパックのスラスターノズル 流用パーツ

▲ビーム・キャノンは砲口をエポパテ、砲身を流用パーツ、基部をエバーグリーンのプラ材で製作したもので構成。基部に四角い穴を開けておいて可動用のポリパーツを仕込んだ。バックパックのスラスターノズルは流用パーツで、下部のタンクはエポパテで製作したものをレジン複製している

腹部
胸のダクトやコクピットハッチはエポパテ

▲腹部は中央部にプラ板を貼り足して横方向に幅増し。胸部装甲はプラ板でキットを囲うように構成し、肩関節はジム・カスタムの基部とガンダム Ver.Kaの軸を真鍮線でつないでいる。胸のダクトやコクピットハッチはエポパテを使用

スラスターノズル 
スラスターノズル 構え
スラスターノズル後ろ
ジム・キャノンII 飛行
▲中距離支援機ゆえに派手な活躍はないが、的確に前衛をサポートする隊に欠かせない存在の機体
肩装甲
▲肩装甲はキットの外側をカットして小型化したものに前後上側面装甲をそれぞれ製作。前後面のバーニアは市販パーツを使用
前腕
▲前腕の×凹モールドはウェーブのプラ板で型を作り、タミヤの0.1mmプラペーパーを切りぬいたものを貼り付けている
腰部装甲はプラ板
後部のスタビライズド・ギア
上部の左右でつながっている部分
後部のスタビライズド・ギアもプラ板

▲腰部装甲はプラ板で製作。上部の左右でつながっている部分は中央で磁石接続にすることで左右のフロントアーマーの動きに追従するようにしている。後部のスタビライズド・ギアもプラ板で製作し、両面テープで固定した

▲左腕はシールドマウント部にネオジム磁石を仕込み
ーム・サーベルグリップもこの磁石を利用して着脱可能とした

▲左腕はシールドマウント部にネオジム磁石を仕込み、ビーム・サーベルグリップもこの磁石を利用して着脱可能とした

武器各種
▲武装はキット付属のジム・ライフル、ブルパップ・マシンガン、シールド、ビーム・サーベルを製作。ビーム・サーベルグリップは装備用とは別に磁石を仕込んだ収納用も製作している
ジム・キャノンII 銃構え
太モモはフレーム
▲太モモはフレーム、外装ともに中央部でカットしてプラ材を挟んで上下方向に延長
足首フレーム
▲足首フレーム部分をプラ材で作り直して左右スイングを追加。立たせたときの接地性を高めている
脚部装甲はスネ→ふくらはぎ
ふくらはぎ→側面

▲脚部装甲はスネ→ふくらはぎ→側面の順に製作。前後バランスを見つつ、側面の膨らみを調整。ある程度形ができたところで側面パーツを上下に分割した

左脚アップ
アンクルガード
▲アンクルガードは基部をエポパテ、装甲をプラ板で製作。元のマルイチモールドにはめ込むことで上下に可動するようにしている
アンクルガードアップ
銃
シールド
シールド裏

▲ブルパップ・マシンガンはプラ材や流用パーツでディテールアップ。ジム・ライフルはマズルをパテで起こし、旋盤加工で形状出し。キャリングハンドル後部の丸モールドはくりぬいてプラパイプに変更。シールドはマルイチモールドに自作パーツでフタをして、内側はマウント用にネオジム磁石を仕込んだ

ジム・キャノンII製作途中後ろ
ジム・キャノンII製作途中

▲製作途中状態。キットを使用している箇所、キットを加工している箇所、新たに作り起こしている箇所のバランスをご確認いただきたい

ジム・キャノンIIフル装備立ち

■ジム・キャノンII
 そ今回はMGジム・カスタムをベースにジム・キャノンIIを製作しました! ジム・カスタムとジム・キャノンIIは、ある程度は共通パーツでできてるので、共通パーツ部分は基本ジム・カスタムを使って、腕やつま先をMG RX-78-2 ガンダム Ver.Kaを使用。残りは自作パーツです。腕や脚、キャノンなど左右ぶん必要なものは、各パーツ片側(原型)をプラ板やエポパテ、流用パーツで作ってシリコーンで型取り。左右ぶんレジンで複製してそろえています。以下、各部詳細です。

■頭部
 頭部アンテナはMGリ・ガズィの軟質素材のアンテナを使用。GSIクレオスのメタルプライマー改を筆塗りし、本体色(水色)で塗装しています。設定画を参考にチンガードはプラパイプとアルミ線、残りはエポパテで形状を変更しています。

■胴体
 胸部、腰部はジム・カスタムを元にプラ板で形状変更。腹部はジム・カスタムの部分を加工したくないところですが、元キットが細く感じるので幅増ししています。センター部分で幅増しすることで加工を最小限にしています。

■腕
 腕はヒジにマイナスモールドがあるMG RX-78-2 ガンダム Ver.Kaのパーツを元に装甲を製作。エポパテを薄く伸ばした状態で硬化させたものを材料としています。事前に用意しておくと便利です。方眼紙に下絵を描き、下絵に合わせて切り出し。調整しながら削って作っています。右腕と左腕は形状が違うため、左腕はビーム・サーベルとシールドを保持できるようにネオジム磁石を埋め込んでいます。

■脚部
 太モモはジム・カスタムのパーツを延長。ヒザや関節はキットのままです。ふくらはぎはMGガンダム試作1号機のものをバルーンで膨らませたような形状をエポパテで製作。ジム・カスタムのフレームに合うように前後はパーツの上に無理やりパテを盛って形状変更。できたパーツに合わせて左右の順で作っています。靴部はRX-78-2 ガンダム Ver.Kaのパーツを元にアンクルガードをプラ板やエポパテで形状変更しました。

■塗装
 パーツ洗浄後、ガイアノーツのサーフェイサーエヴォで下地塗装。メインの外装は設定画を参考にジム・カスタムと共通部分(水色)はそのまま塗装。白に青を入れて水色に調整しています。青はMr.カラーのライトブルーを使用。ジム・キャノンIIの増加装甲はMr.カラーのオリーブドラブに黒を少し入れて調整したもので塗装。関節や武装はパーツによって手持ちの色を調整しつつ塗装しています。

ジム・キャノンII

BANDAI SPIRITS 1/100スケール プラスチックキット “マスターグレード” ジムカスタム 改造

RGC-83 ジム・キャノンII

製作・文/アクシズてんちょう

ⓒ創通・サンライズ

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