地球防衛軍 ドレッドノート改級補給母艦 アスカの電飾を強化する【澤武慎一郎】
2021.11.19地球防衛軍 ドレッドノート改級補給母艦 アスカ【BANDAI SPIRITS 1/1000】 月刊ホビージャパン2021年12月号(10月25日発売)
外装のディテールアップと光ファイバーによる電飾強化をはかる
『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち』より、宇宙戦艦ヤマトを旗艦とする第65護衛隊の右翼を担う補給母艦アスカが、1/1000スケールでキット化。同スケールのドレッドノート級ドレッドノートをベースとしながらも船体甲板を大幅な新規パーツで再現。艦橋を光らせるLEDユニットに、水転写式デカールが付属するなど、発光ギミックと精密ディテールを併せ持つディスプレイモデルとなっている。作例はその魅力をさらに引き立てるべく、各部にオリジナルディテールを追加。船体を含む全身各所に光ファイバーによる電飾を施しての完成となった。
ドレッドノート改級補給母艦アスカ。艦名の通り、無人型ドレッドノート級に航空機甲板や格納庫を増設したものですが、補給母艦なので劇中でどんな運用をされるのか楽しみなところです。キットは合いも完璧でスパスパほいっと組み上がる精度は、さすがバンダイさん。ドレッドノートから新規に増設したとは思えないパーツのマッチングです。
全体にサフを吹いてシャープペンで下書きしながらディテールのデザインを考えます。下書きに沿ってタガネで彫り込んでいきます。今回はウェーブ0.15のタガネを使用。キットのモールドよりも少し細めなのでメリハリがつきます。適時テンプレートは0.3mmプラ板で自作し、左右対象になるように彫っていきます。しくじっても焦らずパテで修正し根気よく進めていきます。凸モールドは0.3mmプラ板を切り刻んだもので再現。ただの出っ張りもありますが、基本乗員の出入り口やエアロックと考え、必要と思えるところに施していくと説得力が出ます。
まず内部構造で、電飾工作に邪魔になりそうな桁や隔壁を可能な限り切り取ってスペースを確保。エンジンノズルはオレンジに光らせるのですが、数が多いのと1本が細いため、さかつうの1mmファイバーを用います。ここにはオレンジのLEDを2灯使用。ファイバーをまとめるのに、5mmないしは8mmのプラパイプが便利です。LED球を固定するのにもピッタリです。艦橋はキット付属のLEDユニットにハンダで配線を施し、そのまま使用。後部航空機甲板の管制室も、ここからクリアーランナーで導光して光らせます。窓自体は「型想い」を使い透明レジン化してあります。
船体各所に0.5mmファイバーを植えます。所によっては透明パイプを導光材にして光らせたりもしています。配線とファイバーがかなり多くなり、閉めるとき大変でした。ファイバーのテンションでパーツを押し上げてしまうので、洗濯バサミ等で押さえてセメントで接着し固定させてます。LEDを10灯ほど使用しているので絶縁工作は念入りに。航海舷灯はチップLEDを植えて赤・緑に光ります。
艦載機はまず脚を作り、翼端を削りシャープに。シリコーンで複製して総勢18機搭載しました。塗装が大変ですが、艦載機がたくさんいる空母は壮観です。最後に甲板左右の張り出しに、自作した着艦誘導灯を取り付けて完成です。これは筆者の考えた空想の産物で、決して公式設定ではありませんので誤解のなきようお願いいたします。
カラーレシピはアンドロメダグレー1にライトグレー30%+グランプリホワイト15%、オレンジはオレンジ+イエローFS13538+ダークイエローを60:30:10の割合で、赤はレッド+イエロー+黄土色+ブラックを85:10:0.5で混色。甲板等はグレーFS36081で塗装します。
BANDAI SPIRITS 1/1000スケール プラスチックキット
地球防衛軍 ドレッドノート改級補給母艦 アスカ
製作・文/澤武慎一郎
1/1000 地球防衛軍 ドレッドノート改級補給母艦 アスカ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン クリエイション部●6050円、10月30日予定●1/1000、約28cm●プラキット
© 西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会
澤武信一郎(サワタケシンイチロウ)
船やSFもの特撮ものを製作するマルチモデラー。電飾やディオラマも手掛けるなど幅広いテクニックと知識を持つ。