HOME記事ガンダム水性ホビーカラーでの“ガンダムの白塗装”をマスターしよう!「HG Ξガンダム」の水性塗料エアブラシ塗装を解説【月刊HJ12月号特集抜粋】

水性ホビーカラーでの“ガンダムの白塗装”をマスターしよう!「HG Ξガンダム」の水性塗料エアブラシ塗装を解説【月刊HJ12月号特集抜粋】

2025.11.02

「水性ホビーカラー エアブラシ塗装」を極める。/RX-105 Ξガンダム【BANDAI SPIRITS 1/144】●えぬせ 月刊ホビージャパン2025年12月号(10月24日発売)

「水性ホビーカラー エアブラシ塗装」を極める。

クスィーガンダムのメイン画像

 今冬公開予定の劇場作品『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』での活躍が期待される「RX-105 Ξガンダム」。
 大型MSであるために、1/144スケールでも全高約18cmものボリュームとなる本キットを題材に、水性ホビーカラーの「エアブラシ塗装」のポイントを解説していく。特にここで注目してほしいのは「塗料の希釈」。水性ホビーカラーとラッカー塗料を比較した際、この希釈率がもっとも異なるポイントと言える。正直、希釈のポイントさえ覚えてしまえばエアブラシ塗装は快適そのもの。今回作例を担当したモデラー・えぬせのように、きみも美しい塗装が施せるようになれるはず! ぜひ途中写真を参考にしながら、じっくりと取り組んでみよう。またさらに、エアブラシ塗装だからこそ施せる「グラデーション塗装」や「フィルター塗装」も実践しているので、そちらも参考にしてほしい。

BANDAI SPIRITS 1/144スケール プラスチックキット
“ハイグレードユニバーサルセンチュリー”

RX-105 Ξガンダム

製作・文/えぬせ

えぬせさんのアイコン画像

えぬせ

 エアブラシ塗装、筆塗り、さらにはラッカー塗料&水性塗料も分け隔てなく駆使して数多くの模型を作るマルチモデラー。ホビージャパンモデラーのなかでも成長著しい注目モデラーのひとり。


これだけ覚えれば大丈夫!! 水性ホビーカラー エアブラシ塗装の極意は「希釈」にあり!!

 今回の特集でもっとも注目してほしいことのひとつは、水性ホビーカラーをエアブラシで塗装する時の「希釈率」である。ラッカー塗料は2倍から3倍に薄めてもコントロールしやすいが、水性ホビーカラーをその感覚で希釈して使用すると「あれ?? いつもと違う…うまく塗れないぞ」となってしまう。水性ホビーカラーは希釈に関しては少々シビア。この場合の正解は「 1:1 」。塗料とうすめ液を同じ比率で混ぜることが勝利の鍵となる!!

専用うすめ液を準備しよう

水性ホビーカラーと専用うすめ液、塗料皿などの画像
▲ビンの中の塗料の濃度は、エアブラシ塗装には少々濃いめ。そこで専用の「水性ホビーカラー専用 うすめ液」を準備する

厳守!これが正解「 1:1 」!!

塗料皿に出した水性ホビーカラーと専用うすめ液の画像
▲希釈する際は「塗料 1:うすめ液 1 」をキープしよう。これだけで、ラッカー塗料のエアブラシ塗装とほぼ同じ感覚で使用できる。また昨今のラッカー塗料よりも隠蔽力はマイルドなので、この「 1:1 」の濃度でも下地を透かすことが可能。つまり、グラデーション塗装をコントロールしやすいというわけ

適正濃度

1:1で希釈した塗料の画像
▲「 1:1 」で希釈した塗料を、紙コップのフチに垂らすと、滑らかにゆっくりと下に落ちていく。スルスルと滑り落ちていくようだと、塗料が薄すぎる証拠

滑らかな塗り心地

丸板にエアブラシで塗装している画像
▲水性サーフェイサーを塗った丸板に、「 1:1 」で希釈したレッドを塗ってみる。すると弾かれることなく、非常に滑らかに塗装できた

次の作業ができるまでの乾燥時間はおよそ5分

エアブラシで塗装後の丸板の画像
▲美しい光沢も注目ポイント。水性ホビーカラーは色味だけでなく、「ツヤ感」にも優れる。この状態で5分ほど放置しておけば、表面が乾いて再度塗装できる。ただし、完全乾燥はラッカー塗料と同様に1日かかることは覚えておこう

1:2 だとどうなる?

滑り落ちていく…

塗料皿に出した水性ホビーカラーと専用うすめ液の画像
▲試しに、「塗料 1:うすめ液 2 」の比率で希釈したレッドを塗ってみよう
塗料1:うすめ液2で希釈した塗料の画像
▲紙コップのフチに垂らしてみると、急スピードで滑り落ちていく。塗料が薄すぎる証拠だ。紙コップの白もかなり透けているのがわかる

弾かれて流れてしまう

ブツブツになる

丸板に塗料1:うすめ液2で希釈した塗料をエアブラシで塗装している画像
▲水性サーフェイサーを吹いた丸板に吹き付けてみる。すると、塗料が定着せずに弾かれて、フチのほうに流れてしまった。中央にも定着していないので、まだらな塗面になってしまった
塗料1:うすめ液2で希釈した塗料を塗装した丸板の画像
▲まだらになった塗面にそのまま吹き重ねていくことになるので、塗面が梨地のようになる。これでは本来の色味になるまで塗り重ねていっても、きれいな塗面を作ることは難しい

1:1の濃度でもグラデーション塗装は可能

下地を透けさせることが可能

塗装した丸板に上から白をエアブラシ塗装している画像
▲昨今のラッカー塗料は隠蔽力がとても強い。一方の水性ホビーカラーは隠蔽力がマイルドなので、「 1:1 」の希釈率でもこのようにグラデーション塗装が可能

グラデってますよ~

赤の上に白をグラデーション塗装した画像
▲このように「 1:1 」希釈でもさまざまな塗装方法ができるので、まずはこの希釈率でのコントロールを覚えることがエアブラシ塗装上達の近道! ぜひ参考にしてほしい

Ξガンダムのエアブラシ塗装ポイント

 まずは今回の作例の塗装ポイントを見ていく。注目してほしいのは「白」の塗装。今回使用している水性ガンダムカラーのディアクティブホワイトとエアリアルホワイトの組み合わせは、多くのガンダムタイプに似合うマリアージュなのでぜひ真似してほしい。次ページから詳細に解説していく。

クスィーガンダムの半身の画像

1.ガンダムの白塗装をマスターしよう!

エアブラシ白を塗装している画像
▲白を塗るポイントを知ることができれば、今後さまざまなガンダムタイプを水性ホビーカラーのエアブラシ塗装で楽しむことができる。ぜひマスターしてほしい

2.黄色やオレンジ、赤の塗装

クスィーガンダムの塗装したパーツの画像
▲発色させるのが難しい、黄色やオレンジ。ここをきれいに塗れるとΞガンダムもより一層かっこいい仕上がりになる。下地を工夫してみよう

3.ワンポイントにグラデーション塗装を施そう

エアブラシでグラデーション塗装している画像
▲Ξガンダムにある六角形のディテールに、アクセントとしてグラデーション塗装を施してみる

4.フィルター塗装で情報量アップ

クスィーガンダムのパーツにフィルターを被せている画像
▲スラスター周りの装甲表面に「フィルター塗装」を施して、実際の戦闘機の表面のような、ところどころ塗装が退色して色ムラができた様子を表現してみる

5.仕上げのテクニック

クスィーガンダムのパーツに仕上げを施している画像
▲スミ入れや、装甲裏の塗装、塗装ハゲを軽減するテクニックをご紹介

[次のページ]ガンダムの白塗装をマスターしよう! >

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