「サンダーバード2号&4号」『サンダーバード』最新作上映記念企画第2弾!!【桜井信之】
2022.01.16サンダーバード2号をパネルシェードで仕上げる
1965年にイギリスで製作・放送された伝説のマリオネーション特撮作品『サンダーバード』。日本上陸から55年、ついに完全新作が日本語劇場版として、2022年1月7日(金)から劇場上映、1月8日(土)よりオンライン上映がスタートした。その上映を記念したHJの応援企画第2弾。まずは大本命のひとつ、1/350サンダーバード2号の作例をご紹介。桜井信之が撮影プロップに近い、パネルシェード塗装で仕上げている。
劇場上映に合わせて関連情報も満載!
日本語劇場版上映に合わせ、さまざまな企画が進行中。BS10 スターチャンネルでは庵野秀明氏がプロとして初めて編集に関わった「サンダーバード」のダイジェスト版を、庵野氏編集・構成でHDリマスター版として復活させる「シン・コンプリート・サンダーバード」を2022年1月30日(日)に独占放送。また、1月9日(日)には東京オペラシティコンサートホールにて「サンダーバード55周年シネマコンサート」が行われた。
サンダーバード55周年シネマコンサート
シン・コンプリート・サンダーバード
急告!
21年12月26日(土)より、新宿ピカデリー1階エントランスにて月刊ホビージャパン作例を特別展示中!!
今回はアオシマのサンダーバード2号&4号を製作いたしました。キットは旧イマイ製のキットで、その金型を引き継いだアオシマが復刻・再販した商品。このキットが出た時の衝撃は今も鮮明に覚えています。とは言え発売から30年近く経過したキットなので、少々のディテールアップを行うことから始めていきます。
まずはコンテナ内部。完成後はほとんど見えなくなってしまうのですが、やはり手を入れたいポイントでしょう。コンテナ外側のモールドに合わせて内側にキール(竜骨)とキャットウォークをエバーグリーンのプラ棒で増設。さらにレール状のモールドにも情報を加えています。さらにジャンクパーツでコンテナ壁面や後方にも構造物を追加しています。キットにはサンダーバード4号用のカタパルトパーツも追加になっているので、これだけでも外から覗き見た印象は変わってきます。なおコンテナ底面の“コロコロ車輪”。これは古いキットの名残ではなく、オリジナルのプロップにも存在するディテールです。しかし今回はサンダーバード4号用の4番コンテナで製作。このコンテナは海面に投下するタイプなので、非常に悩んだ結果、今回はこのコロコロを埋める決断をしています。
次は本体です。基本的に凸モールドキットなので、模型セオリーから行けば凸→凹変換するのですが、そこはサンダーバード。細かな凹モールドなど彫り直さずにすべて塗装で再現することにしました。凸モールドを削り落し、合わせ目消しなどを行う前にキット表面を撮影し、後の塗装の参考に残しておきます。
工作が終わったら塗装です。Mr.カラー18番・ブラックグリーンを下地に吹き、ガイアカラー214番・暗緑色で基本色を立ち上げます。その後ガイアカラー43番・クリアーブラック。Mr.カラー183番・グレートーン。加えて基本色の暗緑色の明度を上げたもの2種でパネルシェードを行います。元の凸モールドやプロップ写真を参考にマスキングを行い、ある面では暗い方向に、ある面では明るい方向にシャドーとハイライトを交互に入れ、本体のパネルラインを再現します。別名“サンダーバード塗り”と言われるパネルシェードですが、サンダーバードキットにこの技法を施したのは恐らく20年ぶりだと思います。新作が上映目前(製作当時)の今、本家サンダーバードキットにパネルシェードで塗装できたのはこの上ない喜びでした。スジ彫りが苦手な人でも意外と簡単にできる技法なので、皆さんもぜひお試しください。
青島文化教材社 1/350スケール プラスチックキット
サンダーバード2号&4号
製作・文/桜井信之
サンダーバード2号&4号
●発売元/青島文化教材社●2860円、発売中●1/350●プラキット
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桜井信之(サクライノブユキ)
さまざまなメディアで活躍する模型の伝道師。あらゆるジャンルの模型に精通している。