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日本海軍の水雷艇がリニューアルリリースされピットロードで揃い踏み! 「 鳩」「鴻」「真鶴」「初雁」を一挙に製作&キットレビュー!

2026.02.19

日本海軍水雷艇 鳩、鴻、真鶴、初雁【ピットロード 1/700】●田中伸治 月刊ホビージャパン2026年3月号(1月23日発売)

田中伸治製作「日本海軍水雷艇鳩鴻真鶴初雁」俯瞰

日本海軍水雷艇揃い踏み!

 1930年代の日本海軍は、ロンドン条約の範囲外となる小型駆逐艦“水雷艇” を計画、千鳥型と鴻型の計12隻を建造した。艦船モデルの老舗ピットロードではすでにこれらの水雷艇の1/700キットを発売済みだが、艦底などのオプションパーツを追加、さまざまな年代設定を楽しめる2隻入りキットとしてリニューアルリリース!

田中伸治製作「日本海軍水雷艇鳩鴻真鶴初雁」俯瞰橙
▲昭和初期の水雷艇は実質的には小型駆逐艦で、主砲や魚雷発射管は「初春」型駆逐艦と共通。しかし「千鳥」型は重量過大で復原性に問題が生じ、「鴻」型で全面的なデザイン見直しを余儀なくされた

鳩 HATO

田中伸治製作「日本海軍水雷艇鳩」
▲「鳩」は「鴻」型8番艦で昭和12(1937)年8月に東京石川島造船所で竣工、日中戦争や太平洋戦争に参加。昭和19(1944)年10月に米空母機の爆撃により戦没した

鴻 OHTORI

田中伸治製作「日本海軍水雷艇鴻」
▲ネームシップ「鴻」は昭和11(1936)年10月に舞鶴工廠にて竣工、日中戦争や太平洋戦争に参加。昭和19(1944)年6月にサイパン島沖で米空母機の爆撃を受け戦没
田中伸治製作「日本海軍水雷艇鴻」アップ
▲キットは洋上/フルハル選択式、1936年の竣工時から1944年の対空兵装増備時までの4種類の状態を製作可能

真鶴 MANAZURU

田中伸治製作「日本海軍水雷艇真鶴」
▲「真鶴」は「千鳥」型2番艦として昭和6(1931)年12月に藤永田造船所で竣工、日中戦争や太平洋戦争に参加。昭和20(1945)年3月に那覇で米空母機の爆撃で戦没
田中伸治製作「日本海軍水雷艇真鶴」アップ
▲リニューアル版は魚雷発射管パーツを半シールド付に変更。艦名デカールも同型艦全艦分をセットする

初雁 HATUKARI

田中伸治製作「日本海軍水雷艇初雁」
▲「初雁」は「千鳥」型4番艦で昭和9(1934)年7月に藤永田造船所にて竣工、日中戦争や太平洋戦争に参加。終戦時に所在していた香港で連合国に引き渡された
田中伸治製作「日本海軍水雷艇初雁」アップ
▲建造時から性能改善工事を施して竣工した「初雁」。キットには改善工事後のフルハル用の船底を新規追加

日本海軍水雷艇 千鳥型・鴻型について
 1930年(昭和5年)のロンドン軍縮条約において補助艦艇の保有量を制限することとなったため日本海軍は制限外の600トン以下の水上艦艇の拡充を図ることを目指しました。しかしながら小型の船体に駆逐艦並みの重武装を備えた千鳥型水雷艇は重武装の代償として復原性不足という問題点を内包することとなりました。1934年3月に3番艦の友鶴が荒天時に転覆事故(友鶴事件)を起こしたことにより千鳥型水雷艇には徹底的な復原性回復改善工事が行われ主砲の変更、魚雷発射管の減少、速力の低下、排水量の増加もあり平凡な性能の艦となりましたが、艦隊での運用については問題のない状態となりました。千鳥型の後継として計画されていた鴻型水雷艇は友鶴事件の影響により再設計を余儀なくされ、基準排水量840トン、12cm単装砲3基、53cm3連装発射管1基の小型駆逐艦となりました。鴻型水雷艇は全16隻の建造計画でありましたが9番艦以降がロンドン条約明けの完成となるため建造は打切りとなっています。大戦中は千鳥型・鴻型水雷艇はおもに船団護衛・対潜掃討等に従事しましたが多くが戦没し、千鳥型の「初雁」、鴻型の「雉」のみが終戦時残存しています。

千鳥型水雷艇の製作
 キットは2隻セットで今回は「真鶴」、「初雁」として製作しています。復原性改善後の船体は戦没まで大きな変化はなくキットのままで問題ないと思います。ただし当初の発売時から時間が経過しているため艦首部分に大きなヒケがあり修正が必要となります。またA25の船底をそのまま使用すると若干腰高となり性能改善後のイメージと異なるため0.3mmのプラ板に置換しています。
 艦橋の窓枠はエッチングパーツに置き換え、マストも0.3mm、0.2mmの真鍮線で作り直しています。艦橋基部については「初雁」以外は角型、「初雁」は丸形となっていますので「真鶴」は角型に修正しています。煙突はキットのままとし、ボートダビットについてはファインモールド ナノ・ドレッドのものを切り詰めて使用しています。艦載艇については6m内火艇、6mカッター、6m型通船となりますが内火艇・カッターはピットロードの日振型海防艦から、通船はピットロードの装備品セットより調達しています。
 主砲は「真鶴」、「初雁」ともにヤマシタホビーの睦月型駆逐艦より流用しています。「初雁」については睦月型の12cmG型砲から、「真鶴」は同キットに同梱されている天蓋なしの12cm砲を使用しています。簡易シールドの魚雷発射管はキットのまま使用しました。13mm単装機銃はナノ・ドレッドに交換しています。爆雷投射機はY型砲としエッチングパーツの爆雷装填台を配置しています。パラベーンについてはナノ・ドレッドのものを使用。2m測距儀はヤマシタホビーのものに一部伸ばしランナーにてディテールアップして使用しています。

鴻型水雷艇の製作について
 作例では鴻、鳩として製作しています。艦首の形状が実艦とやや異なる印象を受けましたので艦首先端部の下1/2を切り落としプラ板を接着し削り込んで形状を修正しています。キット外箱に印刷されている艦形図を参考にしました。千鳥型と同様に窓枠をエッチングパーツに置き換えます、煙突はキットのままで内火艇、カッターはヤマシタホビーの睦月型のものを使用しています。6m内火艇は幌が大きすぎるように感じたので幌部分を切り落とし幌無しの状態に仕上げました。
 12cm単装砲(M型砲)はヤマシタホビーの吹雪用12.7cm砲の砲身を移植しています。魚雷発射管についてはキットのものを使用しプラペーパーでディテールを付け加えています。3m測距儀はアオシマの「初春」のものを使用。「鴻」は40mm単装機銃としていますが鴻型の「鳩」は25mm連装機銃の装備が確認されていますのでナノ・ドレッドのものに置き替えしています。爆雷投射機・パラベーンについては千鳥型と同様の処理としています。

塗装について
 船体色については千鳥型はGSIクレオス Mr.カラーC602佐世保海軍工廠色、鴻型はMr.カラーC32軍艦色(2)、ノリウム部分はMr.カラーC606を使用しています。

ピットロード 1/700 スケール プラスチックキット

日本海軍水雷艇 鳩
日本海軍水雷艇 鴻
日本海軍水雷艇 真鶴
日本海軍水雷艇 初雁

製作・文/田中伸治

日本海軍 水雷艇 鴻(2隻入り)
日本海軍 水雷艇 千鳥(2隻入り)
●発売元/ピットロード●各2860円、発売中●1/700、約12.6cm●プラキット


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田中伸治(タナカシンジ)

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