市街地ディオラマってどうやって作るの?
「置いて、覗いて、撮る」ための大阪風・体験型ディオラマ製作
瓦礫、看板、街路樹? 市街地ディオラマの“情報量”を操って思い通りの情景を作ろう!
本記事では、過日大阪で開催された「30 MINUTES LABEL FES. OSAKA」の会場展示用として製作した、市街地ディオラマの作り方を紹介する。来場者が自分の模型を自由に置き、覗き込み、撮影して楽しめる“体験型”のディオラマとしてハス寝るによって設計された本作。前回の前編に続き、後編となる今回は、瓦礫の作り方や半壊した建物の表現、看板の製作、街路樹、水面表現など、街並みにリアリティを加える仕上げ工程を解説していく。
▲前編で公開した、ディオラマの途中経過全景。このあとさらに全体的に汚れが追加されていたり、看板や瓦礫の量が調節されていたりと、細部がブラッシュアップされている
▲前回掲載したハス寝るによる作例をローアングルで、人の目線くらいの高さから撮影。高さもあるディオラマのため、非常に迫力のある写真が撮れる
▲高い位置から町全体を見わたすようなアングルもさまになる
▲高架下の、瓦礫などが散らばっている様子は砕いた石膏で再現している
情報量の多い瓦礫を作る
▲石膏と絵の具(黒)を混ぜ合わせ、透明フィルムの上にヘラで伸ばすように塗る。乾燥後に剥がせば薄いシート状の板になる
▲剥がした石膏を割ることでコンクリートやアスファルトの瓦礫ができる
▲木の瓦礫も作成。1mmの厚さのバルサ材にニスを塗って乾燥させる。バルサ材は簡単に割れるので、細かく割ってウェザリングマスターのステインブラウンとウェザリングペーストのマッドブラウンを混ぜたカップに入れて軽くかき混ぜる
▲完成した瓦礫を種類ごとに用意すれば、ディオラマに撒く際に任意の種類の瓦礫を混ぜ合わせて使用できる
▲ビルの内部に撒いた状態。リキテックスのマットメディウムを塗った場所に撒けばOK
▲同じく高速道路と道路に撒いて接着している様子。乾燥後、接着が弱いところがあればモーリンのスーパーフィックスを水で薄めて数滴垂らしてあげるとより強固に固まる
カスタマイズシーンベース〈市街地Ver.〉をかっこよく半壊させる!
▲ベースの上面が少し寂しいので、パウチ商品のキャップやプラ板を使ってディテールアップ
▲手前に配置するビルはダメージ表現を入れつつ窓を開口し、プラ棒で窓枠を作成
▲タミヤの情景テクスチャーペイント(路面ライトグレー)を筆で叩くように塗り、表面にテクスチャーを入れる
▲黒下地→グレー→ウェザリングを施し看板を設置した状態
看板はコンビニプリントで解決!
▲PCで作成した看板データをコンビニでシール印刷。裏に0.2mmのプラ板を貼り強度アップ
▲好みの大きさにカットし、ビルのキット付属の看板も含め複数準備
▲30MMのロゴは、キットの説明書や箱から移植
▲プリンター用の透明フィルムを上から貼り、裏紙を剥がして厚みをなくして使用
爪楊枝の先にドライフラワーを移植して街路樹を作ろう!
▲街路樹はオランダドライフラワーを使用。写真はドライフラワーそのまま
▲ドライフラワーをブラウンで塗装し、枝の先端に木工用ボンド+カラーパウダーで葉を表現
▲太い木がほしい場合は、爪楊枝とピンバイスを用意
▲爪楊枝の先に穴を開け、その穴の大きさのオランダドライフラワーを差し込んで接着
道頓堀の水面を作り込む!
▲川底は石膏と絵の具で濃い茶色に着色し、モーリンのスーパーフィックスを塗り、白砂(100円ショップの有機石灰)を撒いて川底にテクスチャーを付ける
▲クリアーブルーをエアブラシでまばらに吹くことで水深のばらつきを表現する。その後、レジン流し込み用に透明プラ板で枠を作成。わずかな隙間も無いようにしっかり固定する
▲エポキシクリアーレジンにクリアーブルーを数滴混ぜて先に水深が深いところに流し込み、硬化後に色を薄めに作ったエポキシクリアーレジンを流し込む
▲リキテックスのヘビージェルメディウムを筆で叩くように塗布する。時間経過で透明度が出る
▲ジェルメディウムとモーリンの水泡表現素材を混ぜ合わせ、水しぶきが上がりそうな場所に盛り付ける
▲エフェクトパーツにもジェルメディウムを塗布して水のリアル感を出す。乾燥後、水泡表現素材を盛り付けてさらに動きを出している
▲2026年3月31日発売予定のMOOK「MechR02」に掲載予定のこんくにによる作例を使って撮影。水中用の機体もさまになる
▶︎前回に続き
「30 MINUTES LABEL FES. OSAKA」展示用の特製ディオラマを製作しました。大阪での開催ということで、関西らしいにぎやかさと、来場者が自由に撮影を楽しめる“遊べる構成”を意識して仕上げてみました。50cm×50cmというサイズは複数機体の同時撮影にも向いているので、イベントならではの“にぎやかな画作り”を目指して製作しました!
▶︎瓦礫について
街中の戦闘跡を表現するうえで欠かせないのが瓦礫! まず、石膏と絵の具を混ぜたものを透明フィルムに薄く塗り、完全に乾燥させてから剥がして割ることで、基本となる瓦礫が作れます。ただし、この方法だけで1種類だけ作ると、どうしても画面が単調になってしまうので絵の具の量を変えて“黒っぽい瓦礫”“白っぽい瓦礫”“中間色の瓦礫”といった複数の色味を用意し、同じ工程で色違いの瓦礫を数種類製作。さらに、石膏を塗る厚みも変えておくと、割ったときに“薄い破片”“厚みのある破片”が混ざり、立体感が増します。
▶︎次回があるならぜひ現地で!
SNSではディオラマを楽しんでいただいている様子を拝見しましたが、せっかくなら現地に行きたかったです! 汚し塗装講座とかやりますので!(笑)
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大阪・市街地ディオラマ
ディオラマ製作・文/ハス寝る
©BANDAI SPIRITS 2019