小さなRが使いやすい! HGマイクロスクレーパーを試す!!
2025.11.29
プロモデラー「ノモケン」が教える工具、マテリアルの使い方!! 【HGマイクロスクレーパーセット/ウェーブ】
①押し出しピン後の凹みの整形
▲パーツ裏面にある丸い跡。これは金型から外すための「押し出しピン」の跡です。完成後にちょっと見えそうな部分をスクレーパーを使ってならしてみましょう
▲スクレーパーは扇形を使い、凹み周囲を引っ掻くように細かな動きで削いでいきます
▲丸い凹みの周辺が低く揃っていくように削れています
▲ピン跡の周囲だけが急に低くならないよう、周辺の面をゆるく削って整えます。ここでは扇形の端側(Rのゆるい部分)を矢印のように動かしています
▲ピン跡がなくなり、周辺が整いました。一つの刃でもRの違うところを使って順次対応、手早く加工が行えました
②パーツ裏の奥を整形
▲この例はF1マシンのカウル。裏面に内部パーツとの干渉を避ける段差があり、やや荒れています。ここを滑らかに整形してみましょう
▲刃先をやや長めに出すように取り付け、刃の側面でかきとるように削っていきます。削る方向を変えつつくり返し、なだらかにしています
▲段差が無くスムーズな面に仕上がりました
③パーツのフチを薄く削る
▲さらにパーツのフチを薄くする加工。この例はプラパイプの内側に刃を当て、厚みを削いでいます。内側に入る刃先サイズ、向きが選びやすいことが活きてきます
実践!パーティングラインや合わせ目の整形
①パーティングラインの切削
▲パーティングラインの粗整形。ナイフやキサゲなどをスライドさせて削るような場面です。このスクレーパーもラインに沿って凸部を削るのに適しています。刃先は丸を使うと横スライドもさせやすいです
②シワ状の段差の切削
▲服のシワの部分にある合わせ目やパーティングライン。一定ではない変化した面を整えるのは、特にこのスクレーパーが活きるところです。シワ模様を整えるように刃の向きや削る方向を変えつつ、削ぎ取りを繰り返します。切削クズの様子からの細かく切削をくり返しているのがわかるでしょう
③パーツ裏での合わせ目整形
▲パーツフチから裏側へつながる合わせ目を整形する例。ヤスリやナイフが使いにくいところですが、小さいRの刃を使って整えられます。この場合、奥から上に動かすような動作で削ることになります
④隅(段差)の整形
▲さらに+αな使い方。“刃先を押す”方向に使って段差のスミををシャープにする加工をしています。「円形刃のナイフ」のような使い方。本来とは逆向きの使い方で危険な動作ですが、細部を整えるには便利なので紹介しておきます
今回のまとめ
HGマイクロスクレーパーは曲線の刃先を持った切削具。先端のRによって局所的な切削や、曲面で削れることが特徴ですが、実際に使ってみると加工をする際の「向き」の自由度が高まるメリットが特に大きいと感じました。それは刃先をあてがう向き、切削で動かす方向、パーツと加工具を持った構え方などすべてに当てはまります。比較に上げた他の切削具でも近い加工はできるのですが、場面によってはもう一歩、刃の当て方や動かす方向を作業しやすい向きにできたらという体験があったりします。その自由度を上げてくれる道具といえるので、こうした加工をする方は試してみてはいかがでしょうか。
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解説・文/野本憲一
多くのユーザーから愛される模型製作ガイド「NOMOKEN 野本憲一モデリング研究所」の著者・プロモデラー。当連載『いまさら聞けないプラモデルの基礎』では、令和最新版“プラモデル製作の基礎”を解説します。現在では数多くの選択肢があるプラモデル製作の道具やテクニック。「名前は知っているけどどんなものなんだろう?」「いまさら聞くのもなぁ…」と思うものもあるはず。そんな“ギモン”を改めて学んでみましょう。
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