HOME記事工具・マテリアルパワー切り替えで“薄刃”も使える! 超音波カッター「ZO-40レジンⅡ」を試す!!

パワー切り替えで“薄刃”も使える! 超音波カッター「ZO-40レジンⅡ」を試す!!

2025.12.27

プロモデラー「ノモケン」が教える工具、マテリアルの使い方!! 【超音波カッターZO-40レジンII/エコーテック】

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「薄刃+Low」でのプラ切断

 「ZO-40レジンⅡ」の「Low」モードと別売の「薄刃」を使って、プラパーツを切断。使い勝手や“溶け”の具合を比較してみます。

▲標準刃と固定具を、それぞれ薄刃用に交換。ぐらつきが無いようビスもしっかりと固定します。六角レンチは本体に付属しています
▲標準刃の0.4mm厚に対して、薄刃は0.15mmと極薄です。曲げてしまわないよう注意して扱います

①ゲートカットで比較

▲「Low」と薄刃でゲートを切断したところ。刃の入りがよく瞬間的に切断でき、切り口の歪みも極わずかに抑えられています

▲同じ切断を「標準刃+Normal」、「標準刃+Low」でも行い比較しました。それぞれ切り口の“溶け”が多めになっているのが分かります。刃が厚いことで溶けた分が周囲に広がっているようです

②プラ板で比較

▲続いてはプラ板(0.5mm厚)を切り込みした比較。ゲートの場合よりも切り込む時間が長く、刃と切断面の接触時間が長くなるので、「薄刃+Low」でもフチに溶けが見られます。「標準刃+Low」「標準刃+Normal」ではさらに歪みが多めとなっています

③くり抜きで比較

▲パーツ面の切り抜きでの比較(厚みは1.7mm)。より刃面が接する時間や切り込みが多くなるので、それぞれの溶け具合も多めに出ています。板厚があるので刃の動きに樹脂が引っ張られる分、歪みが大きくでています。「薄刃+Low」では歪みが少なく、切り口の整形が少なく済むのが確認できます


「薄長刃」での切断

 薄刃で長刃な「薄長刃」。長めの刃と縦方向に刃があることで活用の幅が広がります。その使用例を見ていきましょう。

▲薄長刃は厚み0.15mm、固定具に入った面を除く刃幅は14mmとなります

▲刃長を活かしてプラパイプを切断してみます。刃の入りが良くスパッと切れ、切り口の歪みも少ない状態。パイプ材に力が掛かっていないので、潰れたりしないところも超音波カッターでのメリットです

▲プラパイプカットの様子を動画で確認してみましょう
※音が出ます
▲薄長刃の使い勝手はカッターナイフに近いものになります。標準刃よりも広めに切削できるので、広めに面を整えたい切削にも向いています。例はエポキシパテの面を削いでいます
▲3Dプリントパーツのサポートが林立したところに使ってみました。刃の長さや向きはこうした切断にも便利です。なお、長刃は標準の固定具で0.4mm厚のタイプも販売されています

今回のまとめ

 超音波カッターはその刃で切れる対象の切断を「さらにスムーズに行える」といった機器です。他の道具で切れないわけでは無いけれど、難しい切断が簡単にすんだり、周囲に影響を与えずに行えたりするわけです。「ZO-40レジンⅡ」では特にプラモ工作で助かるモードが加わり、そのメリットも記事中のように明らかです。プラモを中心とした工作からさらに範囲が広がっても対応できるモデルなので、模型や工作を続けるひとにはオススメできます。しかし、誤った使い方をすると危険なところもあります。安全のための警告や注意を把握した上で使ってください。


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解説・文/野本憲一

 多くのユーザーから愛される模型製作ガイド「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」の著者・プロモデラー。当連載『いまさら聞けないプラモデルの基礎』では、令和最新版“プラモデル製作の基礎”を解説します。現在では数多くの選択肢があるプラモデル製作の道具やテクニック。「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもなぁ…」と思うものもあるはず。そんな“ギモン”を改めて学んでみましょう。


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