プラモデルの組み立てに使う接着剤の特性を学ぼう! 流し込みからリモネンまで各種プラセメントを解説!!【いまさら聞けないプラモデルの基礎:プラモデル用接着剤の使い方と特性】
2025.11.15
初めてでも安心!プロモデラー「ノモケン」と学ぶプラモデルの入り口!! File.13
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各種接着剤の特徴を知ろう
樹脂入り、流し込み用、リモネン系、ABS用など接着剤の特徴を学びましょう
先の項目で、一般的に購入できるプラモデル用接着剤(プラセメント)を紹介しました。ここからは使用方法や成分、用途などで4種類にわけて、その特徴を紹介していきます。樹脂入りのスタンダードタイプ。樹脂が入っておらず溶剤成分のみの流し込みタイプ。リモネン系など低臭タイプ。ABSを接着できるもの。各特徴を知って製作に活かしましょう。
①スタンダードタイプ(樹脂入り)
▲ 一般にプラセメントといえばこのタイプの接着剤を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。接着剤にはトロみがあり乾燥時間は比較的長めです。パーツに接着剤を塗ってからパーツ同士を貼り合わせる使い方になります。樹脂成分が接着の隙間埋めや補強にもなります
▲スタンダードタイプの接着剤のハケをビンから抜いた状態。ハケは太目で接着剤を含みやすく、塗布作業がしやすくなっています。接着剤自体はトロみがあるので、接着剤がハケにまとわりついているのが分かります
▲ タミヤセメントの成分表記。有機溶剤の中にスチロール樹脂が11%含まれています
■スタンダードタイプ(樹脂入り)の使い方
▲ スタンダードタイプ(樹脂入り)は接着面の片方に塗り、貼り合わせます。乾いて固定されるまで時間があり、位置などの微調整ができます。ハミ出しに注意します
②流し込みタイプ
▲ サラサラしていてパーツ同士の隙間に毛細管現象で流し込んで接着することができます。樹脂入り接着剤と違い、先にパーツ同士を合わせてから接着する使い方になります。乾きが早くハミ出した跡も目立ちにくいのが特徴。パーツの合わせがよい現在のキットの組み立てでは、このタイプを使うことが多くなっています
▲ 流し込みタイプの接着剤のハケをビンから抜いた状態。ハケは流し込みがしやすいように極細のものが付いています。溶剤のみでサラサラしているので、ビンから抜いてすぐでもハケに接着剤がたまっているような状態にはなりません
▲ タミヤセメント(流し込みタイプ)の成分表記。成分は有機溶剤100%です
■流し込みタイプ(溶剤系)の使い方
▲ 流し込みタイプでは先にパーツ同士を合わせておき、そこに筆先を付けて毛細管現象を利用して合わせ目に接着剤を流し込みます。乾燥が速く、手早く接着が完了します
③リモネン系、低毒性溶剤など
▲ 有機溶剤特有の刺激臭を抑えたプラセメントで、リモネンや低毒性溶剤などを用いて安全性や周辺環境に配慮した製品。樹脂入りと流し込みの両方があり、使い方は通常のプラセメントと同じです
▲ タミヤ リモネンセメントとタミヤ リモネンセメント(流し込みタイプ)の成分。有機溶剤の代わりに柑橘精油が使用されています。どちらも有機溶剤のタイプと比較すると乾燥時間が長めになりますが、接着は強固に行えます
④ABS樹脂が接着が可能なタイプ
▲ スタンダードなプラセメント(樹脂入り)ではABSは接着できません。そのためABS樹脂に対応したプラセメントを用います。こちらも樹脂入りと流し込みがあり、ABS同士、ABS+スチロールが接着できます
▲ タミヤセメント(ABS用)の成分。通常のプラセメントとは樹脂成分の内容や成分割合などが違っているのが分かります
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