【完全版】「PG UNLEASHED RX-93 νガンダム」発売後インタビュー! 設計担当者と企画担当者がキットの注目ポイントと完成&発売を迎えた思いを激白!!【ガンプラ45周年集大成】
2026.03.07BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン 設計担当 曽根大地×企画担当 稲吉太郎 インタビュー 月刊ホビージャパン2026年4月号(2月25日発売)
異素材を用いて表現した内部フレームのリアリティ
──メッキやメタリック成型などの特殊加工パーツ、金属パーツやリード線などさまざまな素材や質感を使用していますが、それらに関しては組み立ててみていかがでしたか?
稲吉 特殊素材系はこのサイズだからこそ映えますね。スラスターなどの金属パーツ、インジェクションにすると成型の都合上どうしてもかまぼこ形になってしまうケーブルなどの配線も、リード線を使っていることで、より見映えがよくなっています。
曽根 リード線や金属パーツなどの素材を使えば成型色にない色が使えるので、赤や青の色味の違いを補うことができるかなと。
──金属製のエッチングシールも随所に使われていて、それがよりメカニカルな感じを演出していますね。
稲吉 内部でチラ見えするんですよね。関節部のシリンダーもメッキパーツをあえて使っている部分です。メンテナンスハッチを開いた際に見えるよう、こういったところもしっかり組み込んでいます。
──フレーム自体にかなりの情報量が入っているので、外装を取り付けると隠れてしまうのがもったいないですね。
稲吉 これは隠れていることにこだわっているというのもポイントではありますね。フレームに関しては、組んでいる時にしっかり見ることができますし、メンテナンスハッチを開くと確認できる。一方で、メカニカルなディテールが外に見えすぎてしまうと下品な感じにもなってしまうので、「パッと見では見えないけど、中にはしっかりと組み込まれている」という美学を追求しているところでもあります。
──見えなくなる装甲の裏側までもビッシリとモールドが入っていますね。外装の裏側のモールドと内部フレームのモールドもしっかりとリンクしています。
稲吉 それこそが曽根クオリティです。
曽根 個人的にそういうのが好きなんです。デザイナーさんにもいろいろ協力をいただいて実現できたところでもあります。
稲吉 金型チームから聞いたのですが、あまりにもディテールが入り過ぎて、突き出しピンを入れる場所がなかったそうです。
曽根 そうですね(笑)。突き出しピンの位置などもどこに入れるか全部確認して、左右対称のパーツなら突き出しピンの位置も対称になるように入れてほしいと頼みました。
──ゲート位置もかなり目立たないように配置されていますね。
曽根 基本的にはアンダーゲートにしています。それが結果的に組み立てに時間がかかる理由でもあるのですが、ゲート処理だけでもかなりの物量になるので、なるべく目立たなくしたいと思っていまして。組んだ時にゲート跡はなるべくないほうがいいですし。
稲吉 そこのケアも曽根さんクオリティですね。
曽根 アンダーゲートにすると金型代などに跳ね返ってくるところもあるので、そうした突き詰めも高額商品じゃないとどうしてもできないんです。
──プロモーションに関しても伺いたいと思います。ガンプラ45周年の記念アイテムということで、発表から約1年かけて商品に関するプロモーションをされてきましたが、どのような形で手掛けられてきたのでしょうか?
プロモーション担当 PGU νガンダムの初公開となったのが、昨年2月の「GUNDAM NEXT FUTURE FINAL(以下、GNF)」の東京会場にて、ティザービジュアルをお見せしたのが始まりとなります。その後発売に向けては、5月の「静岡ホビーショー」、10月に東京で開催される「全日本模型ホビーショー」という大きな発表の場があることを踏まえ、それぞれどのような見せ方にしていくのかを検討するところからスタートしました。初期の2月から4月にかけては、全貌は見せずに輪郭や最低限の情報を出すというところからスタートし、5月の「静岡ホビーショー」に向けて特設サイトを開設し、その後PVを公開するということまでは決まっていましたので、そこでどのような落とし込みをするかをまずは気を使いました。これだけ情報量が多い機体なので、PVの尺も5分程度の長めのものを作り、どこを見せていくかというのを考える必要がありました。実際にプロモーション担当に決まった際も、情報量が多過ぎるのでどこから触れたらいいかというところに悩みましたね。
──初期の段階では、どこに重きを置かれたのでしょうか?
プロモーション担当 やはり「ここがすごい」というところをピックアップして優先的にまとめ、かつユーザーが喜んでくれそうなところを各媒体に合わせて落とし込むことに気を使いました。特設サイトにしても、各部の見せたいポイント、本商品では「アルティメットユニットシステム」や機構周りを中心にしつつ、段階的に少しずつ情報を出すように意識しました。
──だんだんと全貌が明らかになり、その最後となったのが「全日本模型ホビーショー」の展示だったわけですね。
プロモーション担当 そこがこれまで段階的に情報出しをしてきたPGU νガンダムの答え合わせの機会だと思っていました。私自身が商品をきちんと理解しながら、逆に言えばお客様と同じ情報量を持って一緒に進んでいるという気持ちで関わらせていただきました。機体の特徴であり、目玉のひとつであるフィン・ファンネルの展開などは、10月に初めて見ていただく場ですので、そこは情報的にはまさに集大成として用意していた形になります。その後も発売まで期間がありましたので、ギリギリまで素材を作り、お客様に伝えられていなかったポイントを最後の最後、手に取るところまで見ていただくことができたかなと思っております。
──実際の商品になって上手くいったと思うところや気に入っているところを教えてください。
曽根 やはり内部フレームのディテール感ですね。内部フレームは積層のように何重にも重なっている感じを出したいのですが、RGではサイズ的な制約があってグレーのフレームに外装を付けるという程度しかできないんです。でも、今回のνガンダムはサイズが大きいのでパーツを重ねることで凝った多層構造を作ることができました。見えなくなってしまうところも多いのですが、そのようにできているところが個人的には好きですね。
稲吉 本当にミルフィーユ構造になっていますね。
曽根 僕自身は、MG ボール Ver.Kaにすごく衝撃を受けたんです。それまでは内部フレームの成型色がグレー1色で構成されていてもそれに対して疑問はなかったんです。でも、あのキットの構成を見て説得力のすごさを感じて、徐々にその考え方を取り入れる形でMGEX ストライクフリーダムガンダムで表現したりしてきたのですが、今回それがある種の理想を実現する形で手掛けられたのはよかったです。あとは、やはりフィン・ファンネルですね。きちんと連結できてよかったです。
──以前のインタビューでも、フィン・ファンネルが上手く取り付けられるかが不安だと仰っていましたね。
曽根 νガンダムの特徴となる武器ですからね。重さでバラバラと落ちてしまったりしないかと不安でした。フィン・ファンネル自体に結構な重量があるのですが、普通に立たせて飾っておくぶんには安定するように仕上がったので、そこは苦労した甲斐がありました。調整を含めて一番時間をかけたところです。
稲吉 曽根さんだから実現できたところではありますね。フィン・ファンネル自体にもいろんな機能がありますし、ちゃんとνガンダム本体に沿わせるような動きもできるようになっています。取り付けた際に左右非対称になるので、バランスも難しい。フィン・ファンネル同士の取り付けも、連結部の穴を隠すシャッターをきちんと付けてもらいました。
曽根 大きいからこそできる機構ですよね。接続穴はサイズが大きいと目立つので、そこはちゃんと対応したいという部分でした。
ガンプラ50周年に向けた進化と技術継承への思い
──可動に関してもかなり作り込まれているんですよね。
稲吉 僕の希望として、かっこいいヒザ立ちを実現したいという思いがありました。そのために曽根さんがいろいろな機構を付けてくれたんです。腰の上面、腹部と接するフレームが直立時はロックしてあるのですが、ロックを外すと可動範囲が大きくなる機構が入っていて、独立して動くようになっているんです。
曽根 RGで可動範囲を広げたいと思った際に取り入れた機構なのですが、それをより細かく表現しています。ヒザ立ちは人間なら自然にできますが、ガンダムできちんとやろうとすると胸のボリュームや太モモとスネの長さの比率の問題でなかなか人体に近い形にはできない。結果、ロボットのポーズとしては見映えがあまりよくならないという悩みどころがありました。なので今回の商品では腰や股関節にいろいろなギミックを仕込んで、スネの長さに干渉されない構造になっています。あとは前傾した姿勢がより自然になるように、腰部パーツの天面がはね上がるようにしました。
──ヒザ立ちすると、隙間からフレームがより露出してメカっぽさが増しますね。このチラリズムがすごくかっこいいです。
稲吉 先ほどあえて隠したと言っていたフレームが、装甲が可動することで見えてくる美しさもあるかなと思っています。それもこの商品らしさとして楽しんでいただければと。
──ポーズに関してもサイズが大きいので保持力などの面も考慮しなければならないわけですからね。
曽根 最初に商品設計をした時には「足を浮かせるようなポーズはしないでほしい」と注意を書いたほどです。脚部だけでも重量があるので保持できないだろうと思っていました。
稲吉 それが成型品では可能になっています。そこも本当にすごいです。
曽根 長時間は推奨しませんが、おかげさまでしっかりとポージングを楽しんでもらえるようにはなりました。
──PGU νガンダムはさまざまなトライアルをされていますが、ガンプラ50周年に向けてどのような要素が継承されていくと思われますか?
稲吉 このνガンダムを送り出せたことで、BANDAI SPIRITSのものづくりのステージはさらに上がったと思っています。ガンプラ45周年の集大成商品ではありますが、もっと大きく盛り上がるであろう50周年が数年後に迫っているので、そこに向けてさらに進化させていかなければならないと思っております。νガンダムによって我々の存在感もアピールできましたが、その一方でさらに進化させなければならないというプレッシャーにもなりました。
曽根 これまでもPGで培った技術は、MGやHG、RGなど他の商品にフィードバックしていますし、現時点ではPGU νガンダムが技術的な「解」なのかなと思います。とはいえ、少し経つと「ここをこうすればよかった」という部分は出てくると思うので、それを他の商品にフィードバックし、技術を結集して、50周年に向かって取り入れていくのかなと思いますね。5年後にガンプラの技術がどうなっていて、どんな商品が出せるのかはまだ想像できないですね。
──本日はありがとうございました。
(1月下旬、BANDAI SPIRITSにて収録)
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