【書籍発売記念連載】アメリカ海兵隊の新たな部隊「海兵沿岸連隊(MLR)」の注目装備を解説!「イラストでまなぶ!用兵思想入門 現代アメリカ海兵隊の戦い方編」【第2回】
2025.12.19現代アメリカ海兵隊の戦い方
前方展開する沿岸部隊を経空脅威から守る
MADISとMRICとは
ホビージャパンの書籍「イラストでまなぶ!用兵思想入門 現代アメリカ海兵隊の戦い方編」発売を記念し、著者の田村尚也氏が大変革の進むアメリカ海兵隊の新たな部隊「海兵沿岸連隊(MLR)」の注目装備を解説していく。第2回では近距離用の防空システム「MADIS」と、中距離用の防空システム「MRIC」についてピックアップする。
前回はコチラ!
文/田村尚也
写真/U.S.Marines/DVIDS(https://www.dvidshub.net/)
写真解説/ホビージャパン編集部
イラスト/しづみつるぎ
海兵隊の大変革
近年の世界的な安全保障環境の変化の中、アメリカ海兵隊は、戦車部隊を全廃し、砲兵部隊(通常の火砲を装備)を削減。その一方でロケット砲兵部隊や無人機部隊を増強し、さらに歩兵部隊に加えて対艦ミサイル部隊や防空部隊、兵站部隊などを擁する海兵沿岸連隊(Marine Littoral Regiment、略してMLR)を新編。遠征前方基地作戦(Expeditionary Advanced Based Operations、略してEABO)と呼ばれる新しいドクトリンを採用するなど、大規模な変革を進めている。
このシリーズ記事では、その新編部隊である海兵沿岸連隊(MLR)のおもな装備を見ていこう。第1回のNMESIS(ネメシス)に続いて、今回はMADIS(マディス)とMRICだ。
MADISの概要
MADISとは、Marine Air Defense Integrated System(海兵防空統合システム)の略で、近距離用の防空システムだ。
4輪駆動の多用途車両である統合軽戦術車両(Joint Light Tactical Vehicle略してJLTV)に、当初は肩撃ち式の携行地対空ミサイル「スティンガー」を車載型とした4連装発射機や30mm機関砲を搭載したMADIS Mk.1と、レーダーや指揮統制システムに加えて6銃身の7.62mmミニガンなどを搭載したMADIS Mk.2の2車種の開発が進められていた。
その後、JLTVに30mm機関砲と同軸の7.62mm機関銃を備えた無人の遠隔操作式武器架(リモート・ウェポン・ステーション略してRWS)を搭載して、スティンガーの2連装発射機などを組み合わせたMADIS Mk.1と、レーダーや指揮統制システムなどを組み合わせたMADIS Mk.2の2車種を中核として、配備が進められつつある。このRWSは、ノルウェーのノルウェーのコングスベルグ社が開発したRS6と呼ばれるもので、現在はアメリカ東部ペンシルベニア州にあるコングスベルグ・プロテック・システムズUSA社に生産が移管されている。
JLTVは、日本でも比較的知られているハンヴィー(HMMWV)の後継の野戦車として開発が始められた車両で、陸軍でも広く配備されている。路外走行能力も高く、多くの装甲戦闘車両よりも軽量小型で輸送も楽だ。前回解説したNMESISも同じ車台をベースにしており、部品や整備に関する教育などを共通化できるので、交換部品の補給や整備員の教育などの負担をそれだけ軽減できる。
MADIS Mk.1
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田村尚也(たむら なおや)
ミリタリーライター。著書に「用兵思想史入門」(作品社 刊)、「萌えよ戦車学校」シリーズ(イカロス出版 刊)、「イラストでまなぶ!用兵思想入門」シリーズ(ホビージャパン 刊)などがある。『魔法少女特殊戦あすか』、『ガールズ&パンツァー 劇場版』『ガールズ&パンツァー 最終章』などコミック・アニメ作品の軍事監修なども手掛ける。





















