PLAMAX「ヴェルビン」をキットの素性を活かし、甲虫の鈍い光沢感とザラついたテクスチャーをイメージして塗装していく!
2025.11.07ヴェルビン【マックスファクトリー】●清水圭 月刊ホビージャパン2025年12月号(10月24日発売)
マックスファクトリーPLAMAXのオーラ・バトラー第2弾、ヴェルビンです。第1弾のサーバインも素晴らしいキットでしたが、さらに熟成を感じさせる成型と構成で最高にカッコいいヴェルビンが組み上がります。組み立て自体はストレスなく気持ちよく組み進められます。とにかく組んだら即塗りたくなるこのキット、早速塗っていきます。
今回はある種の甲虫の鈍い光沢感とザラついたテクスチャーをイメージして、下地はメタリックカラーの焼鉄色を使用しました。また同じ理由で筆先で塗料を叩き付けていくスタンピング技法で進めていきます。スタンピングでは平筆の先に塗料を付け、その筆先でポンポンと塗料を乗せて細かい粒状のテクスチャーを描いていきます。塗料濃度によって描かれるテクスチャーサイズは変化し、濃いほど細かく、薄いほど大きくなります。また、基本的にヴェルビンはメインの本体色は単色ですが、今回ちょっと変化が欲しかったので、ビルバイン夜間迷彩カラーを参考に一部色味を変えています。頭頂部、肩アーマー1段目、前腕パーツ先端、太モモの彩度部分などが色味を変えた部分になります。
塗装工程としてはいつも通り下地に各基本色1色目を塗装、さらに1色目より明るい2色目を重ねることで色を表現していきますが、今回はメインの本体色と胸部カバーのみ、さらに3色目を使用します。
2色目までは同じ塗料濃度でスタンピングを行いますが、3色目は部分的に斑点模様的な表現を入れたいのでエナメル塗料を使用し、塗料濃度も溶剤分多めでスタンピングしていきます。エナメル塗料なので、気に入った形で斑点が入るまで思う存分やり直しが可能です。
プレミアムトップコート 半光沢でエナメル部分を保護したあと、ウォッシング、拭き取りを行って、あとはもうひと手間の仕上げです。
ハーフミラー的な設定のコクピットハッチ部分には他とは若干違う質感を与えたいところ。薄く1層エナメル塗料のチタンシルバーを塗り、光沢感と金属感を演出してみました。
各部爪パーツは根元の赤味部分をAKウェザリングペンシルで描き込みます。翅はクリアーパーツの透明感を活かしたいので、水性ホビーカラーよりも透過性の強いU-35・ウルトラマリンバイオレットで根元から末端にかけてのパープルのグラデーションを筆塗り。乾燥後、全体に薄くタミヤエナメル クリヤーブルーを塗って、パープルからブルーへの透明感のあるグラデーションを表現してみました。

マックスファクトリー ノンスケール プラスチックキット“PLAMAX”
ヴェルビン
製作・文/清水圭
PLAMAX ヴェルビン
●発売元/マックスファクリー、販売元/グッドスマイルカンパニー●8800円、10月予定●約16cm●プラキット●原型/毒島孝牧(ブスジマックス)
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清水圭
“清水式筆塗り”で業界を牽引する水性ホビーカラー筆塗りブームの立役者。主な著書に「清水圭:水性塗料 筆塗りテクニックマスターファイル」(ホビージャパン刊)、「清水 圭 飛行機模型筆塗り塗装テクニック」(大日本絵画刊)などがある。




















