【MODEROID】初の「ファフナー・マークザイン」プラキットを製作!『蒼穹のファフナー THE BEYOND』【マイスター関田】
2021.11.30ファフナー・マークザイン【グッドスマイルカンパニー】 月刊ホビージャパン2022年1月号(11月25日発売)
後ハメ加工と塗装表現でキットの魅力をさらに引き出す
現在『THE BEYOND』第十話〜第十二話が劇場先行上映中の『蒼穹のファフナー』より、ファフナー・マークザインがMODEROIDで初のプラキット化。キットは極力パーツ数を抑えつつも、複雑な形状と関節機構を見事に再現。初にしてプラキットの決定版といえる仕上がりとなっている。作例は、キットの形状はそのままに、塗装の便を考慮した後ハメ加工とボディのパール塗装に注力。キットの魅力を最大限引き出している。
MOVIE
蒼穹のファフナー THE BEYOND
劇場先行上映中!
17年にわたるシリーズ最終章『THE BEYOND』の第十話「嵐、来りて」、第十一話「英雄、二人」、第十二話「蒼穹の彼方」が絶賛上映中。いよいよ最終決戦となる“第六次蒼穹作戦”へ挑む総士たちの運命は!?
「蒼穹のファフナー THE BEYOND」第十話〜第十二話
●2021年11月5日(金)より劇場先行上映開始
●2021年11月20日(土)より豪華先着入場者プレゼント第三弾実施中
●上映館はhttp://fafner-beyond.jp/theater/をご確認ください
青味がかったホワイトパールの塗装法
ドーモ、マイスター関田でございます。今回はMODEROIDシリーズで初のプラキット化を果たしたマークザイン。特徴的なデザインや映像を見るだけでは把握できなかった各部のディテールを楽しみながらの製作となりました。
製作にあたっては、表情豊かに造形された曲面部分を崩さないよう面構成に気を付けつつ基礎工作を進めていきました。また、エッジ部分をさらにシャープにすることで曲面とのメリハリが付けられるよう削り込んでいます。
一方でキット全体を見渡してみると各関節部の保持力を維持しつつ、組み立てやすいパーツ割りが優先されており、関節軸を挟み込む構造が多く取り入れられています。合わせ目を消しつつ塗装のしやすさを同時に考え、そのうえで見映えをよくするとなると、バラバラな状態で塗装できるようにすることが有効なので、可能な部分は塗装後に差し込める関節軸に置き換えました。
設定では「銀白色」となっている本体色に関しては、立体感を強調する狙いからコントラストを所々強めたグラデーションと、パールにクリアーホワイトを重ねる手法を選択しています。全体的なイメージを青味がかった白にしたかったので下地は青紫を選択。また、パールを下地に持ってきたのはパール層で、角度によって見え方に変化を生みつつ機体のイメージを露骨なパール状態にしたくなかったためです。重ねたクリアーホワイトとの組み合わせもあり、透明感を伴った狙い通りの仕上がりになりました。
ランスの銀色は粒子が大きくギラつきの強いシルバーに、粒子が細かい準メッキ調のシルバーを薄く重ねています。狙いはギラつきを強めつつ粒子感を抑えて、いかにも「シルバー塗料を塗った」ように見えるわざとらしい質感を避けることにあります。この手法は私の先輩プロモデラーでもある鋭之介・初代・日野さんが多用している表現ですが、各社の切磋琢磨もあり、今は本当に優秀なシルバー塗料が多くあり、この手法はまだまだ試せていない組み合わせが多くあります。今後も開拓していきたいですね。
完成後、特にランスを持たせると細身のわりにかなりボリューミーで満足感のあるキットです。他のファフナーのキット化にも期待したいですね。
グッドスマイルカンパニー プラスチックキット“MODEROID”
ファフナー・マークザイン
製作・文/マイスター関田
MODEROID ファフナー・マークザイン
●発売元/グッドスマイルカンパニー●5500円、発売中●約18cm●プラキット●原型/アストレイズ
ⒸXEBEC・FAFNER BEYOND PROJECT
マイスター関田(マイスターセキタ)
THE GUNDAM BASE TOKYOのガンプラマイスターとして活躍。パール&メタリック仕上げを得意とする塗装の伝道師。