超絶ディテールに酔いしれる
不屈の対地攻撃機
昨年発売の1/48キットに続き、グレートウォールホビーから完全新金型の1/72スケールA-10CサンダーボルトIIが登場。アメリカ空軍で幾度も退役を予定されながらも実戦での戦果で覆してきた対地攻撃機、そのホンモノの迫力を忠実に再現した傑作キットだ。超絶3Dプリントパーツを追加した至高のモデリングで仕上げる!
A-1OC THUNDERBOLT II
■キットについて
まずこのキットですが、1/72スケールとは思えないほど機体表面のディテールが緻密に再現されています。パネルラインは繊細な凹モールドで、そしてA-10の武骨さを象徴するリベットは、凸モールドでびっしりと表現されています。この凹凸のモールドが混在することで生まれる情報量は、塗装とウェザリングを経ることで、圧倒的なリアリティを生み出します。
さらに設計の妙を感じるのがパーツ分割です。機体パーツの胴体上面、胴体下面左右に生じる機体と主翼の主要な合わせ目は、そのほとんどが実機のパネルラインと同様の位置でパーツ分割されています。ですのでていねいにすり合わせを行い、流し込み接着剤を多用することで、せっかくの繊細な凸リベットを削り取ってしまう心配がほとんどありません。こういったパーツ分割は最近の新キットではトレンドとなっていますがグレートウォールホビーのキットでも配慮が行き届いています。
他にもフォーメーションライトやAOAプローブなどをシャープに再現できるエッチングパーツや、尻もちを防止するための専用設計の金属製オモリまで最初から付属しており、これがピタリと収まる設計になっているのも嬉しいポイントです。タイヤにはグッドイヤーのロゴまで彫刻されているのはこまかいながらも嬉しいポイントではないでしょうか。
■3Dプリント品の使用
今回はさらにモデリンクというメーカーの3Dプリントパーツを多数使用しました。
まずコクピットには、イジェクションシートとパイロットフィギュアが一体成型されたパーツを使用します。これをていねいに塗り分け、組み込むことで無機質な機体にかなりの表情が生まれます。
またエンジンですが、キットのエンジンファンブレードは、奥まったパーツにフィンがモールドされているのみですが、モデリンク製のパーツは、ファンブレードが1枚1枚薄く精密に成型されています。さらに、エンジンのインテーク部分もセットになっており、ファンブレードを塗装後に組み込める、塗り分けにも配慮したパーツ分割となっています。このパーツに交換するだけで、機体の精密感がかなり向上します。
■迷彩塗装と仕上げの工程
組み立てが完了したら塗装に入ります。まずはコクピットや脚収納庫、エンジンのインテーク内部など機体を組み込む前に塗装している部分をマスキングします。次に、機体全体をGSIクレオスのMr.カラーGX2「ウイノーブラック」で塗装し、下地を整えると同時に、表面の最終チェックを行います。もし傷があるようでしたらこの段階で1000番~6000番のヤスリで表面処理を行い、表面を整えます。
続いてMr.カラーC308を機体全体に吹き付けます。乾燥後、組立説明書の指示に従ってマスキングを行い、Mr.カラー C307を塗装します。今回は、1/72スケールを考慮し、迷彩の境界はぼかさずにマスキングテープでパリッとしたシャープな境界線に仕上げました。
塗装が完了したらMr.ウェザリングカラーのマルチブラックで全体をウォッシングし、凸リベットやパネルラインを強調させます。一度グロスクリアーでコートし、デカールを貼付。再度グロスクリアーでデカールを保護した後、最後に塗装したモデリンク製のパイロットフィギュアをコックピットに収め、機首のガトリング砲(同じくモデリンク製)を取り付けます。
■最後に
このキットのもうひとつの楽しみが、その豊富な武装パーツです。対地攻撃機であるA-10の魅力を余すところなく再現できるよう、多種多様なミサイルや爆弾、ポッド類がぎっしりと付属しています。どの兵装パターンで仕上げるか、組立説明書の資料とにらめっこしながら選ぶ時間もまた格別です。ネオジム磁石を組み込んで完成後も兵装を交換できるようにしても楽しいかもしれません。
今回はグレートウォールホビーの傑作キットが持つ素性の良さと、モデリンク製の3Dパーツが持つ超絶ディテール。そのふたつが融合することで、至高のA-10Cを製作することができました。
グレートウォールホビー 1/72 スケール プラスチックキット
A-10C サンダーボルトII
製作・文/ハルサー
A-10CサンダーボルトII
●発売元/グレートウォールホビー、販売元/ピットロード●7920円、発売中●1/72、約22.5cm●プラキット
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