HOME記事キャラクターモデルらいだ〜Joeお得意の“スポンジ塗装”と筆塗りで重厚ながらも緩急ある質感に。プラキット「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」もお気楽塗装で楽しむ【BUILD ART MASTERLINE】

らいだ〜Joeお得意の“スポンジ塗装”と筆塗りで重厚ながらも緩急ある質感に。プラキット「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」もお気楽塗装で楽しむ【BUILD ART MASTERLINE】

2025.12.19

ベルセルク ガッツ狂戦士の甲冑“怒り”【プライム1スタジオ】 ●須藤洋介、林哲平、清水圭、らいだ~Joe 月刊ホビージャパン2026年1月号(11月25日発売)

スポンジ塗装で刻む、戦いの質感表現

 世界を魅了し続けるスタチューメーカー・プライム1スタジオが送り出す新プラキットブランド「BUILD ART MASTERLINE(ビルドアート マスターライン)」。圧倒的なスタチューの造形美がそのまま再現された本シリーズ第1弾「ガッツ 狂戦士の甲冑 “怒り”」は、塗装しなくてもその造形美を堪能できる完成度を誇る。ただ、模型好きなら言うまでもないが、非可動プラキットのひとつの醍醐味といえば“塗装”だ。
 今回は、清水圭、らいだ~Joe、林哲平、そしてプライム1スタジオ公式ペインターの4人が自由な発想で表現した作例をHow to形式で解説。それぞれの塗装プロセスもお届け。本キットの発売は少し先になるが、新たな塗装表現のヒントをぜひ自身の製作に活かしてほしい。
 ホビージャパンウェブでは「月刊ホビージャパン2026年1月号」にて紹介しきれなかった製作者コメントや画像を増補して、作例ごとに記事を公開。本記事ではらいだ~Joe氏の作例をお届けする。

らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルのメイン画像

 スポンジを用いたメイン塗装で、メタリック感と戦闘による汚れを強調。そこに鮮やかな赤味も入ることで、重厚でありながらも緩急のついた独自の質感に仕上げている。

プライム1スタジオ ノンスケール プラスチックキット “BUILD ART MASTERLINE”

ガッツ狂戦士の甲冑 “怒り”

製作・文/らいだ〜Joe


らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの全体画像
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの全体画像その2
▲ 黒を基調にしつつも、装甲には青や鮮やかな赤を差し込み、複数の高彩度カラーを巧みに共存させている。細部の汚しも統一感を高めている要因のひとつだ
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルのパーツの画像
▲ 大剣の「ドラゴンころし」に入ったスポンジスタンピングによる粒状の質感は絶妙な塩梅。腕部はネオジム磁石で着脱可能とし、3種の差し替えポーズにも対応。外した腕は塗装の試し塗りにも最適だ
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルのアップ画像その1
▲ 装甲の内側から染み出すような血の表現。青味を帯びた装甲に鮮やかな赤が映え、彩度の高い対比が強烈な存在感を生む
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルのアップ画像その2
▲ 台座内部にLEDを仕込んでおり、クリアーパーツを通して淡く光が広がる

メインカラーの塗装

らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その1
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その2

▲ 下地はガイアノーツのサーフェイサーエヴォスプレー ブラックを使用。風通しのよいところでじっくり乾燥させる。らいだ〜Joeは自宅のベランダに乾燥ブースを設けている

塗料の画像

▲ メインカラーはプリズムブルーブラックで塗装。使用したのは自作の吹き付けツールで、塗料のフタに穴を開け、切断したイージーペインターのボトルをエポパテで強引に装着したもの。改造は自己責任だが、一気に塗装がお手軽になるテクニックだ

らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その3
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その4
▲ ウェザリングの工程として、ほんの少し希釈したアクリルガッシュ バーントアンバーを凹モールドに大胆に塗ったあと、大まかにティッシュで拭き取る
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その5
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その6
▲ 仕上げに、らいだ〜Joe監修のアクリルガッシュ 焼黒銀をエッジに軽くスポンジポンポン。明るくなり過ぎた箇所は、ウェザリングマスター Dセットの青焼けを擦って少しトーンを下げる

細分のお気楽塗装表現

らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その7
▲ ガッツから吹き出る鮮血や返り血はアクリルガッシュで表現。返り血は酸化して黒ずんでいる想定で、葡萄酒色と臙脂色をメインに使用し、鮮血はパーマネントとスカーレットを使用した
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その8
▲ フィギュア塗装の経験がない人にとって、精密に造形された頭部へ筆を入れるのは一見ハードルが高く思えるかもしれない。だが、完成度の高い造形ほどモールドがはっきりしていて実は塗りやすい。らいだ〜Joeのオススメはアクリルガッシュ。塗り絵のように色を重ねていくだけで、自然と立体感が生まれ、美しく仕上がる
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その9
▲ 「ドラゴンころし」には細筆で返り血を描き込み、さらにスポンジポンポンで葡萄酒色・臙脂色・パーマネントレッドをランダムに重ねている。偶然のにじみや重なりを上手く活かそう
らいだ〜Joe製作のガッツのプラモデルの製作画像その10
▲ マントには砂ボコリや返り血を加え、使い込まれた質感を演出。返り血は葡萄酒色を主体に塗り、ティッシュ等で拭き取る作業を繰り返し、布地に染み込むような生々しい表情を生み出した

台座の塗装下地にひと工夫

▲ 台座の下地はなんとパーマネントグリーンで塗装。らいだ~Joeは高校時代に美術教師から『人物の肌色を発色させるには緑を下地に。皮膚の下には静脈があり決して赤色ではない』という指導を受けたという
▲ 緑の下地の上から、砥の粉色・棕櫚色・蒸栗色と重ねて、はち切れそうな肉塊を演出していく
▲ 血液表現は狂戦士の甲冑と同様にアクリルガッシュで表現

さまざまな質感の表現
 もう涙無しでは語れないですよね……。まさか自分が三浦先生のベルセルクの、しかも狂戦士の甲冑の作例に携われるとは……。感謝感激雨霰です♪ 今回のキットはコンパチで三種類のポージングを選べるということで、四人のモデラーによる共演とのこと。筆塗りで渋くキメてくるのかなぁ~?またビックリするような手法で攻めてくるのかなぁ~? でも、僕はやっぱりスポンジポンポンで汚さないとですよね。キットの超絶ディテールを活かしつつ、無機質な甲冑と有機質なガッツ、そして使徒の生体感をどう共演させるか? をテーマに塗り進めました。

プリズムブルーブラックを使いたい!
 エアブラシを使わない僕は、ガイアノーツのすごい塗料の数々を自作のアタッチメントに装着し、イージーペインターで塗装しています(メーカー推奨ではないので自己責任で……)。瓶にうすめ液を口いっぱいまで流し込み希釈。大体1:0.3くらいでしょうか。イージーペインターでの塗装の場合、希釈はちょっと濃いめのほうがキレイに塗装できるのが不思議ですね。

塗装の表現は無限大
 メインカラーのプリズムブルーブラックを塗ったら、アクリルガッシュ各種を駆使しスミ入れとフィルタリング。エッジ部分には僕が監修させていただいたアクリルガッシュの焼黒銀をスポンジでポンポンし、ディテールの立体感をさらに強調していきます。
 ガッツは身体と甲冑の質感の違いを出すため、身体はGSIクレオスの水性ホビーカラー ミッドナイトブルーにプレミアムトップコート つや消しで塗装し、ターナー アクリルガッシュ 砥の粉色で砂ボコリを演出しました。血液表現にもこだわり、ガッツの身体から吹き出す鮮血と酸化した使徒の返り血など、計5色の赤を駆使しました。でも、一番気合が入ったのは台座の使徒。所々にターナー U-35 グロスバーニッシュでツヤを加味し、今まさに切られて流れ出る血液・内臓をイメージしてみました。
 今回は汚れや血しぶきを中心に表現しましたが、この超絶ディテールモデルを劇画タッチで表現したり、ピッカピカに輝く甲冑を前面に出すのも楽しそう……。固定モデルだからこそ、製作者の数だけ無限の表現方法で楽しめるキットですね♪

▲ 山に捨てられネコだった新入兄妹ネコの海くんと凪ちゃんは、キットに興味津々……。作業中も何度もパーツを盗んで持っていってしまう……。もう、大人ネコの凛さまと雪くんは知らん顔なのですが

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©三浦建太郎(スタジオ我画)/白泉社

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