【『境界戦機』特集】CO-03BR バンイップ・ブーメラン をAFV風に製作【渡辺圭介】
2021.11.01現用戦車から想像する工作で“実在の兵器”らしく/CO-03BR バンイップ・ブーメラン タンクイメージVer.【BANDAI SPIRITS 1/72】 月刊ホビージャパン2021年12月号(10月25日発売)
現用戦車から想像する工作で“実在の兵器”らしく
ここでは、バンイップ・ブーメランを題材にしたAFV風の仕上げ方を提案しよう。元より『境界戦機』メカは現実の工業製品を意識したデザインがなされている。これに現用兵器をイメージした工作を追加することで、より“未来に実在する兵器”らしく仕上げることができるだろう。製作を担当したのは模型テクニックの引き出しが豊富な渡辺圭介。『境界戦機』模型全般に使えそうな工作が満載の作例となった。
POINT-1 装甲部表面を加工し質感を再現
POINT-2 剥げ表現で重厚さをアップ
POINT-3 現用戦車などを踏まえたパーツを追加
月刊ホビージャパン2021年12月号が発売されているころにはアニメも始まっている『境界戦機』から、バンイップ・ブーメランです。
今回は現実での運用等を考え、現用戦車と同じ系列の兵器というイメージで攻めてみました。設定では無人機で武装もあまりないことから、索敵やデータのやり取りがメインと妄想。アンテナ類を増設し、人がいないので工具箱やらカゴやらは要らない、戦車でよく見るフックはあってもよいか、などと考慮して製作しています。
■本体部分
あまり派手にならないようにサイズ感を注意しながら、マスキングしたところに接着剤を塗り、表面を溶かして溶接痕を付けました。しっかり貼ればマスキングテープで充分対応できます。
他に戦車によく見られるのは、上面の滑り止めでしょうか。必要な箇所以外をマスキングしてサフを塗装、乾く前にザラザラした粉状の物を撒きます(今回は鉄道模型等で使用するルーフィングサンドを使用しました。研磨剤の粉など荒さが選べるものもありますので、スケールに応じて選ぶといいと思います)。余分な粉を落として、その上からもう一度サフを吹いて定着させれば完成です。
また本体後方には、アンテナ基部などを追加。これらは適当なプラ材をそれらしく貼り付けました。
■胴体部分
センター部の合わせ目を消したいのでシリンダーを分割、接続ピンを追加して後ハメ化。また腰部にはリベットやフックを付けています。
■脚部
装甲裏側の肉抜きが見えるので、プラ板で塞ぎ見た目の厚みを出します。軸受け部分も補強をかねて、隙間埋めにプラ板貼り。本体同様に溶接跡や滑り止め、フックも付けてみました。
靴裏は少し傷を付けたり削ったりしています。またつま先立ち用補助パーツのダボ穴があるので、これを塞ぐパーツをプラ材で製作。着脱できるようにしています。
■銃器類
機関砲はスリットにプラ板を入れてかさ上げしフタをしました。
マズル部分は、スリットともに開口してやるといいですね。他に装甲の留め具を付けてみました。
■塗装
現用戦車をイメージしつつ、、元のグリーンからがらりと変えてイエロー系に振ってみました。エイブラムスとかメルカバとかそんな感じです。
本体黄=LP-30 ライトサンド
フレーム他黒=LP-60 NATOブラック
白=MSホワイト
フレームは下地にシルバーを塗ってから本塗装、軽くやすってエッジの剥げを出してから、さらにウェザリングをかけています。
本体は軽くシャドウを入れて、グレー、茶系でスミ入れ。フレームと素材が違うと考えて剥げはなしです。
仕上げに汚しと少しのチッピング、シェードをかけたりとしていますが、あまりやりすぎてきつくならないように色合いや濃さに注意しました。
最後にツヤ消しクリアーを吹いて完成です。
BANDAI SPIRITS 1/72スケール プラスチックキット “ハイグレード”
CO-03BR バンイップ・ブーメラン タンクイメージ Ver.
製作・文/渡辺圭介
©2021 SUNRISE BEYOND INC.
渡辺圭介(ワタナベケイスケ)
渋めの仕上げを得意とするベテラン。豊富なテクニックを持ち、レビューからスクラッチまで幅広く活躍。