バトル・オブ・ブリテンを戦った「メッサーシュミット Bf109E-4」【山田昌行】
2021.12.20バトル・オブ・ブリテンを戦った最新最高のエミール
時を超えた永遠のライバル、イギリス空軍のスピットファイアとドイツ空軍のメッサーシュミットBf109。1940年のバトル・オブ・ブリテンで英国上空に進出、スピットファイアMk.Iと死闘を演じたBf109E-4の1/72ニューキットがチェコのスペシャルホビーより登場した。同国のメーカー、エデュアルドとの提携により3D設計で再現するフォルムとディテール、そしてシャープな成型技術により、既存の1/72キットのレベルをはるかに超越した素晴らしいキットを実現している。WWIIドイツ機モデラーは、いま最高の1/72エミールを手に入れた!
■最新最高の72エミール
素晴らしいキットをリリースし続けているスペシャルホビーからまたも良質なキットが発売されました。Bf109E-4です。「またメッサーか」と思われる方もいらっしゃると思いますが、1/72のメッサーE型となるとハセガワ、タミヤはすでにかなり古いキットとなってしまいました。一番新しいところでもエアフィックスになり、当時決定版と言われ現在まで君臨してきましたが、そこへこれらを凌ぐすごいキットが出てしまいました。
スペシャルホビーのこの新キットですが、モールド・はめ合わせ精度・プロポーション、どれをとっても一級品です。スジ彫りは細くシャープで、全面にリベットが打たれています。このスケールだとうるさく感じられそうですが、そんなことはまったくなく、実に精緻なモールドです。組み立て精度も申し分なくパテの使用は皆無です。エンジンも内蔵され、コクピットも多くのパーツで詳細に再現されています。プロポーションも1/72のキットとしてはベストでしょう。主翼の動翼と方向舵が別パーツで動きを表現できます。おまけ? でエンジン始動用のクランクパーツが付属するのがおもしろいところですね!
デカールは4機分入り、不要パーツがあるのでバリエーション展開は間違いなく、すでにE-3、E-1型がリリースされています。
■組み立て
コクピットからになります。若干接着位置が不安定なところと一部パーツをカットしなければならないところもありますが、ていねいに組み立てていけば問題ないでしょう。
計器盤とシートベルトにはデカールを用意。機首上面の機銃はカバーの開閉に合わせてそれぞれのパーツが用意されています。
このスケールとしてはかなりの出来の良いエンジンが付属しますが、エンジンを見せるかどうかにかかわらず、プロペラの取り付けの関係で取り付けておきます。
左右の胴体にエンジン、コクピット、尾輪を組み込んで仕上げます。主翼は上下を合わせ、ラジエーター、動翼を組めば簡単にできあがります。動翼は別パーツだし、前縁のスラットも別パーツなので、接着部分の合わせ目の処理は極少です。胴体と主翼の合いも抜群で、流し込み接着剤を使用すればなんの処理も必要ありません。
この後、尾翼を取り付ければ大まかな組み立ては終わり、塗装に備えます。プロペラ、主脚、キャノピーは別途組み立て塗装を済ませておき、最後に取り付けます。
出来がよいのでほとんど追加工作は要らないと思いますが、方向舵の作動ワイヤーのみ0.2mmのステンレス線で追加しました。
■塗装およびマーキング
箱絵の機体である塗装例Aを選びました。コクピットや空気取り入れ口など機体色が入っては困るところをマスキングしておきます。
まず、翼端の黄色の部分をRLM04(C113)で塗りマスキング。次に全体をガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ブラックで下塗りをしておきます。次に下面、側面をRLM65(C115)で塗り、マスキングしてから上面色を塗ります。上面はRLM02(C60)とRLM71(C17)の折れ線迷彩になります。
塗装が済んだらタミヤのスミ入れ塗料でスミ入れ・ウォッシングし、デカールを貼ります。データ類はかなり小さいものがあるので、充分注意して貼ります。乾燥後3/4ツヤ消しでオーバーコートし、小物パーツを取り付ければ完成です。
■最後に
このキットは本当によくできたキットなので、今回のE-4型の他にも、次回にはE-3かE-1型を作ってみたいですね。それにエンジンカバーを外してエンジンを見せたり、機銃カバーを外したり、フラップを下げたりと、いろんなシチュエーションを選べるのが楽しいですね!
スペシャルホビー 1/72スケール プラスチックキット
メッサーシュミット Bf109E-4
製作・文/山田昌行
メッサーシュミット Bf109E-4
●発売元/スペシャルホビー、販売元/ビーバーコーポレーション●2860円、発売中●1/72、約12.2cm●プラキット