『86—エイティシックス—』VLADILENA MILIZÉ
2021.05.04レーナ【BANDAI SPIRITS】 月刊ホビージャパン2021年6月号(4月24日発売)
エリート軍人の憂鬱
サンマグノリア共和国軍エイティシックス指揮管制官<ハンドラー>のレーナ(ヴラディレーナ・ミリーゼ)がFigure-rise Standardにラインナップ。キットはパーツ選択による帽子の着脱や3種の表情パーツなど、さまざまなシチュエーションを楽しめる仕様となっている。DAISANによる作例は髪の毛や制服がより繊細な造形になるように手を加え、共和国内の歩道をイメージしたディスプレイベースを追加で製作。平和とされる街中を歩きながら何かを想うレーナの心象を表現してみた。
瞳の塗装工程
キットの瞳はテトロンシールで再現。表情パーツ3種につき、眉毛あり・なしで左向き・正面向き・右向きの計18種が付属する。作例は右向き、左向きを3種、計6個を塗装で再現しているので、その工程を解説しよう。(解説/DAISAN)
■今春期待大なアニメ
この号が発売される頃にはすでに数話放送されてると思いますが、ひさびさの大人のメカアニメ『86—エイティシックス—」。僕はこの手のジャンルのアニメが大好物でして♪ この原稿を書いてる時期はまだPVでしか映像を確認できませんが、それらの情報から見えることを捉えてキット+αを製作してみました。
■工作したところ
まずは後ろ髪裏側の合わせ目に中粘度の瞬間接着剤を流し込んで処理します。髪の毛前後ともに先端は金型の抜きの関係でプラスチックっぽさが出ているのでシャープ化していきますが、かなり柔らかい素材かつ髪の毛という部分で切削作業はだいぶ骨が折れます。目の細かい400番以上のペーパーだと一向に削れる気がしないので、240番→320番→600番と水砥ぎでシャープ化しました。前髪の各先端にも余分な「ヒレ」が存在してるので除去していきます。この際フェイスパーツを装着した状態で作業すると先端折れ防止になります。
胸部は後ハメ化が困難なので両サイドの合わせ目処理は諦めました。スカート両サイドは流し込み接着剤で合わせ目を処理。スカート裾の厚みが気になるので薄く見えるよう裏側を削り込みました。
腕部および脚部はストレート組みで、上腕と太モモの合わせ目は流し込み接着剤で処理。太モモ下部は塗り分けが必要なのでマスキングしやすいように極細のスジ彫りを入れました。前腕およびヒザ関節上下は一体成型でバンダイの成型技術は相変わらず凄いなと♪
プラ板と角棒と市販されている「パターンシート」を使いPVを参考に石畳の地面にレンガの壁という台座を自作してみました。基本工作は以上となります。
■塗装レシピ
肌=クールホワイト+オレンジ(少量)
髪の毛=クールホワイト+ライトブルー+パープル
制服紺=ティターンズブルー2+クールホワイト
金=スーパーゴールド2
腕章・胸・スカート・脚の白は成型色を活かしています。瞳部分はエナメル塗料で筆塗りしました。3種類の左右目線でフェイスパーツは計6個…気合と根性の瞳塗装でした…(汗)。
BANDAI SPIRITS プラスチックキット“Figure-rise Standard”
レーナ
製作・文/DAISAN
Figure-rise Standard レーナ
●発売元/BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン●3630円、発売中●約16cm●プラキット
©2020 安里アサト/KADOKAWA/Project-86
DAISAN(ダイサン)
鹿児島在住の中堅モデラー。硬軟を使い分ける造形技術と柔らかな塗装表現でメカとキャラクターモデルどちらも造詣が深い。