『境界戦機 フロストフラワー』登場作例「ゼリーゼジアマン“アプリエル”」【田中康貴】
2022.01.10FGEA08 ゼリーゼジアマン“アプリエル”【スクラッチビルド 1/72】 月刊ホビージャパン2022年2月号(12月25日発売)
紅鬼きたる
網走監獄作戦展開中に突如現れたゼリーゼジアマン“アプリエル”。ユーリが搭乗する“アクチャーブリュ”とは頭部形状が異なり、紅い機体カラーに身を包んでいる。搭乗者や目的などが不明のこの機体を、ソボーテジアマンの作例を担当した田中康貴が再びスクラッチで製作。主にプラ板やエポパテを使用し、関節や細部ディテールはほかキットからの流用で完成させている。
MECHANIC FILE 09
ZHELEZO DEMON “апрель”
大ユーラシア連邦で運用される指揮官用AMAIM、ゼリーゼジアマンのカスタマイズ機。“アクチャーブリュ”同様に次世代AI開発のために実験機のようだが、詳細は不明。メカニックデザインは寺岡賢司氏。
型式:FGEA08
全高:9.8m
重量:17.7t
武装:30mm機関砲、ナタ(大型)
所属:大ユーラシア連邦
搭乗者:???
■ひと際目立つ紅い機体
今回はゼリーゼジアマンのカスタマイズ機を製作させていただきました。製作文を書いている時点ではまだ詳細が分かっていないのですが、頭部とカラーが変更されたことで元の機体から大幅にパワーアップした印象を受けます。製作はプラ板工作メインで、円柱形状にプラパイプや塩ビパイプ、曲面にエポパテを使用しています。
■頭部
アンテナ・額・カメラアイ・アゴ部分をそれぞれプラ板積層から削り出して組み合わせています。前後の凹モールドは熱したマイナスドライバーを押し当てて付けています。
■胸部・腰部
プラ板の箱組みメインで製作しています。背中の筒形状はプラパイプ、腹部は塩ビパイプにエポパテを盛って勾配を付けています。胸部左右の形状は市販のマイナスモールドを加工して利用しました。腰部もプラ板メインで、正面の形状はデザインナイフでランダムに彫り込んだ後、紙ヤスリで溝が滑らかになるよう磨いています。
■腕部
外装部分は塩ビパイプを芯にエポパテを盛って形状を整えています。肩アーマーはソボーテジアマンのものをレジンで複製しエポパテでラインを変更。関節部は肩に1/100ダブルオーガンダムのヒジ関節、ヒジに関節技ディスクジョイントを使用しています。ヒジの丸形状はジャンクパーツにエポパテを盛って製作しています。
■脚部
腕同様に塩ビパイプとエポパテメインで、靴部はプラ板の箱組みです。
■武器類
ナタはプラ棒、プラ板積層の箱組みを合わせたものです。機関砲はソボーテジアマンの時に製作したものとほぼ同様で、後部の形状のみ変更しています。
■塗装
カラーと配色は設定画を参考にしています。
本体赤(明)=レッド+クールホワイト+イエロー
本体赤(暗)=レッド+ディープクリアーレッド+ブラック
肩等茶=ダークアース+ウイノーブラック+紅色(日本海軍機用)
黄=イエロー+黄橙色(武器用は黄橙色多めで調整)
緑=GXメタルイエローグリーン+クールホワイト
カメラ紫=クールホワイトの上からクリアーパープル
関節等グレー=サーフェイサー(ブラック+グレー)+レッド
武器グレー=関節グレー+クールホワイト
塗装後エナメル塗料でスミ入れを行い、仕上げに半光沢気味に調整したクリアーを吹いて完成です。
1/72 スケール スクラッチビルド
FGEA08 ゼリーゼジアマン“アプリエル”
製作・文/田中康貴
©2021 SUNRISE BEYOND INC.
田中康貴(タナカヤスタカ)
月刊ホビージャパンを代表するスクラッチモデラーのひとり。プラ板を使用したパーツ製作を得意とし、細かな可動ギミックにも秀でている。