あの強力な塗料がリニューアルして新登場
毎回工具&マテリアルをピックアップしてお届けする好評連載「月刊工具」。今回は「Vカラー」シリーズをピックアップ。ソフトビニール素材をはじめPVCやABSといった素材に適した塗料がリニューアルして新登場します。その性質を改めて検証、そしてこれから使用する人へ活用法をご紹介していきます。
070 Product_name V Color
解説/けんたろう、月刊工具スタッフ
実際に使用している動画もチェック!
「Vカラー」ってなに?
模型用(プラ用)塗料では塗ることのできない素材でも、しっかりと塗装できるのが「Vカラー」シリーズです。かつてガレージキットでソフトビニール製キットが多数発売されていたころ、この「Vカラー」はそれらのキットを塗る定番の塗料として長らく使用されてきました。そして今回ビンタイプに新色12色、缶スプレーに新色10色を加えそれぞれ計47色、計22色とパワーアップして登場します。
Vカラー
●発売元/ナガシマ、販売元/ハピネット・ホビーマーケティング●発売中●各495円(23ml、ビンタイプ)、各935円(100ml、スプレータイプ)
Vカラー専用シンナー
●発売元/ナガシマ、販売元/ハピネット・ホビーマーケティング●発売中●495円(100cc)、880円(200cc)、1430円(400cc)
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要チェック! 「Vカラー」塗料の性質と注意点
Vカラーは乾燥すると写真(左)のようにビニール素材のような膜になります。この膜が溶剤で溶かされた表面に結合、生成されることで伸縮に強い塗膜を作ります。逆に溶けない素材だと写真(中央)のように乾燥後、塗料だけはがれてしまうことがあります。また、プラキットのプラ素材などは溶剤をつけると簡単に溶けてしまうため向いていない素材もあります(右)。あらかじめ対象の材質を調べておきましょう。
使用できる素材:ソフトビニール、PVC、ABS、ポリカーボネート、FRPなど
使用できない素材:PS(プラキットの主な素材)、PE(ポリキャップなどの軟質素材)、PP、ゴムなど
実践① ソフトビニール製アイテムを塗装
実践② PVC・ABSキットを塗装
▲ホワイトとブライトレッドを調色して鮮やかなピンクを作ります。調色した色が乾燥してしまうと作りなおすのが難しいため、リターダーを多めに入れておきます。基本の塗装含め、リターダーは作業を快適にしてくれるアイテムです(ホワイト) (ブライトレッド)
▲ 調色した塗料でキットの白い部分を塗装していきます。1度塗った後、重ね塗りで塗り残しや隠蔽しきれていない部分もしっかりと塗装します
そのほか模型の異素材部分にも活用!
プラキット製品においても近年ではPVC製のパーツや特殊な表現のためにプラスチック以外の素材が使われることがあります。それらはもちろん、改造に使用する異素材のマテリアルなども鮮やかに塗装できるようになると製作の幅を広げることができます。
まとめ
使える素材も多く、とくに近年使われているPVCパーツのちょっとした塗装にも便利なアイテムです。PVC完成品の塗装もできますし、ソフトビニール製のキットを製作するときはメインの塗料になります。1本あるだけでもプラスチックとは異なる素材が出てきたときに何かと助かるでしょう。リターダーやサーフェイサーのように使える素材も増え、魅力が増したVカラー、ぜひ使ってみてください。
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