Ma.K. in SF3D
両腕マニピュレーターの偵察機
2021.12.08
今回は8年ぶりの再販となったウェーブ製1/20ラクーンを特集!
偵察機器を装備した両腕マニピュレーターの非武装スーツであるラクーンは『SF3D』で1983年に登場して以来、根強い人気を誇るS.A.F.S.系バリエーション機だ。MAX渡辺は赤と青のツートンカラー&シルバーで塗装した3機を激作。ミリタリーテイストとはひと味違うポップな仕上がりとなった。MAX渡辺を唸らせた偵察機のベーシックな迷彩塗装を施した横山宏の作例も紹介する。2018年のS.A.F.S.以来、久々の通常販売となった1/20傭兵軍地上スーツの魅力を堪能してほしい。
S.A.F.S. type R ラクーン
●発売元/ウェーブ●3520円、発売中●1/20、約12cm●プラキット
傭兵軍 指揮偵察用装甲戦闘服 ラクーン 製作/MAX渡辺
■九十九里トライアスロン無事終了!
Tシャツ、短パンだとさすがに寒い、しかし過ごしやすい良い気候になりましたね♪
去る2021年10月31日(日)、2021年最後のレースに参加、無事完走することができました♪ 後半、冷たい雨が降り続く厳しいコンディションになりましたが、空元気の笑顔を絶やすことなくゴールテープが切れました♪♪ 気持ちよくレース終えられたので、マラソンシーズンも頑張っちゃおうかな!!
■楽々ラクーン♪♪
過去数度にわたって触ってるラクーン。茶系でまとめるのも良いなぁ、とかアレコレカラーリングを妄想、武装型もなぁとかプランを練っていたのです。でもですね、横山センセの作例とパッケージイラストがカッコ良過ぎて、コピーしたくなってしまったのですね。ネタとしてはアリなんだけどプライベートでやればいいよなって自らNGに。
さらに熟考再開。そして締め切りから逆算してタイムオーバーww ミリタリー方向であの作例を越えるカラースキームを思い付けなかったんですよ。そうなると模型芸人の得意技「出たとこ勝負発動」です! タイミング良く手に入ったベルテクス漢デカール4でピン! と閃きました!!
「ミリタリーから思いっきり離れてみよう」。
そしてこのデカールを軸にしてツートンで面白い色遊びを。ミリタリーから離れるならいつも『Ma.K.』では使わない青と赤でしょう! と割と即決。色味的には白をかなり入れて明るい色に。ギリギリピンクとスカイブルーって言われないくらいの明るさにしました。どうせ実験なので2色の塗り分けを反転させ、文字色も金と銀に。目立ちに目立ってまるで標的機のようでしょ♪ デカールの上から筆でちょいちょいと金銀を塗り足してより発色良く。
今回は虹色下地のシンMAX塗りではなく、サフ下地→シルバー→ベースグレーからの筆塗りです。これはこれで作例としては読者の皆さんに何らかのアイデア、ヒントを手渡せたのではないかと満足気な模型芸人ですよ。パイロットは敢えて同じ子を乗せました。双子って設定も面白くないですか?
ラクーンは成型色がシルバー♪ 良いですよねぇシルバー♥ チッピングして塗膜持ってかれても出てくるプラ地の色がシルバーとかサイコー♪♪ 思いついたってほどのことではないんですけど無塗装銀の機体を突然やりたくなってね。「スケールアヴィエーション」(大日本絵画刊)の銀翼特集の影響も濃厚ww 黒地からスーパーファインシルバーを全面に塗った後、各部位、パネルごとに色味を変えた銀を重ねてます。広い面はエアブラシ、小さな部位は筆塗りです。最近の銀塗料はホント凄まじく高性能なので塗ってて楽しいです♪ あっという間に出来ちゃったのでぜひお試しを♪♪(MAX渡辺)
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
傭兵軍 指揮偵察用装甲戦闘服 ラクーン
製作・文/MAX渡辺
協力/鈴木孝、堤啓介
傭兵軍 指揮偵察用装甲戦闘服 ラクーン 製作/横山宏
【武装型ラクーン レッドフォックス(現在製作中)】
ラクーンは1983年にオリジナルを作ったわけですからもう40年近く前のデザインなんですね。『SF3D』連載時はラクーンがS.A.F.S.と敵の整備シェルターに侵入する回で、今見ると暗い空気を感じますね。その頃のロボットアニメに登場するものは“兵器兵器”したものがなかったから、わしも担当編集者だった市村君も兵器のもつ恐ろしさと美しさを出そうとしてた。だから当時のアニメと比べて、毒を感じる暗い空気を『SF3D』に入れているんだよね。
8年ぶりに再販されたウェーブのこのキットはヘッドがふたつ入ってます。ヒール君原型の女性のヘッドはアン・ハサウェイにも少し似てて、彼の女性フィギュアの中でも特にいい感じです。我が家ではアン・ハサウェイではなく、ホランちゃんと呼んでますけど(笑)。この女性のヘッドは男性ヘッドに比べて少し小さいのでヘッドを入れたままハッチを閉じられるのがとてもいいね。
「横山宏Ma.K.モデリングブック2」(ホビージャパン刊)に8年前の完成品が載ってるけど、今回は腕のコードとアンテナの角度を変えています。コードは取り付け位置をもう一度見直して、ここから生えてたらいいなというところに変えました。アンテナの角度は後ろに下げるのもいいけど、横に張り出すのもいいかなと思って。実は1983年のオリジナルモデルも横に振ってるんですよ。
塗装はグリーングレー系の2色迷彩で塗ってみました。かなりカッコいい塗り方ができて、偵察機の迷彩塗装としてベーシックなものになりました。
買ってくれた人は知ってると思うけど、このキットは武装腕のパーツが入ってて、S.A.F.S.に組むこともできるし武装ラクーンに組むこともできる。2個買った人はもう1個を武装型にしてみるといいですよ。今回間に合わなかったけど、わしも武装ラクーンを作ってるのでこの文の上で紹介している【武装型ラクーン レッドフォックス(現在製作中)】の途中画像も見てちょうだい。ちなみに武装型ラクーンは「レッドフォックス」と命名しました。詳しいことは写真の解説見てね。
ウェーブ 1/20スケール プラスチックキット
傭兵軍 指揮偵察用装甲戦闘服 ラクーン
製作・文/横山宏
[Ma.K.in SF3D]EXPLANATIONS Vol.104
傭兵軍 指揮偵察用装甲戦闘服 ラクーン
文/KATOOO(レインボウエッグ)
ラクーンは『SF3D』HJ1983年10月号に登場した偵察用S.A.F.S.です。多種多様な無人偵察機を有するシュトラール軍と異なり、傭兵軍では一定の割合で偵察用スーツが配備されます。S.A.F.S.の左腕をマニピュレーター型に換装しI.R.シーカー、センサーポッド、放熱拡散防止エンジンカバーとエグゾーストサイレンサーを装備した非武装の指揮偵察型はReconnaissance(偵察)のRからRACCOONと名付けられました。偵察ユニットの装着でフォルムがS.A.F.S.と異なるのも魅力となっています。
初登場から約1年後の1984年9月に日東からラクーンのプラキットが発売。オリジナルモデルは所在不明で横山先生によると「日東に渡して金型を彫り始めた後に日東で火災があったから燃えちゃったんじゃないかな。偵察ユニットは約40年前に7万円近くしたポケール社の1/8ロールスロイス(現在絶版)のパーツから流用してたし、キットが出て本当によかったですよ」とのことです。
2013年にはウェーブから新設計の1/20ラクーンが発売。2021年10月に再販されました。オリジナルモデルや日東版キットはアーマー形状(肩、腰前方&側面、ひざ)がS.A.F.S.と異なるのですが、ウェーブ版は同形状になっています。以前、理由を横山先生に尋ねた際、「オリジナルはS.A.F.S.と形状を変えて日東のキットもそれに倣ったけど、実際の兵器だったら変えなくてもいい部分だから若気の至りだったんです。それでウェーブ版ラクーンの原型を脊戸君が作ってる時にS.A.F.S.と同じアーマーでいいよって言ったんですよ」と教えてくれました。2021年版付属の塗装カードに形状の異なるアーマーは初期型という設定が載っていますし、比較的容易なので改造してみるのもいいと思います。
今回では横山先生が製作中の武装ラクーン“レッドフォックス”も掲載されています。戦闘偵察型(Reconnaissance Fighter)の頭文字からRED FOXと命名(HJ1984年9月号のプラウラーの回から37年越し!)。RACCOON(アライグマ)とも呼応するネーミングセンスが最高です。完成品は赤い塗装になるのでしょうか? 今からとても楽しみです。
一般販売版シュトゥルムケーファーの中身を公開!
11月発売となった海洋堂1/35シュトゥルムケーファーの一般販売版の中身を公開しよう! 前回の「Ma.K. in SF3D」に掲載した土井眞一氏の完成品がパッケージとなり、成型色もフロッグスカイに変更されている。
ドーヤネン No.001 シュトゥルムケーファー
●発売元/海洋堂●6600円、発売中●1/35、全長約12cm(胴体)●プラキット
© Kow Yokoyama 2021