ポーランド軍 7TP 単砲搭型&
C7P 重砲牽引車
2021.08.01
ポーランド軍 7TP 単砲塔型【IBGモデルズ 1/35】、C7P 重砲牽引車【ミラージュホビー 1/35】 月刊ホビージャパン2021年9月号(7月21日発売)
1928年に登場し、当時の主要各国の軽戦車開発に大きな影響を与えた、イギリス・ビッカース 6t戦車。今回青木周太郎による製作でご覧いただくのは、そんな6t戦車をベースにしたポーランドの軽戦車、7TPである。キットはIBGから発売された新作で、PZlnz.235エンジンをはじめとし車内も再現されたフルインテリアキットである。また、今回は軽戦車1台では寂しいという青木氏が、ポーランドのホビーメーカー、ミラージュホビーのC7Pも合わせて製作している。
今回の作例はIBGより発表された新製品、ポーランド7TP戦車を製作してみました。繊細なパーツをエッチングを使用し車体内部まで再現されているなかなかの意欲を感じるキットです。またC7Pはオールドモデラーの方々ならご存じだと思います。東欧の古いメーカー、ミラージュのキットです。7TP繋がりでせっかくの機会もあり併せて製作してみました。
7TPはイギリス、ビッカース6t戦車をポーランドPZIがライセンス生産を行い製造した軽戦車です。1934年より39年に製造され、重量9t、37mm砲、7.92mm機銃、32km/nの速度で走行でき機動性には優れた戦車です。
C7Pは1934年損傷車両の牽引のため設計された車両で、250両製造されました。220mm重榴弾砲、W32の牽引で使用するため、主に第1重砲兵連隊にて配属されました。
■製作
最近のIBGのキットは、ミニアートなみに細かく再現性も向上されつつあります。今後、T26系の車輌やビッカース系のバリエーションも増えていくことに期待を感じてしまいます。
箱組みの車体は最近のキットではディテール再現の上であたりまえになってきていますが、やはり慎重を要します。内部を再現されているキットは製作過程で塗装をせねばならないのが大変ですが、これもキットの醍醐味なので気力で製作していきます。
エンジンの再現性もなかなか良好に感じます。そこそこの配線を加えてそれらしく製作してみました。サスペンションは真鍮線を通し加工することで可動することが容易ですのでキャタピラをフリウルモデルに変えることにして、ディオラマにでもできるように製作してみました。ただし起動輪は歯車が合わなくてフリウルには転用できず、余分に所有していたミラージュの7TPのキットの物を使用して取り付けてあります。
OVMの固定用ネジが付くらしいのですが、特殊な形状のようでちょうどいいのが見つからず、手持ちのそれらしい物をチョイスして取り付けてあります。
C7Pは、前記の通りミラージュのキットをベースに以前購入しておいたAPMOという、やはりポーランドのガレージメーカーから発売されていたディテールキットを使用しています。このレジンキットなのですが、異常のごとく良好なキットで車体下部、車体内部、サスペンション、転輪、エッチングのフェンダー、すべて網羅されており、ここまでやるかというレジンキットでした。今になっては入手できないキットを使用することは筆者の終活の製作に付き合ってもらって読者の方々にも申し訳なく思いましたが使用してみました。IBGの新キットも内部再現キットなので流用パーツで古ハンのミラージュのキットをワンランク向上することもできるので、参考のつもりで見ていただけるとありがたいです。
■塗装
ベースにアクリル、デザートイエロー、フラットホワイト、フラットイエローの混色で塗装。少し明るめに仕上げたかったので、フラットグリーン、フラットホワイト、フラットイエローの混色、レットブラウン、フラットイエローの混色で迷彩を行いました。
IBGモデルズ 1/35スケール プラスチックキット
ポーランド軍 7TP 単砲塔型
ミラージュホビー 1/35スケール プラスチックキット
C7P 重砲牽引車
製作・文/青木周太郎
青木周太郎(アオキシュウタロウ)
単体作例から超大型ディオラマまで製作する、月刊ホビージャパンが誇るベテランAFVモデラーの一人。