交わることのなかった『ヤマト』との運命―江原正士(山南修役)×内田直哉(スカルダート役)対談【ヤマトよ永遠に REBEL 3199 】
2026.03.07 現在第五章「白熱の銀河大戦」が上映中&6月には第6章「碧い迷宮」の上映が予定されており、クライマックスに向けて加速する『ヤマトよ永遠に REBEL3199』より、山南修役の江原正士、スカルダート役の内田直哉による対談を実施!
同世代のベテラン声優2人は、現代の『ヤマト』をどう捉え、自身の役といかに向き合ったのか。吹き替えのフィールドでも活躍する2人ならではの、それぞれの演技論にも迫るインタビュー。
(聞き手:河合宏之)
交わることのなかった
『ヤマト』との運命
──『宇宙戦艦ヤマト』は1974年に放送がスタートして、今年で52年目になります。内田さん、江原さんのこれまでの役者としてのキャリアのなかで、どのような形で『宇宙戦艦ヤマト』に関わることがありましたか?
内田 実はこれまでの人生で、『宇宙戦艦ヤマト』と直接的な関わりはほとんどなかったんです。ただ、周辺には『ヤマト』に関わる人が多くて。たとえば20歳くらいのときに、中尾隆聖さんに連れられて、初めて神谷明さんの芝居を観に行ったことがありました。そのときのお相手が潘恵子さんだったんです。潘さんは僕と同じ大学の同級生で、その場で「『宇宙戦艦ヤマト』に参加しているんだ」という話を聞いた、という程度でしたね。
あとは、武道館で行われたイベントで、ささきいさおさんの代役として『宇宙戦艦ヤマト』と『真っ赤なスカーフ』を歌ったことがあるくらいでしょうか。古代守役の広川太一郎さんのラジオに遊びに行くこともよくありました。とにかく『ヤマト』の話を聞く機会は多かったのですが、当時は常に客観的に見ていた、という印象でした。
江原 僕はどちらかというと、実物の戦艦大和のほうに惹かれていました。僕が小学生のころ、中学生の友人に歴史の本をもらったのですが、そこに大和の乗員で生き残った方のエピソードが描かれていたんです。その方は高角砲の射手で、その戦闘の様子は、わずか数ページでも印象に残っています。つまり、大和といえば戦艦大和のほうがまず思い浮かびまして、そこから『宇宙戦艦ヤマト』という大和を題材にしたアニメ作品が始まる……というところで、情報は止まっていました。
僕も直哉ちゃんと一緒で、ガチガチの新劇(西欧の演劇の影響を受けたリアリズムや写実的な表現を意識した演劇)ですからね。そもそもアニメの仕事とは、「世界観が違っていた」というのが正直なところです。また、洋画やディズニー作品の吹き替えもやっていましたが、アニメとは求められるものが違うので、なかなか声優として呼ばれることもなかったですね。
──『宇宙戦艦ヤマト』といえば、古代進の物語です。古代といえば富山敬さんが思い浮かびますが、おふたりのなかで富山さんにはどんな印象をお持ちでしたか?
内田 僕は数回お会いしたぐらいです。吹き替えの現場でも、ご一緒したことはなかったと思います。とにかく良いお声だったのは覚えていますね。
江原 僕の場合、べったりでしたね。『バッグス・バニー(バッグス・バニーのぶっちぎりステージ)』というシリーズで、敬さんがバッグス・バニー、僕がダフィー・ダックで、亡くなる直前まで楽しく一緒に過ごせました。本当に真面目で素晴らしい先輩でした。後輩にはいっさいプレッシャーをかけず、僕はずいぶん甘えさせていただきました。
内田 富山敬さんじゃなきゃ出せない声でしたよね。『ヤマト』に限らず、あの時代にマッチしていた声だといえます。もうああいう役者さんは出ないでしょうね。振り返ってみると、「富山さんの声は時代に残っていく声だった」という印象が残っています。
──おふたりが担当するスカルダートと山南というキャラクターを演じるうえで、意識したことはございますか?
内田 福井(晴敏)先生の作品には、『機動戦士ガンダムUC』(オットー・ミタス)にも出演させていただきましたが、先生からは「今回はまったく真逆です」と。「今回は醜い生き物です。それが朗々と人を騙す演説をしてください」と依頼されました。「画に合わせることは気にせず、客席の観客を全部惹きつけるつもりでやってください」と説明されました。あとはもういっさい説明はなかったですね(笑)。
──スカルダートの魅力を引き出すうえで意識したことはございますか?
内田 ああいうキャラクターですからね。スカルダートの魅力ってなんだろうと、逆にちょっとお聞きしたいぐらいで(笑)。僕は細かく掘り下げて指示を受けるよりも、「好きなようにやってください」「とにかく演説で」というストレートな指示のほうがやりやすいんです。「あれやって、これやって」と言われてしまうと、ノッキングを起こしてしまうんですよ(笑)。逆に集中できたので、一発でOKでしたね。
──山南についてはいかがですか?
江原 山南は『3199』以前までは、ちょっと斜に構えたような人物でしたよね。でも『3199』では古代を支えるような、人間味が描かれてきたと思うんです。やっぱり古代の中に、何か自分の若いころを見ているような感じがするし、さらに後輩の彼らの意思をも含めて育てていこう、というふうに変わっていったのではないかと。ただ、気になるのがオペレーションDADですよね。藤堂長官との関係や作戦のなかで、山南がどういう立ち位置なのかがわかると、古代への接し方もちょっと変わってくるのではないかと。
──バックグラウンドがわかると、山南の深みも感じやすいですよね。
江原 個人的には、訓練校時代のエピソードも番外編で描いてほしいです。そこまで描いてくれると、山南へのイメージが広がりますよね。ただ「教官でした」と言われても、なかなか体に入ってこないんですよ。ぜひ山南の過去編を描いてほしいですね。
©西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会









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